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特定技能

特定技能の給与水準と日本人同等報酬の考え方【2026年最新版】

特定技能外国人の給与水準と「日本人同等以上の報酬」の考え方を解説。比較対象の選び方・手当・控除・最低賃金との関係・分野別の注意点まで企業担当者向けにわかりやすく説明します。

導入

「特定技能外国人の給与はいくら設定すればよいか」「日本人と同等以上とはどう比べればよいか」——特定技能の受入れを検討する企業の担当者から、こうしたご相談をよくいただきます。

特定技能では「同等の業務に従事する日本人の報酬と同等以上であること」が在留資格の許可要件として法令で定められています。「外国人だから安く雇える」という考え方は誤りであり、要件を満たさない給与設定は在留資格の不許可・不更新の原因になります。

この記事では、以下の3点を中心に解説します。

  1. 「日本人同等以上の報酬」の具体的な考え方と比較方法
  2. 給与設定時に注意すべき手当・控除・最低賃金の扱い
  3. 分野別の追加要件と実務上のポイント

結論を先にお伝えすると、給与設定は「同じ職種・同程度の経験・同程度の責任を持つ日本人」との比較が基本です。比較できる日本人がいない場合は賃金規程・公的統計データをもとに合理的に設定し、その根拠を書面で残しておくことが重要です。

このページの要点

Q1. 特定技能外国人の給与は日本人より低くてもよいですか? いいえ。同等の業務に従事する日本人の報酬と同等以上であることが法令で義務付けられています。外国人であることや日本語能力を理由に給与を低く設定することは認められません。要件を満たさない場合は在留資格の不許可・不更新の原因になります。

Q2. 比較する「日本人」はどのように選べばよいですか? 同じ職種・同程度の経験年数・同程度の責任範囲を持つ日本人従業員が比較対象です。社内に比較できる日本人がいない場合は、賃金規程に基づく設定や、厚生労働省の賃金構造基本統計調査などの公的データを活用します。

Q3. 特定技能外国人の給与の平均はどのくらいですか? 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、特定技能外国人の平均月給(所定内給与額)は221,400円です(前年比+4.8%)。ただしこれは全分野・全地域の平均であり、分野・地域・経験によって大きく異なります。

Q4. 手当や賞与も日本人と同等にしなければなりませんか? はい。基本給だけでなく、通勤手当・住宅手当・賞与など、比較対象の日本人に支給されている手当・福利厚生についても外国人であることを理由に差別的な扱いをすることは認められません。

Q5. 最低賃金を守ればよいですか? 最低賃金の遵守は大前提ですが、それだけでは不十分です。最低賃金以上であっても、同等業務の日本人と比べて著しく低い場合は「日本人同等以上」の要件を満たせない場合があります。両方の基準を満たすことが必要です。

本文

「日本人と同等以上の報酬」とは

特定技能制度の運用要領では、受入れ機関(企業)が満たすべき要件の一つとして「特定技能外国人の報酬の額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること」が定められています。

これは「同一労働同一賃金」の考え方に基づくもので、国籍を問わず同じ業務・同じ責任であれば同じ待遇を適用することを求めています。

「外国人だから日本語が不十分で教育に時間がかかる」「即戦力でない分低くしたい」などの理由は認められません。また、外国人に対してのみ不利な控除を行うことや、特定の福利厚生から排除することも禁止されています。

比較対象の選び方

給与設定で最も重要な点は「誰と比べるか」です。比較対象を誤ると審査での指摘につながりかねません。

比較対象の選び方の原則

  1. 同じ職種・業務内容の日本人
  2. 同程度の経験年数・勤続年数の日本人
  3. 同程度の責任範囲の日本人

社内に複数の日本人従業員がいる場合は、最も条件が近い人物を選びます。単に社内の平均賃金や別部署の従業員を基準にすることは適切ではありません。

社内に比較できる日本人がいない場合

状況対応方法
賃金規程がある規程に基づき同等の経験・職種の欄を参照して設定
賃金規程がない職務内容・責任の程度を踏まえ最も近い日本人従業員の賃金を参照
同業の日本人がいない厚生労働省の賃金構造基本統計調査・ハローワーク求人賃金などの公的データを参照

比較の根拠は書面で記録しておくことが実務上も審査上も重要です。入管への申請時には「特定技能外国人の報酬に関する説明書」に比較対象と比較方法を記載して提出します。

給与設定の4つの確認ポイント

実務上、給与設定時には以下の4点を順番に確認することをおすすめします。

①最低賃金との比較 地域別最低賃金(都道府県ごと)と特定最低賃金(産業別)のうち、高い方を下回っていないかを確認します。住居費・光熱費などの控除を行う場合も、控除前の総支給額が最低賃金を上回っている必要があります。

②社内の日本人従業員との比較 同等業務・同等経験の日本人従業員の報酬と比較します。比較対象が不明確な場合は賃金規程を確認します。

③手当・賞与の均等性の確認 通勤手当・住宅手当・食事手当・皆勤手当・賞与など、日本人に支給されている手当・賞与が外国人にも同様に支給されているかを確認します。

④昇給ルールの確認 勤続年数・評価に応じた昇給ルールが日本人と同様に適用されることを確認します。建設分野では毎年の昇給が義務付けられています。

手当・控除の取り扱い

手当の扱い 通勤手当・住宅手当・食事手当・皆勤手当など、比較対象の日本人に支給されている手当は外国人にも同等に支給する必要があります。

なお、入管への申請で比較する「報酬額」には、実費弁償的な性格を持つ手当(通勤手当など)を除いた額で比較することが一般的です。ただしこの点は運用により変わる場合があるため、最新の入管の運用要領を確認することが重要です。

控除の扱い 社会保険料(健康保険・厚生年金)・雇用保険・住民税・所得税などの控除は日本人と同様に行います。

住居を会社が提供している場合、実費相当の住居費を控除することは可能ですが、市場家賃と比較して著しく高い額の控除は問題になります。外国人本人に控除の内容を母国語で事前に説明し、理解・同意を得ておくことが重要です。

最新の給与水準データ(令和7年)

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、特定技能外国人の平均月給(所定内給与額)は221,400円です(前年比+4.8%の伸び)。

在留資格別の比較では、技能実習(190,300円)を約3万円上回り、専門的・技術的分野(313,200円)を約9万円下回る水準です。この差は特定技能外国人の平均年齢(29.5歳)や勤続年数(2.4年)が短いことが影響しています。

なお、これはあくまで全分野・全地域の平均値です。実際の給与は分野・地域・経験・職種によって大きく異なります。給与設定の参考として活用しつつ、個別の比較対象との整合性を確認することが重要です。

※統計データは毎年更新されます。給与設定の参考にする場合は最新版をご確認ください。

技能実習生との給与水準の関係

技能実習2号を修了して特定技能に移行する場合、特定技能1号の給与水準は少なくとも技能実習2号の給与水準を上回ることが求められます。

技能実習2号修了者は「相当程度の技能を持つ者」として評価されており、特定技能1号も同等程度の技能水準が前提です。移行時に給与が技能実習時より下がることは制度の趣旨に反するため注意が必要です。

分野別の注意点

建設分野 建設分野では、毎年の昇給が義務付けられており、昇給額・昇給条件を雇用条件書に具体的に記載する必要があります。また同一圏域の建設技能者の賃金水準との比較も求められており、地域の同業他社と比べて著しく低い水準では認められない場合があります。

介護分野 介護報酬の制度的な制約がある中で日本人同等以上の報酬を確保する必要があります。各種手当の活用や昇給設計を工夫している企業も多くあります。

農業・漁業分野 季節性・変動性がある業種のため、年間を通じた報酬の設定方法に注意が必要です。月給制・日給月給制など、日本人従業員との比較方法を適切に整理することが重要です。

よくある誤りと注意点

「外国人は日本語が不十分だから安くていい」は通じない 日本語能力は給与に差を設ける理由として認められません。業務に支障がない範囲で採用したのであれば、日本語能力を理由に給与を下げることは不可です。

日本人の給与を下げて「同等」にしようとすることは違法 一部の企業が外国人との比較基準を下げるために日本人従業員の給与を引き下げようとするケースがありますが、労働契約法上、企業が一方的に給与を減額することは違法です。

手取り額と総支給額の混同 外国人本人が「手取り額」と「総支給額」を混同しているケースがトラブルにつながることがあります。控除の内容(社会保険料・税金など)を母国語で事前に説明し、理解を確認しておくことが重要です。

賞与・特別手当の不支給 日本人には賞与を支給しているのに外国人には支給しない場合、差別的な待遇として問題になります。支給条件・支給額を公平に設定してください。

当事務所に相談できること

行政書士アーチ事務所では、特定技能の給与設定に関して以下のサポートを提供しています。

  • 報酬説明書の作成サポート:入管への申請時に必要な「特定技能外国人の報酬に関する説明書」の作成をサポートします。
  • 雇用契約書・雇用条件書の確認:給与額・手当・昇給ルールが制度の要件を満たしているか確認します。
  • 労務面の整理:必要に応じて、社会保険・最低賃金・就業規則との整合性など労務面の確認もサポートします。
  • 申請書類全体の確認:給与設定も含めた申請書類全体が不許可リスクのない状態かを確認します。

「給与をいくらに設定すればよいか整理したい」「比較対象の日本人がいない場合どうすればよいか」という段階からのご相談も歓迎しています。

FAQ

Q1. 日本人従業員がいない会社でも特定技能外国人を受け入れられますか? はい、可能です。その場合は賃金規程や公的統計データを参照して合理的な給与設定を行い、その根拠を書面で説明できるよう整理することが重要です。

Q2. 試用期間中の給与を低く設定できますか? 試用期間中であっても日本人同等以上の報酬の要件は適用されます。試用期間中だけ給与を著しく低く設定することは認められません。

Q3. 歩合制・出来高制の給与設定はできますか? 完全歩合制は難しい場合がありますが、基本給に歩合・出来高を加算する形であれば可能です。ただし最低賃金を下回らないこと・日本人と同等の条件であることが前提です。

Q4. 住居を無償提供する場合、給与額はどう考えますか? 住居の無償提供は福利厚生として提供できますが、それを理由に基本給を著しく低く設定することは適切ではありません。住居提供と報酬額の関係を整理した上で設定することが重要です。

Q5. 給与を上げた場合、入管に届け出る必要はありますか? 報酬の増額については原則として随時届出は不要ですが、雇用条件の変更として記録・管理しておくことが重要です。更新申請時には最新の雇用条件書を提出することになります。

Q6. 最低賃金が引き上げられた場合、特定技能外国人の給与も自動的に上がりますか? 最低賃金の改定後は、特定技能外国人を含む全労働者の給与が最低賃金を上回っていることを確認・調整する必要があります。日本人同等以上の要件も引き続き満たしている必要があります。

Q7. 特定技能2号の給与水準は1号と異なりますか? 公的統計上は区分されていませんが、2号は「熟練した技能」を持つ人材であるため、実務上は1号より高い水準で設定されるのが一般的です。管理・監督経験が評価される水準の設定が求められます。

Q8. 分野によって給与水準の目安はありますか? 分野・地域・企業規模によって差がありますが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(業種別データ)やハローワークの求人賃金データが参考になります。最終的には比較対象の日本人との整合が最重要です。

まとめ

特定技能の給与設定は「同等業務に従事する日本人と同等以上の報酬」が法令上の義務です。比較対象の選び方・手当の均等性・最低賃金との整合・控除の適正性など、複数の観点から確認することが重要です。

厚生労働省の最新データ(令和7年)では特定技能外国人の平均月給は221,400円ですが、これはあくまで参考値です。実際の設定は自社の業種・地域・日本人従業員との比較をもとに行ってください。

企業が次に確認すべきこと

  1. 比較対象となる日本人従業員(同職種・同経験)の給与水準を確認する
  2. 手当・賞与の支給条件が外国人にも均等に適用されているか確認する
  3. 地域別最低賃金・特定最低賃金を下回っていないか確認する
  4. 比較根拠を書面(報酬に関する説明書)で整理する

給与設定・雇用条件書の確認・申請書類との整合性チェックについてご不明な点がある企業様は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。

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