行政書士アーチ事務所ビザ申請・在留資格コラム
LINEで相談
WeChatで相談
WeChatで相談

微信号

ukaye924

WeChatでQRコードを読み取るか、上記IDを検索して追加してください。

電話お問い合わせ
特定技能

特定技能の雇用契約で企業が注意すべき点【2026年最新版】

特定技能外国人との雇用契約で企業が注意すべき点を解説。日本人同等報酬・多言語対応・契約期間と在留期間の整合・禁止事項まで、申請不許可を防ぐポイントを行政書士がわかりやすく説明します。

導入

「特定技能の雇用契約書は日本人と同じもので大丈夫か」「何語で書けばよいのか」「契約期間はどう設定すればよいか」——特定技能外国人の受入れを準備している企業の担当者から、こうしたご質問をよくいただきます。

特定技能の雇用契約には、通常の雇用契約とは異なる特有の要件があります。多言語対応・日本人同等以上の報酬・業務内容と申請内容の一致・禁止事項の遵守など、契約書の内容に不備があると在留資格申請が不許可になるリスクがあります。

この記事では、以下の3点を中心に解説します。

  1. 特定技能雇用契約に必要な記載事項と注意ポイント
  2. 報酬・労働条件に関する主な要件
  3. やってはいけない禁止事項

結論を先にお伝えすると、特定技能の雇用契約書は「外国人本人が理解できる言語」で作成し、日本人と同等以上の報酬・同等の所定労働時間・社会保険への加入などを明記することが基本です。申請内容と契約内容の整合性も重要なポイントです。

このページの要点

Q1. 特定技能の雇用契約書は日本語だけでよいですか? いいえ。特定技能外国人が理解できる言語(母国語または英語など)での作成が必要です。日本語のみでは不受理・不許可の原因になります。入管の参考様式には各言語版が用意されています。

Q2. 給与は日本人と同じにしなければなりませんか? 日本人が同等の業務に従事する場合の報酬と「同等以上」であることが必要です。最低賃金を下回ることはもちろん認められず、外国人であることを理由とした差別的な待遇も禁止されています。

Q3. 契約期間はどう設定すればよいですか? 特定技能1号は在留期間との整合を取ることが基本です。在留期間が1年であれば契約期間も1年とし、更新条件を明記します。無期雇用契約は特定技能1号の制度趣旨との整合性に注意が必要です。

Q4. パスポートを預かったり、違約金を設定することはできますか? いずれも禁止されています。退職時の違約金の設定・パスポートや在留カードの取り上げ・強制貯金などは、特定技能の基準に反するだけでなく、労働関係法令に違反する場合もあります。

Q5. 雇用契約書と雇用条件書は別に作る必要がありますか? 実務上は「特定技能雇用契約書」と「雇用条件書(賃金の支払を含む)」を両方作成することが一般的です。どちらにも外国人が理解できる言語での作成が必要です。

本文

特定技能雇用契約の基本的な性質

特定技能は「即戦力としての労働力確保」を目的とした在留資格であり、技能実習とは制度の目的が根本的に異なります。雇用契約も「実習生向け」ではなく、通常の労働契約として適正に整える必要があります。

特定技能外国人との雇用契約には、入管法および関連省令(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令)に定められた基準があります。この基準を満たさない契約は、在留資格申請の不許可原因となります。

雇用契約書に必要な主な記載事項

特定技能雇用契約書・雇用条件書には、以下の事項を記載することが求められます。

①業務内容 特定技能外国人が従事する業務が、申請する特定産業分野の業務区分に該当していることを具体的に記載します。業務内容が申請内容と一致していることが重要です。

②所定労働時間 同じ職場で働く日本人労働者と同等の所定労働時間を設定することが必要です。

③報酬(給与) 同等業務に従事する日本人との比較で同等以上の報酬額を明記します。月給・時給・各種手当・昇給条件なども記載します。

④社会保険への加入 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険への加入を明記します。

⑤契約期間と更新条件 在留期間との整合を踏まえた契約期間と、更新の有無・条件を記載します。

⑥一時帰国のための有給休暇 本人が希望する場合に一時帰国のための休暇を取得できる旨を記載することが求められます。

⑦帰国にかかる費用の負担 雇用契約終了時、本人が帰国を希望する場合の費用負担について記載します。

⑧禁止事項の不記載の確認 違約金・パスポートの預かりなど、禁止事項を定める条項が含まれていないことを確認します。

言語の要件:必ず外国人が理解できる言語で

特定技能雇用契約書・雇用条件書は、外国人本人が理解できる言語で作成することが必要です。日本語のみで作成した場合は不受理・不許可の原因になります。

入管の参考様式には、ベトナム語・インドネシア語・フィリピン語(タガログ語)・英語・中国語・カンボジア語・タイ語・ミャンマー語・モンゴル語・ネパール語など多くの言語版が用意されています。参考様式を活用することで、記載事項の漏れを防ぐことができます。

企業独自の様式を使うことも可能ですが、省令で求められている内容をすべて盛り込む必要があります。

署名は外国人本人に自筆でしてもらい、内容を十分に理解した上で署名させることが重要です。2部作成し、1部は企業が保管、もう1部は外国人本人に渡してください。

報酬・労働条件の要件

日本人同等以上の報酬 特定技能外国人に支払う報酬は、同等の業務に従事する日本人労働者の報酬と「同等以上」であることが必要です。「同等以上」の比較対象は、同じ企業・同じ職種・同じ程度の経験・技能を持つ日本人です。比較できる日本人がいない場合は、賃金規程・賃金台帳などをもとに合理的に設定する必要があります。

外国人であることを理由とした差別的な待遇は禁止されています。最低賃金を下回ることはもちろん認められません。

分野によっては追加の要件あり(建設分野の例) 建設分野では、報酬に関する独自の基準があります。日本人労働者の賃金が地域別最低賃金の1.1倍を下回る場合は、外国人の給与をその水準以上に設定する必要があります。また、技能の習熟に応じた昇給が義務付けられており、毎年の昇給額・昇給条件を雇用条件書に明記することが求められています。

各種手当・福利厚生の均等 通勤手当・住宅手当・賞与など、日本人労働者に支給されている手当・福利厚生について、外国人であることを理由に支給しないことは差別的な待遇として問題になります。

契約期間と在留期間の整合

特定技能1号の雇用契約期間は、在留期間と整合をとることが基本です。

在留カードの在留期限が1年であれば、雇用契約期間も1年とし、「在留資格の更新に応じて更新する可能性がある」旨を記載することが一般的です。

無期雇用について 特定技能1号は在留期間に通算5年の上限があり、制度上「一時的就労」を前提としているため、無期雇用契約は制度趣旨との整合性に注意が必要です。入管審査で問題になる可能性があることから、特定技能1号との雇用契約は有期(在留期間に連動した更新型)とするのが一般的です。特定技能2号については在留期間の上限がないため、無期雇用契約を締結することが制度上可能です。

やってはいけない禁止事項

特定技能の雇用契約において、以下のことは絶対に行ってはなりません。

①退職時の違約金・損害賠償の予定 「退職した場合は○○万円を支払う」などの違約金条項を設けることは、労働基準法16条(賠償予定の禁止)および特定技能の基準に違反します。

②パスポート・在留カードの取り上げ パスポートや在留カードを会社が預かること・取り上げることは禁止されています。これらは本人が常時携帯・管理するものです。

③強制貯金・給与からの一方的な控除 外国人の同意なく給与から一方的に控除することや、強制的に貯金させることは禁止されています。

④保証金の徴収 採用・就労にあたって保証金を徴収することは禁止されています。

⑤外国人の意思に反した就業の強制 本人の意思に反して就業を継続させたり、帰国を妨げたりすることは禁止されています。

雇用条件の変更時の注意点

雇用契約の内容(報酬・業務内容・労働時間など)を変更する場合は、変更内容を書面で明示し、外国人本人の同意を得た上で進める必要があります。

また、雇用条件の変更は在留資格の申請内容との整合性にも影響します。報酬額が大幅に変わる場合や業務内容が変更になる場合は、随時届出が必要になる場合もあります。更新申請時には最新の雇用契約書・雇用条件書の提出が求められます。

社会保険・労働保険の加入

特定技能外国人を雇用する場合、日本人と同様に社会保険・労働保険への加入が必要です。

  • 健康保険・厚生年金保険(法人の場合は原則加入義務)
  • 雇用保険(週所定労働時間31時間以上などの要件を満たす場合)
  • 労災保険(業務上の災害に対応)

社会保険・労働保険の未加入は、受入れ企業の欠格事由に該当する可能性があり、申請不許可の原因になります。雇用契約書にも社会保険加入の旨を明記してください。

当事務所に相談できること

行政書士アーチ事務所では、特定技能の雇用契約に関して以下のサポートを提供しています。

  • 雇用契約書・雇用条件書の確認:作成した契約書・条件書の内容が特定技能の基準を満たしているか確認します。
  • 申請書類との整合性確認:在留資格申請の内容と雇用契約書の業務内容・報酬が一致しているかを確認します。
  • 日本人同等報酬の検討サポート:同等比較の考え方の整理と、説明書類の作成をサポートします。
  • 労務面の整理:必要に応じて社会保険・労働保険の加入状況など労務面の確認もサポートします。

「雇用契約書を作ったが、内容に問題がないか確認してほしい」という段階からのご相談も歓迎しています。

FAQ

Q1. 雇用契約書のひな形はどこから入手できますか? 入管(出入国在留管理庁)の公式サイトに「特定技能雇用契約書」「雇用条件書」の参考様式(多言語版)が掲載されています。ただし様式は随時更新されるため、申請のたびに最新版を確認してください。

Q2. 試用期間を設けることはできますか? 試用期間自体は禁止されていませんが、試用期間中であっても日本人同等以上の報酬の要件を満たす必要があります。試用期間中の給与を不当に低く設定することは認められません。

Q3. 給与を現物支給(住居提供など)にすることはできますか? 住居提供などを報酬の一部とすることは可能ですが、過大な控除(市場家賃よりも著しく高い住居費の控除など)は問題になります。実費相当の費用負担と報酬の関係を適正に設定することが重要です。

Q4. 残業代はどう取り扱いますか? 労働基準法に基づき、法定時間を超える労働には割増賃金の支払いが必要です。外国人だからといって残業代を支払わなくてよいということはありません。雇用条件書に時間外労働の賃金計算方法を明記してください。

Q5. 契約を更新しない場合(雇い止め)の手続きは? 契約満了後に更新しない場合は、雇用契約終了に係る随時届出を入管に提出する必要があります。また外国人本人への告知・次の就職先探しへの協力など、適切な対応が求められます。

Q6. 雇用形態はフルタイムでなければなりませんか? 所定労働時間は同種の業務に従事する日本人と同等であることが必要です。短時間労働(パートタイム)での受入れは原則として認められていません。フルタイムでの雇用が基本です。

Q7. 建設分野で昇給は必須ですか? はい。建設分野では技能の習熟に応じた昇給が義務付けられており、毎年昇給させることが求められています。昇給額・昇給条件を雇用条件書に具体的に記載することが必要です。

Q8. 雇用契約書の変更は随時届出が必要ですか? 報酬・業務内容など雇用契約の重要な条件が変更になった場合は随時届出が必要です。変更の種類・内容によって届出の要否が異なるため、変更が生じた際は速やかに確認することをおすすめします。

まとめ

特定技能の雇用契約書には、外国人が理解できる言語での作成・日本人同等以上の報酬・所定労働時間の同等性・社会保険加入・禁止事項の不設定など、通常の雇用契約とは異なる要件があります。

契約書の内容に不備があると在留資格申請が不許可になるリスクがあるため、申請前に内容を丁寧に確認することが重要です。また、雇用条件の変更時は申請内容との整合性と随時届出の要否も確認してください。

企業が次に確認すべきこと

  1. 雇用契約書・雇用条件書が外国人本人が理解できる言語で作成されているか
  2. 報酬が日本人同等以上であることを説明できるか(比較対象の整理)
  3. 禁止事項(違約金・パスポート預かりなど)が含まれていないか
  4. 業務内容が申請する特定技能の業務区分と一致しているか

雇用契約書の内容確認・申請書類との整合性チェックについてご不明な点がある企業様は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。

RELATED ARTICLES

上部へ