特定技能ビザの申請の流れと必要書類【企業向け・2026年最新版】
特定技能ビザの申請の流れを海外・国内のケース別に解説。在留資格認定・変更・更新の手続き、必要書類の全体像、2025年4月改正のポイントまで企業担当者向けにわかりやすく説明します。
導入
「特定技能の申請は何から始めればよいのか」「書類が多くて全体像がつかめない」——初めて特定技能外国人を受け入れる企業の担当者の方から、こうした声をよく聞きます。
特定技能の在留資格申請は、外国人が海外にいるか国内にいるか、現在どの在留資格を持っているかによって手続きの種類が変わります。加えて、企業側・外国人本人側それぞれが準備すべき書類が多岐にわたるため、全体像を把握した上で段取りよく進めることが重要です。
この記事では、以下の3点を中心に解説します。
- 申請パターン別(海外・国内)の手続きの流れ
- 企業側・外国人本人側が準備すべき主な書類
- 2025年4月改正を踏まえた申請上の注意点
結論を先にお伝えすると、特定技能の申請は「採用決定→書類準備→支援計画策定→入管への申請→許可→就労開始」という流れで進みます。申請パターンによって書類の種類が異なるため、まず自社のケースを確認することが最初のステップです。
このページの要点
Q1. 特定技能の申請手続きにはどんな種類がありますか? 主に3種類あります。海外にいる外国人を呼び寄せる「在留資格認定証明書交付申請」、国内で在留資格を変更する「在留資格変更許可申請」、在留中の特定技能外国人の期間を延長する「在留期間更新許可申請」です。それぞれ必要書類が異なります。
Q2. 申請から許可まどのくらい時間がかかりますか? 審査期間は申請内容・申請先の地方出入国在留管理局・繁忙期などによって異なります。一般的に数週間から数か月かかる場合があります。入社予定日から逆算して、余裕をもって準備を開始することが重要です。
Q3. 申請はオンラインでできますか? はい。出入国在留管理庁の在留申請オンラインシステムを利用できます。2025年4月以降、書類の一部省略を希望する場合はオンライン申請・電子届出システムの利用登録が前提となっています。
Q4. 申請は誰が行いますか? 外国人本人または所属機関(企業)の職員が申請人となります。申請取次の資格を持つ行政書士が代わりに手続きを行うことも可能です。
Q5. 書類の有効期限はありますか? 登記事項証明書・住民票・納税証明書などは原則として発行日から3か月以内のものが必要です。申請予定日から逆算して取得時期を調整することが重要です。
本文
まず確認:どの申請パターンに該当するか
特定技能の申請手続きは、外国人の現在の状況によって以下の3パターンに分かれます。
| 申請の種類 | 対象となるケース |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 海外在住の外国人を日本に呼び寄せる場合 |
| 在留資格変更許可申請 | 国内在留中の外国人(技能実習・留学・その他)が特定技能に変更する場合 |
| 在留期間更新許可申請 | 既に特定技能で在留中の外国人の在留期間を延長する場合 |
自社のケースがどのパターンに当たるかを最初に確認した上で、必要書類の洗い出しを始めましょう。
パターン①:海外から呼び寄せる場合の流れ
海外在住の外国人を採用する場合は、在留資格認定証明書交付申請から始まります。
ステップ1:採用・内定 技能試験・日本語試験の合格を確認し、採用を決定します。
ステップ2:雇用契約の締結と支援計画の策定 雇用契約書(外国人が理解できる言語での作成が必要)と1号特定技能外国人支援計画書を作成します。
ステップ3:書類準備 企業側・外国人本人側それぞれで必要書類を準備します。分野によっては所管省庁向けの書類も必要です。
ステップ4:在留資格認定証明書交付申請(入管への申請) 管轄の地方出入国在留管理局に申請します。窓口持参またはオンライン申請が可能です。
ステップ5:審査・交付 審査が完了すると在留資格認定証明書が交付されます。
ステップ6:外国人本人によるビザ(査証)申請 在留資格認定証明書を本人に送付し、本人が自国の日本国大使館・総領事館でビザ申請を行います。
ステップ7:入国・就労開始 入国後、支援計画に基づく支援(事前ガイダンス・生活オリエンテーションなど)を実施しながら就労を開始します。
パターン②:国内在留中の外国人が変更する場合の流れ
技能実習2号修了者や留学生など、国内在留中の外国人を採用する場合は在留資格変更許可申請を行います。
ステップ1:採用・内定 技能試験・日本語試験の合格を確認します(技能実習2号修了者は同一分野であれば試験免除の場合あり)。
ステップ2:雇用契約の締結と支援計画の策定 海外ルートと同様に、雇用契約書と支援計画書を準備します。
ステップ3:書類準備 現在の在留資格に応じた追加書類が必要になる場合があります。
ステップ4:在留資格変更許可申請(入管への申請) 管轄の地方出入国在留管理局に申請します。
ステップ5:審査・許可 許可が下りると特定技能の在留カードが交付されます。
ステップ6:就労開始 就労開始と同時に支援計画の実施も始まります。
注意:申請中は原則として従前の在留資格での就労が継続できますが、申請中の転職は原則できません。
必要書類の全体像
特定技能1号の申請書類は大きく3区分に分かれます。
①申請人(外国人本人)に関する書類 - 在留資格申請書(最新様式) - パスポート・在留カードの写し - 証明写真 - 技能試験の合格証明書(または免除事由を証明する書類) - 日本語試験の合格証明書(JLPT N4以上またはJFT-Basic) - 健康診断個人票 - 税金・社会保険に関する書類 - 国籍・身分関係を証明する書類
②所属機関(受入れ企業)に関する書類 - 特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し - 1号特定技能外国人支援計画書(2025年4月以降は最新様式) - 登録支援機関との委託契約書の写し(委託する場合) - 登記事項証明書(発行から3か月以内) - 納税証明書 - 社会保険料・労働保険料の納付確認書類 - 役員の住民票の写し
③分野に関する書類 各分野の所管省庁が定める書類。建設分野では建設キャリアアップシステム登録確認書類など、分野ごとに内容が異なります。
※2026年4月1日に入管の提出書類一覧表と運用要領が改定されています。申請前に必ず最新版を確認してください。
2025年4月改正の主なポイント
2025年4月の省令改正により、申請実務に影響する以下の変更がありました。
支援計画書の様式変更 地方公共団体が行う共生社会の施策を踏まえた支援が要件に加わり、支援計画書の様式が更新されました。また申請書の項番32に「地域の共生施策への協力」に関する項目が追加されています。古い様式は受理されない場合があるため、必ず最新様式を使用してください。
書類省略とオンライン申請の連動 書類の一部省略を希望する場合は、オンライン申請・電子届出システムへの利用登録が前提となりました。申請の効率化を図りたい企業はオンライン環境の整備を検討する価値があります。
定期届出の年1回化 受入れ後の定期届出が年4回(四半期ごと)から年1回に変更されました。初回は2026年4月〜5月の提出が対象です。なお、定期面談は引き続き3か月に1回以上の実施が必要です。
オンライン申請と窓口申請の違い
| 項目 | オンライン申請 | 窓口申請 |
|---|---|---|
| 審査状況の確認 | 可能 | 不可 |
| 書類の一部省略 | 条件を満たせば可能 | 不可 |
| 受取り | オンラインまたは郵送 | 窓口 |
| 利用条件 | 事前登録が必要 | 不要 |
オンライン申請は審査状況の確認ができる点が実務上のメリットです。2025年4月以降、書類省略にはオンライン申請が前提となったため、積極的な活用を検討することをおすすめします。
申請でよくある不備と対策
古い様式の使用 申請書・支援計画書の様式は随時更新されます。前回の申請で使用した様式をそのまま流用せず、申請のたびに最新版をダウンロードしてください。
証明書の有効期限切れ 登記事項証明書・納税証明書などは発行日から3か月以内のものが必要です。申請予定日から逆算して取得時期を管理しましょう。
雇用契約書の言語不備 雇用契約書は外国人本人が理解できる言語での作成が必要です。日本語のみでは不受理となる場合があります。
支援計画書の記載不足 10項目の支援をいつ・どのように実施するかを具体的に記載する必要があります。「実施する」といった抽象的な記載では不備とされる場合があります。
国籍別追加書類の漏れ ベトナム・フィリピン・カンボジアなど、二国間協定のある国籍の外国人は追加書類が必要です。採用が決まった段階で確認しておきましょう。
申請から就労開始までのスケジュール感
審査期間は申請内容・地域・繁忙期などによって異なりますが、余裕をもって以下を目安に準備を進めることをおすすめします。
- 採用決定〜書類準備完了:1〜2か月程度(証明書の取得・翻訳・支援計画書の作成を含む)
- 申請〜審査完了:数週間〜2か月程度(ケースによって大きく異なります)
- 海外からの場合:ビザ申請・入国手続きでさらに数週間が加わります
入社日が決まっている場合は、逆算してスケジュールを立て、早めに準備を開始することが重要です。書類の差し戻しがあると入社日に間に合わないケースも生じます。
行政書士に依頼するメリット
特定技能の申請は書類の種類が多く、様式変更への対応や分野別書類の確認など、初めての企業にとって負担が大きい手続きです。申請取次の資格を持つ行政書士に依頼することで、以下のメリットがあります。
- 最新様式・最新要件に基づいた書類の準備
- 書類不備による差し戻しリスクの低減
- 申請取次により担当者が入管窓口に出向く手間を省ける
- 支援計画書の内容確認・作成支援
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、特定技能の申請手続きに関して以下のサポートを行っています。
- 申請書類の作成・取次:在留資格認定・変更・更新の各申請について、書類作成から申請取次まで対応します。
- 支援計画書の確認・作成:2025年4月以降の最新様式に対応した支援計画書の作成をサポートします。
- 登録支援機関としての受託:支援計画の実施まで含めた一貫サポートが可能です。
- 採用前の要件確認:自社の業種・業務が特定技能の対象かどうかの確認から対応できます。
- 有料職業紹介を活かした採用支援:人材の紹介から申請手続きまでワンストップでのサポートも可能です。
「どの申請が必要か整理したい」という段階からのご相談も歓迎しています。
FAQ
Q1. 特定技能の申請はどこに提出しますか? 受入れ企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に提出します。窓口持参・郵送・オンラインのいずれかで申請できます。管轄局によって対応や審査期間に違いがある場合があります。
Q2. 技能試験・日本語試験はいつ合格していればよいですか? 申請時点で合格していることが必要です。試験の合格証明書が有効かどうか(有効期限がある試験もあります)も確認しておきましょう。技能実習2号を良好に修了した場合は同一分野での試験免除があります。
Q3. 申請中に就労させることはできますか? 在留資格変更許可申請中は、原則として従前の在留資格の範囲内での就労が可能です。ただし、申請中の転職は原則できません。個別の状況によって対応が異なりますので、不明な場合は専門家にご確認ください。
Q4. 申請が不許可になった場合はどうなりますか? 不許可通知が届き、再申請が必要となります。不許可理由を確認した上で、書類や要件を見直して再申請することが一般的です。不許可になった場合は行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
Q5. オンライン申請と窓口申請で審査期間は変わりますか? 審査期間に大きな違いはありませんが、オンライン申請は審査状況をリアルタイムで確認できるため、進捗管理がしやすいメリットがあります。
Q6. 申請書類はすべて日本語で作成しますか? 申請書類は日本語で作成するものが基本ですが、雇用契約書など外国人本人が内容を理解する必要がある書類については、外国人が理解できる言語での作成が求められます。また、外国語書類には日本語翻訳文の添付が必要です。
Q7. 複数名を同時に申請できますか? はい、可能です。ただし、それぞれについて個別の書類が必要となります。複数名を同時に申請する場合は、スケジュール管理と書類の確認をより丁寧に行う必要があります。
Q8. 協議会への加入はいつまでに必要ですか? 受入れを開始した後、原則として4か月以内に対象分野の協議会に加入する必要があります。分野によって加入のタイミングや手続きが異なるため、早めに確認することをおすすめします。また、協議会加入の要件は変更される場合があります。
まとめ
特定技能ビザの申請は、採用ルート(海外・国内)によって手続きの種類が変わり、企業側と外国人本人側それぞれに準備すべき書類が多岐にわたります。2025年4月の改正では様式変更・書類省略とオンライン申請の連動・定期届出の年1回化など、実務に影響する変更が行われています。また2026年4月1日には提出書類一覧表と運用要領も改定されており、最新情報の確認が不可欠です。
企業が次に確認すべきこと
- 採用予定の外国人が海外在住か国内在住か(申請パターンの確認)
- 入管の最新「提出書類一覧表」と分野別の運用要領を取得する
- 支援計画書の最新様式を確認し、支援体制(自社支援か登録支援機関委託か)を決める
- 入社予定日から逆算したスケジュールを立てる
特定技能の申請手続きに不安がある企業様、初めての申請で全体像を整理したい方は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。書類の準備から申請取次・支援計画の実施まで、一貫してサポートいたします。
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