自社支援で必要な支援計画書の作り方【特定技能・2026年最新版】
特定技能の自社支援で必要な1号特定技能外国人支援計画書の作り方を解説。10項目の記載内容・2025年4月新設の地域共生施策・よくある不備・多言語対応まで行政書士がわかりやすく説明します。
導入
「支援計画書に何をどう書けばよいかわからない」「記載が漠然としていて不備を指摘されてしまった」——自社支援に切り替えた企業や、初めて特定技能外国人を受け入れる企業の担当者から、こうしたご相談をよくいただきます。
1号特定技能外国人支援計画書は、特定技能1号の外国人を受け入れる際に必ず作成・提出が必要な書類です。記載が抽象的・形式的であると、在留資格申請の不許可や差し戻しにつながります。また2025年4月の改正で様式が変更され、地域共生施策に関する記載が新たに加わりました。
この記事では、以下の3点を中心に解説します。
- 支援計画書の全体的な構成と記載の流れ
- 10項目の義務的支援の具体的な記載ポイント
- 不備になりやすいポイントと2025年4月改正への対応
結論を先にお伝えすると、支援計画書は「誰が・いつ・どのように」支援を実施するかを具体的に記載することが審査通過のポイントです。「実施する」などの抽象的な記載は不備になります。また日本語だけでなく外国人が理解できる言語(母国語など)での作成・提供が必要です。
このページの要点
Q1. 支援計画書の様式はどこから入手できますか? 出入国在留管理庁の公式サイトで「参考様式第1-17号(1号特定技能外国人支援計画書)」として無料公開されています(Excel形式)。2025年4月に様式が変更されているため、申請のたびに最新版を確認することが必須です。
Q2. 支援計画書に記載が必要な支援項目は何項目ですか? 義務的支援として10項目あります。2025年4月改正で地域の共生施策に関する記載(協力確認書の取得・共生施策の確認)が追加されました。これは従来の10項目に加わる形で反映されています。
Q3. 記載内容はどのくらい具体的に書けばよいですか? 「誰が(担当者名または役職)」「いつ(実施時期・頻度)」「どのように(実施方法・使用言語)」を各項目ごとに記載することが必要です。「実施する」「対応する」などの抽象的な表現は不備とされます。
Q4. 支援計画書は日本語だけで作成してよいですか? いいえ。外国人本人が内容を理解できる言語(母国語または英語など)での作成・提供が必要です。入管の公式サイトには多言語版の参考様式が公開されています。
Q5. 支援計画書は一度作成したら変更できませんか? 変更可能です。ただし支援計画の内容を変更する場合は、支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)を変更日から14日以内に入管へ提出する必要があります。
本文
支援計画書とは何か
1号特定技能外国人支援計画書(以下「支援計画書」)とは、特定技能1号の外国人が日本での生活・就労を円滑に行えるよう、受入れ企業が実施する支援の内容を具体的にまとめた計画書です。
支援計画書は在留資格申請時の必須書類であり、入管が受入れ企業の支援体制の適正さを審査する際の重要な判断材料となります。計画書に記載した内容は実際に実施する義務があり、計画と実態が乖離している場合は更新申請に影響することがあります。
様式と提出タイミング
様式 参考様式第1-17号(1号特定技能外国人支援計画書)を使用します。入管の公式サイトからExcel形式で無料ダウンロードできます。
2025年4月の改正で様式が変更されています。古い様式は受理されないため、申請のたびに最新版を公式サイトで確認してください。
提出タイミング
- 在留資格認定証明書交付申請時(海外から呼び寄せる場合)
- 在留資格変更許可申請時(国内で在留資格を変更する場合)
- 支援計画を変更した場合(随時届出として提出)
- 更新申請時(支援計画に変更がある場合)
支援計画書の基本構成
支援計画書は大きく以下の構成になっています。
①基本情報の記載
- 受入れ企業(特定技能所属機関)の情報:名称・所在地・代表者氏名
- 外国人本人の情報:氏名・国籍・生年月日・性別・在留資格・在留カード番号・従事する業務内容
- 支援責任者・支援担当者の情報:氏名・役職・連絡先
②10項目の義務的支援の記載 各項目について「誰が・いつ・どのように」実施するかを具体的に記載します。
③地域の共生施策に関する記載(2025年4月新設) 事業所の所在地における共生施策の確認日・確認方法を記載します。
④署名欄 作成責任者の署名と、特定技能外国人本人の署名(直筆)が必要です。
10項目の義務的支援の記載ポイント
各支援項目について「誰が・いつ・どのように」を具体的に記載することが重要です。
①事前ガイダンス 入国・在留資格変更前に実施する説明です。
記載すべき内容:
- 実施時期(入国前○日以内、ビザ取得後など)
- 実施方法(対面・ビデオ通話・電話など)
- 担当者(氏名または役職)
- 使用言語(母国語・英語など)
- 説明内容(業務内容・報酬・住居・支援内容・相談窓口など)
②出入国時の送迎 入国時・帰国時の空港または港から住居・事業所への送迎です。
記載すべき内容:
- 担当者(誰が送迎するか)
- 送迎方法(自社車両・公共交通機関・タクシーなど)
- 対応できない場合の対応方法(移動方法を説明・案内するなど)
③住居確保・生活関連手続きの支援 住居の確保や、銀行口座開設・スマートフォン契約などの生活関連手続きの支援です。
記載すべき内容:
- 住居確保の支援方法(社宅提供・不動産契約への同行など)
- 生活関連手続きへの同行または情報提供の方法
- 担当者・実施時期
④生活オリエンテーション 日本のルール・マナー・公共機関の利用方法・災害時の対応などを説明します。
記載すべき内容:
- 実施時期(入国後○日以内など)
- 実施時間(○時間程度)
- 使用言語
- 主な説明内容(日本のルール・マナー・交通・医療・ゴミ出しルールなど)
- 生活オリエンテーション確認書(参考様式第5-8号)の取得
⑤公的手続き等への同行 住民登録・社会保険・税金などの行政手続きへの同行または案内です。
記載すべき内容:
- 同行する主な手続きの種類(住民登録・マイナンバー取得など)
- 同行できない場合の対応(情報提供・書類作成補助など)
⑥日本語学習機会の提供 日本語教室の案内・教材の提供・学習機会の確保などです。
記載すべき内容:
- 提供する日本語学習の機会(日本語教室の案内・教材配布など)
- 費用負担の有無
- 学習環境の確保方法
⑦相談・苦情への対応 外国人から相談・苦情があった際の対応体制です。
記載すべき内容:
- 相談窓口の担当者(氏名または役職)・連絡先
- 対応時間・方法(電話・メール・面談など)
- 使用言語(母国語での対応が原則)
- 対応できない事項は関係機関(ハローワーク・労働基準監督署など)へ案内する旨
⑧日本人との交流促進 地域社会・職場での日本人との交流を促進する支援です。
記載すべき内容: - 交流促進のための具体的な取り組み(社内行事への参加促進・地域イベントの案内など)
⑨転職支援(非自発的離職時) 企業都合で離職する場合の転職支援です。
記載すべき内容:
- 転職先あっせんの方法(ハローワーク案内・求人情報提供など)
- 推薦状の提供
- 在留資格に関する情報提供
⑩定期面談・行政機関への通報 3か月に1回以上の定期面談と、問題発見時の関係機関への通報です。
記載すべき内容:
- 面談の頻度(3か月に1回以上)
- 面談担当者(支援担当者の氏名または役職)
- 面談方法(対面・オンラインなど)
- 使用言語
- 問題発見時の対応(関係機関への通報・連携)
2025年4月新設:地域の共生施策への対応
2025年4月の改正で、支援計画書に「地域の共生施策の確認」に関する記載が追加されました。
協力確認書の提出 特定技能外国人の活動する事業所の所在地(および居住地が異なる場合はその地方公共団体)から共生施策への協力要請があった場合に対応する旨を示す「協力確認書」を市区町村に提出し、支援計画書に確認日・確認方法を記載します。
記載事項
- 事業所の所在地
- 地方公共団体において実施する共生施策の確認日
- 確認方法(市区町村への問い合わせ・ウェブサイト確認など)
居住地が事業所の所在地と異なる場合は、双方の地方公共団体の共生施策を確認することが必要です。
※共生施策の内容・確認方法は市区町村によって異なります。最新情報は各市区町村または入管の公式情報でご確認ください。
記載上のよくある不備
抽象的な記載 最も多い不備が「実施する」「対応する」「案内する」などの抽象的な記載です。「○○部の△△が、入国後2週間以内に、ベトナム語で対面にて実施する」のように、誰が・いつ・どのように・何語でを具体的に記載してください。
古い様式の使用 2025年4月の改正で様式が変更されています。古い様式を使用すると受理されません。申請のたびに公式サイトから最新版をダウンロードしてください。
多言語対応の欠如 日本語のみで作成した場合、外国人本人が内容を理解できないとして問題になります。入管の公式サイトには多言語版(ベトナム語・インドネシア語・フィリピン語など)の参考様式があります。
外国人本人の署名の未取得 支援計画書には外国人本人の直筆署名が必要です。記入例を確認し、署名を必ず取得してください。
計画内容と実態の乖離 計画書に記載した内容を実際に実施していない場合、更新申請時に問題となります。実施できない内容は計画書に盛り込まないことが重要です。
任意支援を記載したが実施しなかった 任意的支援(JLPT受験支援・交流イベント参加への有給取得など)も一度計画書に記載した場合は実施義務が生じます。実施できる内容のみを記載してください。
支援計画書の変更が必要な場面
以下の変更が生じた場合は、支援計画変更に係る届出(変更日から14日以内)が必要です。
- 支援責任者・支援担当者の変更
- 登録支援機関から自社支援への切り替え(またはその逆)
- 支援内容の変更(実施方法・担当者・実施時期の大幅な変更)
- 外国人の住居地・事業所の変更(共生施策の確認先が変わる場合)
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、支援計画書の作成に関して以下のサポートを提供しています。
- 支援計画書の作成・確認:最新様式(2025年4月改正対応)に基づいた支援計画書の作成・内容確認をサポートします。
- 多言語対応の確認:外国人本人が理解できる言語での記載・翻訳の確認もサポートします。
- 記載内容の具体化サポート:抽象的になりがちな記載を具体的な内容に仕上げるアドバイスをします。
- 登録支援機関としての受託:支援計画の作成だけでなく、実施まで受託することも可能です。
- 変更届出のサポート:支援計画の変更が生じた際の届出書類の作成をサポートします。
「支援計画書の内容が適切かどうか確認してほしい」という段階からのご相談も歓迎しています。
FAQ
Q1. 支援計画書は各外国人ごとに作成しますか? はい、外国人1人ごとに作成する必要があります。同じ企業で同じ体制であれば内容は共通する部分が多いですが、外国人本人の情報(氏名・国籍・在留カード番号など)はそれぞれ個別に記載します。
Q2. 支援計画書は自社で作成しなければなりませんか? 書類の作成自体は行政書士に依頼できます。2026年1月の行政書士法改正により、申請書類の作成を報酬を得て行えるのは行政書士・弁護士に限られます。内容の確認・実施は自社で行う必要があります。
Q3. 更新申請でも支援計画書を提出しますか? 更新申請時に支援計画の変更がある場合は新しい支援計画書の提出が必要です。変更がない場合でも最新様式への対応が必要なことがあります。更新のたびに様式・内容を確認することをおすすめします。
Q4. 支援計画書の「任意的支援」とは何ですか? 義務的支援10項目に加えて、受入れ企業が任意で実施できる支援です(JLPT受験支援・日本語教室費用補助・資格取得者への優遇など)。任意的支援も一度計画書に記載した場合は実施義務が生じるため、実施できる内容のみを記載してください。
Q5. 生活オリエンテーションの記録はどのように残しますか? 「生活オリエンテーション確認書(参考様式第5-8号)」に記録します。実施日・実施者・参加者・確認内容・使用言語などを記載し、外国人本人の署名を取得します。この記録は1年以上保管してください。
Q6. 事業所と外国人の居住地が異なる場合、共生施策の確認はどうすればよいですか? 事業所の所在地と居住地それぞれの市区町村の共生施策を確認し、支援計画書に双方の確認日・確認方法を記載します。
Q7. 複数名の特定技能外国人を受け入れている場合、支援計画書は一つにまとめられますか? いいえ。原則として外国人1人ごとに別々の支援計画書を作成する必要があります。ただし同一の支援体制・担当者・実施方法であれば、内容を共通させることは可能です。
Q8. 支援計画書の写しは外国人本人に渡す必要がありますか? はい。外国人本人が内容を理解・確認できるよう、母国語版の支援計画書の写しを渡すことが求められています。本人の署名を取得していることが「理解した証拠」として重要です。
まとめ
1号特定技能外国人支援計画書は、特定技能1号の受入れに必須の書類です。10項目の義務的支援それぞれについて「誰が・いつ・どのように」を具体的に記載し、外国人が理解できる言語で作成・提供することが基本です。
2025年4月の改正で地域の共生施策に関する記載が新設され、様式も変更されました。古い様式は受理されないため、申請のたびに最新版を確認することが不可欠です。
企業が次に確認すべきこと
- 入管の公式サイトから2025年4月以降の最新様式(参考様式第1-17号)をダウンロードする
- 各支援項目の記載が「誰が・いつ・どのように・何語で」を具体的に示しているか確認する
- 外国人本人が理解できる言語版の支援計画書を準備する
- 地域の共生施策の確認(市区町村への確認・協力確認書の取得)を行う
支援計画書の作成・内容確認・変更届出についてご不明な点がある企業様は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。
AUTHOR REVIEW
この記事の監修者
行政書士アーチ事務所
行政書士・申請取次行政書士
大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続き、特定技能、自社支援切り替え、外国人雇用を全国対応でサポート。
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受入れ分野、雇用条件、協議会、支援体制、届出、記録管理など、企業側で確認すべき点は案件ごとに変わります。申請前や運用変更前に、必要な手続きとリスクを整理します。
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ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。
01
登録支援機関でもある行政書士事務所
特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。
02
有料職業紹介許可を保有
外国人採用の入口から在留資格、雇用後の手続きまで、採用実務を踏まえて整理します。
03
大阪市拠点・全国オンライン対応
大阪府内はもちろん、遠方の個人・企業からの相談にもLINE、WeChat、電話、フォームで対応します。
04
英語・中国語の相談にも対応
外国人本人、配偶者、企業担当者とのやり取りを、状況に応じて多言語で進められます。
05
個人向けと企業向けの両方に対応
家族滞在、永住、日本人配偶者ビザから、特定技能、技人国、外国人雇用まで横断的に確認します。
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