特定技能

特定技能の受入れ停止リスクと企業が避けるべき対応【2026年最新版】

特定技能の受入れが停止・取消しになるリスクと企業が避けるべき対応を解説。欠格事由・行政指導・改善命令・受入れ停止の流れと具体的な予防策を行政書士が説明します。

導入

「特定技能外国人の受入れが突然できなくなることはあるのか」「どんな行為が受入れ停止につながるのか」「行政から指摘を受けた場合はどう対応すればよいか」——特定技能外国人を受け入れている企業の担当者から、こうしたご相談をよくいただきます。

特定技能の受入れが停止・取消しになるケースは実際に起きています。届出義務の不履行・社会保険料の滞納・支援義務の重大な不履行・労働関係法令違反などが主な原因です。これらを「知らなかった」では済まないため、リスクを正確に把握した上で予防することが重要です。

この記事では、受入れ停止リスクの原因・流れ・企業が避けるべき具体的な行動を解説します。

このページの要点

Q1. 特定技能の受入れが停止されるのはどんな場合ですか? 欠格事由に該当した場合です。主な欠格事由には、出入国・労働関係法令の重大な違反、社会保険料・税金の滞納、支援義務の重大な不履行、届出義務の不履行、外国人への暴行・脅迫・監禁などが含まれます。

Q2. 受入れ停止はいきなり起きますか? 多くの場合、指導→勧告→改善命令という段階を経ます。ただし重大な違反(暴行・人身売買など)は即時停止になる場合もあります。指導の段階で速やかに改善することが重要です。

Q3. 社会保険料の滞納は受入れ停止につながりますか? はい。社会保険料・税金の滞納は欠格事由に該当する可能性があります。更新申請時に納付状況が審査されるため、滞納があると更新不許可になるリスクがあります。

Q4. 1人退職させただけで新規受入れができなくなることはありますか? 会社都合(非自発的離職)で退職させた場合、直近1年以内に同種業務の特定技能外国人または日本人を企業都合で離職させると、新たな受入れが認められなくなる可能性があります。

Q5. 行政から指摘を受けた場合はどう対応すればよいですか? 速やかに改善策を実施し、改善の報告を行うことが重要です。放置すると段階的に重い措置が取られます。不安な場合は行政書士など専門家に相談することをおすすめします。

本文

受入れ停止に至るメカニズム

特定技能外国人の受入れが停止されるプロセスは以下のとおりです。

段階①:指導 入管または所管省庁から改善を求める指導が行われます。この段階で速やかに改善すれば通常は停止に至りません。

段階②:勧告 指導に従わない場合や重大な義務違反がある場合は勧告が行われます。勧告内容と企業名が公表される場合があります。

段階③:改善命令 勧告にも従わない場合は改善命令が出されます。

段階④:受入れ機関としての認定取消し・欠格事由該当 改善命令に違反した場合や重大な違反がある場合は、受入れ機関としての資格が取り消され特定技能外国人の受入れができなくなります。

即時停止になる場合 暴行・監禁・人身売買など重大な人権侵害があった場合は、段階を経ずに即時停止となる場合があります。

主な欠格事由と具体的な行為

①出入国・労働関係法令の重大な違反

  • 不法就労を助長した(在留資格を確認せずに雇用した等)
  • 労働基準法・最低賃金法の重大な違反(賃金未払い・長時間労働の強制等)
  • 職業安定法違反
  • 人身売買・強制労働

②社会保険料・税金の滞納

社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)や税金(法人税・消費税など)の滞納が続いている場合は欠格事由に該当する可能性があります。更新申請時に納付証明書の確認が行われます。

③支援義務の重大な不履行

  • 支援計画書に記載した支援を実施しない
  • 定期面談を長期間実施しない
  • 外国人が置かれている問題を把握しながら対応しない

④届出義務の不履行

  • 定期届出を提出しない
  • 随時届出(退職・住所変更など)を14日以内に提出しない
  • 虚偽の届出を行う

⑤非自発的離職者を発生させた場合の新規受入れ制限

直近1年以内に同種業務の特定技能外国人または日本人を企業都合(非自発的)で離職させた場合、新たな特定技能外国人の受入れが認められなくなります。

⑥外国人への暴行・脅迫・監禁等の人権侵害

外国人労働者への暴行・脅迫・監禁・強制労働・旅券の取り上げ・給与の不当な控除などは重大な人権侵害として即時停止の対象になります。

企業が避けるべき具体的な対応

①「知らなかった」では通らない届出漏れ 随時届出(退職・住所変更・雇用条件変更など)の期限(14日以内)を過ぎることは届出義務違反です。「忙しかった」「担当者が変わった」などの理由は認められません。届出スケジュールの仕組み化が重要です。

②社会保険料の一時的な滞納 資金繰りの悪化などで一時的に社会保険料・税金が滞納すると、更新申請に直接影響します。滞納が生じた場合は早急に解消し、分割納付の相談を行うことが重要です。

③形式的な支援・面談 定期面談の記録を作成しているが実際には面談を実施していない・生活オリエンテーションの書類だけを整えて実施していないなどの形式的な対応は、支援義務の不履行として扱われます。

④会社都合解雇の安易な実施 経営上の都合による解雇は、翌1年間の新規受入れに影響します。人員整理を行う際は特定技能外国人への影響を事前に確認し、専門家に相談することが重要です。

⑤不法就労の見落とし 在留カードの確認を怠り、在留期限切れや就労不可の在留資格の外国人を雇用してしまうケースがあります。雇用前の在留カード確認の徹底が不可欠です。

⑥パスポート・在留カードの取り上げ 外国人のパスポートや在留カードを会社で預かることは明確な禁止行為であり、即時停止の対象になる場合があります。

受入れ停止後の影響

受入れが停止された場合の主な影響は以下のとおりです。

  • 現在在籍している特定技能外国人の更新申請が認められなくなる
  • 新たな特定技能外国人の採用ができなくなる
  • 採用・育成にかけたコストが無駄になる
  • 企業名が公表される場合がある(勧告の段階から)
  • 30万円以下の罰金が科される場合がある(届出義務違反)

受入れ停止リスクを防ぐための日常的な対策

①定期的なコンプライアンス確認 四半期ごとに以下を確認する習慣を持つことをおすすめします。

  • 直近3か月以内に定期面談を実施・記録しているか
  • 随時届出が必要な事由(退職・住所変更・雇用条件変更)が発生していないか
  • 社会保険料・税金の滞納がないか
  • 在留カードの有効期限が近づいている外国人がいないか

②変更事由の即時共有体制 退職・住所変更・雇用条件変更などの情報が人事担当者から届出担当者に即座に共有されるフローを確立することが重要です。情報の流れが遅れると届出の遅延につながります。

③専門家との継続的な関係 制度改正・新たな運用ルールへの対応のために、行政書士などの専門家との継続的な関係を持つことで、問題が生じた際に迅速に対応できます。

当事務所に相談できること

行政書士アーチ事務所では、受入れ停止リスクへの対応に関して以下のサポートを提供しています。

  • コンプライアンス状況の確認:現在の届出・支援実施・社会保険の状況を確認し、リスクがないかをチェックします。
  • 届出漏れへの対応サポート:届出が漏れていた場合の遅延提出・対応方法をアドバイスします。
  • 行政指導への対応サポート:行政から指摘を受けた場合の改善策の整理・対応をサポートします。
  • 定期的なサポート契約:制度改正への対応・コンプライアンス確認を継続的に行うサポート契約も対応しています。

FAQ

Q1. 社会保険料を分割納付している場合は欠格事由になりますか? 分割納付の約束を守り、滞納が解消されていれば通常は問題になりません。ただし滞納が続いている状態での更新申請は審査に影響します。早急に年金事務所・税務署と相談し、分割納付の約定を結ぶことをおすすめします。

Q2. 行政指導を受けたことは公表されますか? 指導段階では通常公表されません。勧告の段階から公表される可能性があります。指導を受けた段階で速やかに改善することが重要です。

Q3. 受入れ停止になった場合、在籍中の外国人はどうなりますか? 在籍中の外国人の在留資格が直ちに取り消されるわけではありませんが、更新申請が認められなくなる可能性があります。受入れ停止になる前に専門家に相談することが重要です。

Q4. 軽微な届出漏れで即座に受入れ停止になることはありますか? 軽微な届出漏れは通常、指導の対象になります。ただし繰り返しの漏れや故意の不提出は重大な違反として扱われる場合があります。気づいた時点で速やかに提出することが重要です。

Q5. 特定技能外国人が自ら労基署に申告した場合、企業への影響は? 労働基準監督署による調査が入る可能性があります。労働基準法違反が認められた場合は是正勧告・罰則の対象となるほか、特定技能の受入れ継続にも影響します。

まとめ

特定技能の受入れ停止リスクは、届出義務の不履行・社会保険料滞納・支援義務の不履行・労働関係法令違反・人権侵害などが主な原因です。多くの場合は指導→勧告→改善命令という段階を経るため、指導を受けた段階で速やかに改善することが最も重要です。

日常的なコンプライアンス確認・変更事由の即時共有・専門家との継続的な関係を持つことで、受入れ停止リスクを大幅に低減できます。

企業が次に確認すべきこと

  1. 直近3か月以内の定期面談の実施・記録状況を確認する
  2. 随時届出が必要な事由が発生していないか確認する
  3. 社会保険料・税金の滞納がないか確認する
  4. 在留カードの有効期限が近づいている外国人がいないか確認する

行政書士アーチ事務所では、特定技能のコンプライアンス確認・届出管理・行政指導への対応をサポートしています。お気軽にご相談ください。

AUTHOR REVIEW

この記事の監修者

行政書士アーチ事務所

行政書士・申請取次行政書士

大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続き、特定技能、自社支援切り替え、外国人雇用を全国対応でサポート。

ONLINE CONSULTATION

大阪市を拠点に、特定技能の相談をオンラインで全国対応しています

行政書士アーチ事務所は大阪市を拠点に、特定技能の在留資格申請、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関に関するご相談を全国から受け付けています。大阪で特定技能に詳しい行政書士を探している企業の方も、遠方の受入れ機関・登録支援機関の方もご相談いただけます。

受入れ分野、雇用条件、協議会、支援体制、届出、記録管理など、企業側で確認すべき点は案件ごとに変わります。申請前や運用変更前に、必要な手続きとリスクを整理します。

WHY ARCH OFFICE

行政書士アーチ事務所が選ばれる理由

ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。

01

登録支援機関でもある行政書士事務所

特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。

02

有料職業紹介許可を保有

外国人採用の入口から在留資格、雇用後の手続きまで、採用実務を踏まえて整理します。

03

大阪市拠点・全国オンライン対応

大阪府内はもちろん、遠方の個人・企業からの相談にもLINE、WeChat、電話、フォームで対応します。

04

英語・中国語の相談にも対応

外国人本人、配偶者、企業担当者とのやり取りを、状況に応じて多言語で進められます。

05

個人向けと企業向けの両方に対応

家族滞在、永住、日本人配偶者ビザから、特定技能、技人国、外国人雇用まで横断的に確認します。

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