登録支援機関を変更する場合の手続き【特定技能・2026年最新版】
特定技能の登録支援機関を変更する場合の手続きの流れ・必要書類・届出の種類と期限を解説。変更前の確認事項・引き継ぎ・外国人への説明まで行政書士がわかりやすく説明します。
導入
「今の登録支援機関の対応に不満がある」「費用が高すぎるので別の機関に変えたい」「担当者が頻繁に変わり外国人が不安がっている」——特定技能外国人を受け入れている企業の担当者から、こうした声を聞くことがあります。
登録支援機関は企業が自由に選ぶことができ、変更も可能です。ただし変更には現在の機関との契約解除・新しい機関との契約締結・入管への随時届出・引き継ぎなど、複数の手続きを正しい順序で進める必要があります。
この記事では、以下の3点を中心に解説します。
- 登録支援機関を変更する手続きの全体的な流れ
- 変更に必要な届出の種類・書類・期限
- 変更前に確認すべきポイントと注意点
結論を先にお伝えすると、変更の核心は「①現在の機関との契約解除→②新しい機関との契約締結→③新支援計画書の作成→④入管への随時届出(14日以内・2種類)」という流れです。在留期間更新の直前は避け、新旧の支援に空白期間が生じないよう進めることが重要です。
このページの要点
Q1. 登録支援機関はいつでも変更できますか? はい、要件を満たした別の登録支援機関に変更することは可能です。ただし現在の機関との契約書に定められた解約通知期間(一般的に1〜3か月前)に従う必要があります。在留期間更新の直前は避けることをおすすめします。
Q2. 変更に必要な届出は何ですか? ①支援委託契約の終了に係る届出(参考様式第3-3-2号)と②支援委託契約の締結に係る届出(参考様式第3-3-2号)の2件、および③支援計画変更に係る届出(参考様式第3-2号)の計3件を、変更日から14日以内に入管へ提出する必要があります。
Q3. 変更中に支援の空白期間が生じても問題ありませんか? 問題になります。特定技能1号外国人への支援は継続的に実施する義務があります。現在の機関の契約終了日と新しい機関の契約開始日を同日にするか、重複させることで空白を防ぐことが重要です。
Q4. 変更時に外国人本人への説明は必要ですか? 法令上の義務ではありませんが、支援の窓口・担当者が変わることを外国人本人が理解できる言語で丁寧に説明することが重要です。説明なしに変更すると外国人が混乱し、相談できない環境が生じるリスクがあります。
Q5. 変更した場合、在留資格の更新申請に影響しますか? 変更後の新しい支援計画書が適切に作成されていれば、通常は影響しません。ただし変更のタイミングが更新申請直前の場合は、書類の整合性に注意が必要です。
本文
登録支援機関を変更する主な理由
実務上、企業が登録支援機関の変更を検討する理由として以下が挙げられます。
- 担当者の対応が遅い・連絡がつかない
- 外国人への面談・相談対応の質が低い
- 外国語対応が不十分(外国人の母国語に対応できない)
- 委託費用が相場より高い
- 担当者が頻繁に変わり外国人が不安がっている
- 自社支援への切り替えを見据えて一時的に別の機関を利用したい
変更は企業の権利であり、合理的な理由があれば変更を選択することは問題ありません。
変更手続きの全体的な流れ
ステップ1:現在の機関との契約書の解約条件確認 解約通知期間・違約金の有無・引き継ぎ条件を確認します。
ステップ2:新しい登録支援機関の選定・交渉 対応言語・実績・費用・サービス内容を比較し、新しい機関を選定します。仮契約または内諾を得た上で現在の機関への解約通知に進みます。
ステップ3:現在の機関への解約通知 契約書の解約通知期間に従い、書面で解約通知を行います。同時に引き継ぎ書類のリストを依頼します。
ステップ4:新しい機関との契約締結・新支援計画書の作成 新しい委託契約書を締結し、新しい支援計画書(最新様式)を作成します。新しい機関が支援計画書の作成を支援することが一般的です。
ステップ5:引き継ぎ書類の受け取り 現在の機関から面談記録・支援実施記録・届出履歴などを受け取り、新しい機関に共有します。
ステップ6:外国人本人への説明 支援機関・担当者が変わることを外国人本人が理解できる言語で説明します。
ステップ7:入管への随時届出(変更日から14日以内) 3種類の届出書を準備し、入管へ提出します。
ステップ8:新体制での支援開始 新しい機関による支援を開始します。
入管への随時届出(3件・14日以内)
登録支援機関の変更に伴い、以下の届出を変更が生じた日から14日以内に入管へ提出します。
| 届出書類 | 内容 |
|---|---|
| 支援委託契約の終了に係る届出書(参考様式第3-3-2号) | 旧登録支援機関との契約終了を届け出る |
| 支援委託契約の締結に係る届出書(参考様式第3-3-2号) | 新登録支援機関との契約締結を届け出る |
| 支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号) | 支援体制(委託先)の変更を届け出る(新支援計画書を添付) |
重要:随時届出は登録支援機関に委託できません。受入れ企業(特定技能所属機関)が自ら提出する義務があります。
旧機関との契約終了日と新機関との契約開始日が異なる場合は、それぞれの日付を正確に把握した上で届出書を作成してください。
新しい登録支援機関の選び方
登録支援機関を変更する際は、以下の観点で比較・選定することをおすすめします。
①対応言語 受け入れている外国人の母国語(ベトナム語・インドネシア語・フィリピン語など)に対応できるかを確認します。
②対応分野の実績 自社の業種・分野(製造業・介護・飲食など)での受入れ実績があるかを確認します。
③担当者の安定性 担当者が頻繁に変わらないか、担当者体制を確認します。
④費用の透明性 月額費用・初期費用・追加費用の内訳が明確かを確認します。相場は1人あたり月額1.5〜3万円程度です。
⑤対応エリア 事業所の所在地への訪問対応が可能かを確認します(定期面談を対面で行う場合)。
⑥行政書士資格の有無 2026年1月の行政書士法改正以降、申請書類の作成は行政書士・弁護士にしか依頼できません。登録支援機関が行政書士事務所を兼ねている場合は、支援業務と申請書類の作成を一括で依頼できるメリットがあります。
変更タイミングの注意点
在留期間更新の直前は避ける 更新申請の書類準備と変更手続きが重なり、スケジュールが逼迫します。更新から2〜3か月以上前に変更を完了させることをおすすめします。
定期面談の空白を作らない 3か月に1回の定期面談が変更のタイミングで抜けないよう注意します。旧機関の最後の面談と新機関の最初の面談のスケジュールを事前に確認・調整してください。
定期届出の時期との関係 定期届出(毎年4〜5月)の直前の変更は、届出書の作成担当が変わり混乱が生じやすいです。定期届出から時期をずらして変更することをおすすめします。
引き継ぎで押さえるべきポイント
変更時の引き継ぎは、旧機関・新機関・受入れ企業の三者で情報を共有することが理想です。
旧機関から受け取るべき書類
- 定期面談報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)
- 支援実施記録(10項目の支援の実施状況)
- 相談・苦情対応記録
- 届出書類の控え(随時届出・定期届出)
- 事前ガイダンス・生活オリエンテーションの実施記録
新機関に共有すべき情報
- 外国人本人の基本情報(氏名・国籍・在留カード情報・在留期限)
- 外国人の居住状況・生活環境
- これまでの支援状況・相談履歴
- 次回の定期面談予定日
変更費用の考え方
登録支援機関の変更に伴う費用として以下を確認してください。
- 旧機関への解除月の委託費精算
- 旧機関への違約金(契約書に定めがある場合)
- 新機関への初期費用(契約締結料・書類作成料など)
- 新機関への月額委託費
変更によるコスト増減を試算した上で変更を判断することが重要です。単に「不満があるから変える」ではなく、新しい機関の対応品質・費用のバランスを確認してから決定することをおすすめします。
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、登録支援機関の変更に関して以下のサポートを提供しています。
- 変更手続きのサポート:届出書類3件の作成・提出をサポートします。
- 新支援計画書の作成:変更後の新しい支援計画書(最新様式対応)を作成します。
- 登録支援機関としての受託:当事務所への変更も対応しています。行政書士として申請書類の作成・取次も一括で対応できます。
- 引き継ぎサポート:旧機関からの書類引き継ぎを円滑に進めるためのアドバイスをします。
- 外国人への説明サポート:変更について外国人本人が理解できる言語での説明をサポートします。
「今の登録支援機関から変えたい」という段階からのご相談も歓迎しています。
FAQ
Q1. 変更したい理由を登録支援機関に伝える必要がありますか? 法令上の義務はありません。ただし契約書に解約理由の記載が求められている場合は従ってください。理由を伝えることで改善提案を受けられる場合もあります。
Q2. 外国人本人が変更を嫌がった場合はどうすればよいですか? 法令上は外国人の同意は不要ですが、不安の理由を母国語で丁寧に確認し、新しい機関の対応内容を説明することで理解を得ることが重要です。
Q3. 変更と同時に自社支援に切り替えることはできますか? 可能です。ただし変更・切り替え両方の手続きが同時に発生するため、スケジュール管理が重要です。届出も3件ではなく、自社支援への切り替えとして2件(終了届・支援計画変更届)になります。
Q4. 変更先の登録支援機関が見つからない場合はどうすればよいですか? 入管の公式サイトや各業界団体のリストから検索できます。また行政書士事務所が登録支援機関を兼ねているケースも多くあります。当事務所にご相談いただければ対応可能か確認します。
Q5. 変更後に旧機関が書類を渡してくれない場合はどうすればよいですか? 記録の作成・保管は法令上の義務であるため、合理的な理由なく引き渡しを拒否することは問題があります。まず書面で請求し、対応がない場合は専門家に相談することをおすすめします。
Q6. 変更の届出を忘れた場合はどうなりますか? 随時届出の不履行は30万円以下の罰金の対象となります。気づいた時点で速やかに届出を行い、状況に応じて専門家に相談することをおすすめします。
Q7. 分野によって登録支援機関に制約はありますか? 分野によって登録支援機関が特定の資格や認定を有することが求められる場合があります。特に介護分野など一部の分野では対応できる機関が限られることがあります。変更先を選ぶ際に確認してください。
まとめ
登録支援機関の変更は、①現在の機関との契約解除→②新しい機関との契約締結→③新支援計画書の作成→④入管への随時届出(14日以内・3件)という流れで進めます。
支援の空白期間を作らないこと・在留期間更新の直前を避けること・引き継ぎ書類を確実に受け取ることが成功のポイントです。新しい機関の選定では対応言語・実績・費用の透明性・行政書士資格の有無を確認することをおすすめします。
企業が次に確認すべきこと
- 現在の委託契約書の解約条件(通知期間・違約金など)を確認する
- 新しい登録支援機関の候補を比較・選定する
- 在留期間更新時期・定期届出時期を確認し変更スケジュールを立てる
- 引き継ぎ書類のリストを現在の機関に事前に依頼する
登録支援機関の変更・届出書類の作成・新体制への移行についてご不明な点がある企業様は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。
ONLINE CONSULTATION
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行政書士アーチ事務所は大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続きのご相談を全国から受け付けています。 大阪府内の方はもちろん、遠方にお住まいの方や来所が難しい方も、LINE・WeChat・電話・お問い合わせフォームを使って申請準備を進めることができます。
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WHY ARCH OFFICE
行政書士アーチ事務所が選ばれる理由
ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。
01
登録支援機関でもある行政書士事務所
特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。
02
有料職業紹介許可を保有
外国人採用の入口から在留資格、雇用後の手続きまで、採用実務を踏まえて整理します。
03
大阪市拠点・全国オンライン対応
大阪府内はもちろん、遠方の個人・企業からの相談にもLINE、WeChat、電話、フォームで対応します。
04
英語・中国語の相談にも対応
外国人本人、配偶者、企業担当者とのやり取りを、状況に応じて多言語で進められます。
05
個人向けと企業向けの両方に対応
家族滞在、永住、日本人配偶者ビザから、特定技能、技人国、外国人雇用まで横断的に確認します。
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