自社支援で必要な定期面談と記録の残し方【特定技能・2026年最新版】
特定技能の自社支援で義務付けられる定期面談の実施方法・確認内容・記録の作成・保管方法を解説。2025年4月のオンライン面談解禁など最新ルールも行政書士がわかりやすく説明します。
導入
「定期面談はどのくらいの頻度で行えばよいか」「面談記録は何をどう残せばよいか」「オンライン面談はいつでもよいのか」——自社支援を行う企業の担当者から、こうした質問をよくいただきます。
特定技能1号の自社支援において、定期面談は10項目の義務的支援の一つです。面談を実施するだけでなく、記録を適切に作成・保管しなければ、更新申請時や定期届出時に問題となります。また2025年4月の改正でオンライン面談のルールが整備されました。
この記事では、以下の3点を中心に解説します。
- 定期面談の実施要件(頻度・対象者・方法)
- 面談で確認すべき内容
- 面談記録の作成方法と保管ルール
結論を先にお伝えすると、定期面談は3か月に1回以上・外国人本人と監督者の双方に対して実施し、面談報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)に記録を残すことが必要です。初回は対面で実施し、2回目以降は要件を満たせばオンラインでの実施も認められます。
このページの要点
Q1. 定期面談はどのくらいの頻度で行いますか? 3か月(四半期)に1回以上の実施が必要です。定期届出が2025年4月改正で年1回になりましたが、定期面談の頻度は変わりません。引き続き3か月に1回以上の実施が義務付けられています。
Q2. 定期面談は誰と誰に対して行いますか? 外国人本人と、その監督者(直属の上司や雇用先の代表者など)の双方に対して行います。それぞれ別々に面談を実施し、記録を作成します。
Q3. 面談はオンラインでも実施できますか? はい。2025年4月の改正でオンライン面談のルールが整備されました。初回は対面での実施が望ましいとされていますが、2回目以降は外国人本人の同意があればオンライン(ビデオ通話)での実施が認められます。録画を一定期間保管するなどの要件があります。
Q4. 面談記録はいつまで保管しますか? 雇用契約終了後1年以上の保管が義務付けられています(一部の情報では5年との記載もあります)。入管から提出を求められた場合に備え、適切に保管してください。
Q5. 面談で問題が発覚した場合はどうすればよいですか? 労働条件・生活環境に問題がある場合は改善策を検討して対応します。法令違反が疑われる場合は労働基準監督署・ハローワークなど関係機関への通報・連携も義務として課されています。
本文
定期面談とは
定期面談は、特定技能1号の外国人が適切な労働条件・生活環境のもとで就労しているかを確認し、問題があれば早期に対応するために実施する面談です。10項目の義務的支援の一つとして、支援責任者または支援担当者が実施します。
面談の目的は以下のとおりです。
- 外国人の就労状況・労働条件が雇用契約どおりか確認する
- 外国人の生活状況・健康状態・精神的な問題がないか確認する
- ハラスメントや不当な扱いを受けていないか確認する
- 支援計画の実施状況を確認する
- 相談・苦情があれば対応につなげる
面談の実施要件
頻度:3か月に1回以上 定期面談は3か月(四半期)に1回以上の実施が必要です。2025年4月に定期届出が年1回に変更されましたが、面談の頻度は変わりません。届出が年1回になったからといって面談も年1回でよいということはありません。
対象者:外国人本人と監督者の双方 面談は外国人本人と、その監督者(直属の上司や雇用先の代表者など)の双方に対して実施します。両方の視点から状況を把握することが目的です。
| 面談対象 | 参考様式 |
|---|---|
| 外国人本人 | 定期面談報告書(参考様式第5-5号) |
| 監督者 | 定期面談報告書(参考様式第5-6号) |
実施者:支援責任者または支援担当者 面談は支援責任者または支援担当者が実施します。外国人の直属の上司が実施することは中立性の観点から問題があります。支援担当者が実施することが基本です。
対面とオンライン面談のルール
初回面談:対面が望ましい 初回の面談は対面での実施が望ましいとされています。担当者が交代した場合の最初の面談も同様です。初対面での信頼関係の構築という観点から、対面での実施が推奨されています。
オンライン面談のルール(2025年4月改正・入管運用要領より) 2025年4月の改正で、オンライン面談が条件付きで認められました。入管の運用要領に定められたルールは以下のとおりです。
【義務・必須事項】
- 面談対象者(外国人本人・監督者)の同意があること
- 同意がない場合や、過去に同意していても対面を希望した場合は対面で実施すること
- オンライン面談の様子を録画し、特定技能雇用契約の終了日から1年以上保管すること(入管から閲覧を求められた場合は応じる必要あり)
- 業務・待遇・保護に問題が疑われる場合や第三者の介入が疑われる場合は対面で再実施すること
【推奨事項(「望まれます」)】
- 受入れ後初めての面談・担当者変更後の初めての面談は対面での実施が望まれます
- オンライン面談を活用する場合でも、1年に1回以上は対面での面談が望まれます
【留意事項(面談環境の確認)】
- 開始前に部屋全体を映してもらい、周囲に人がいないことを確認する
- イヤホン等の装着・別モニターやマイクがないことを確認する
- 面談対象者には正面(カメラ)を向いて話すよう依頼する
言語:外国人が理解できる言語で実施 面談は外国人本人が理解できる言語(母国語または英語など)で実施することが必要です。2025年の改正で支援担当者は外国人と同一言語での対応体制が求められています。担当者が外国語を話せない場合は通訳(電話・ビデオ通話での遠隔参加も可)を活用します。
面談で確認すべき内容
面談では以下の項目を体系的に確認することが重要です。事前にチェックリストを用意しておくと漏れが防げます。
労働条件・就労状況の確認
- 雇用契約書どおりの業務内容・労働時間・休日で就労しているか
- 賃金が適切に支払われているか(支払額・支払日・控除内容)
- 残業・休日出勤の状況は適切か
- ハラスメント(パワハラ・セクハラ・差別的扱いなど)を受けていないか
生活状況の確認
- 住居の状況(住居が確保されているか・生活環境に問題がないか)
- 健康状態・精神的な問題がないか
- 地域社会での生活(ゴミ出し・近隣との関係など)に困っていないか
- 医療機関の利用方法を理解しているか
支援計画の実施状況の確認
- 日本語学習の機会を活用しているか
- 相談窓口を理解・活用しているか
- 行政手続き(住民登録・社会保険など)に問題がないか
相談・苦情の確認
- 職場・生活で困っていることはないか
- 日本の制度・ルールについて不明な点はないか
- 帰国の希望(一時帰国の予定など)はあるか
監督者への確認(監督者面談)
- 外国人の業務遂行状況・勤務態度
- 外国人との意思疎通に問題はないか
- 職場内の人間関係に問題はないか
面談記録の作成方法
面談後は速やかに記録を作成します。
使用する様式
- 外国人本人との面談:定期面談報告書(参考様式第5-5号)
- 監督者との面談:定期面談報告書(参考様式第5-6号)
入管の公式サイトからダウンロードできます。自由様式での作成も可能ですが、参考様式を使用することで記載漏れを防ぎやすくなります。
記載すべき主な内容
- 面談実施日・実施時間
- 面談実施者(支援責任者または支援担当者の氏名・役職)
- 面談対象者(外国人本人または監督者の氏名・役職)
- 面談方法(対面・オンラインなど)
- 使用言語
- 確認した主な事項と回答内容
- 問題・相談事項の有無(ある場合はその内容と対応状況)
- 関係機関への通報・相談の有無
記録の精度について 「問題なし」「特になし」のみの記載では不十分です。実際に確認した内容・外国人の回答を具体的に記載することが重要です。特に問題が発覚した場合は、対応内容・対応状況まで詳細に記録してください。
相談記録書の作成
外国人本人から相談・苦情があった場合(定期面談以外の場合も含む)は、都度「相談記録書」を作成します。
記録すべき内容は以下のとおりです。
- 相談日・相談者の氏名
- 相談内容
- 相談への対応内容
- 関係機関(ハローワーク・労働基準監督署など)への通報・相談の有無
定期面談時に相談・苦情がない場合は提出不要ですが、記録として残しておくことが望ましいです。
記録の保管方法
保管期間 支援実施記録(面談記録・相談記録含む)は、雇用契約終了後1年以上の保管が義務付けられています。
保管方法 電子データ(PDF・Excel)または紙での保管のどちらでも可能です。入管から提出を求められた場合に速やかに提出できる状態で管理することが重要です。
管理のポイント
- 外国人ごとにフォルダや台帳を作成して管理する
- 面談実施日・記録作成日を明記して時系列で管理する
- 担当者が変わっても引き継げるよう整理する
面談記録と定期届出の関係
定期届出(年1回・2026年4月〜5月が初回)では、支援実施状況(面談の実施回数・内容など)を報告します。面談記録が適切に作成・保管されていないと、定期届出の記載内容に根拠がなくなり、問題となります。
定期届出の審査・更新申請時に面談記録の確認が行われる場合があるため、日頃から丁寧に記録を残す習慣が重要です。
よくある問題と対策
面談を実施したが記録を残していない 「実施した」だけでは証明になりません。必ず面談後に記録を作成してください。記録がなければ実施していないとみなされるリスクがあります。
3か月の期間を過ぎてしまう 業務多忙で面談が漏れるケースがあります。社内カレンダーに面談予定を登録し、前月末にリマインダーを設定するなど、仕組みとして管理することをおすすめします。
外国人本人との言語コミュニケーションが不十分 通訳なしで形式的に面談を済ませることは問題です。外国人が理解できる言語で実施できる体制を整えてください。
監督者面談を省略する 外国人本人との面談だけでなく、監督者との面談も必須です。両方実施して記録を作成してください。
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、定期面談・記録管理に関して以下のサポートを提供しています。
- 登録支援機関としての面談実施:当事務所が登録支援機関として定期面談を実施します。面談記録の作成・保管も対応します。
- 自社支援の体制整備アドバイス:面談の進め方・記録の残し方・管理方法についてアドバイスします。
- 定期届出の書類作成サポート:面談記録をもとにした定期届出書類の作成をサポートします。
- 自社支援切り替えの伴走サポート:自社支援開始後の面談・記録管理の定着まで継続してサポートします。
「面談記録の残し方に自信がない」「定期面談を自社で実施できるか不安」という段階からのご相談も歓迎しています。
FAQ
Q1. 面談は何時間行う必要がありますか? 法令上の時間の定めはありません。ただし、確認すべき内容を網羅できる十分な時間を確保することが重要です。実務上は30分〜1時間程度が一般的です。
Q2. 外国人本人と監督者の面談は同時に行ってよいですか? 原則として別々に実施することが望ましいです。同席していると、外国人が監督者に遠慮して正直に話せない場合があります。それぞれの立場から率直に状況を聞くために別々に実施してください。
Q3. 面談でハラスメントが発覚した場合はどうすればよいですか? 事実関係を確認した上で、ハラスメントの内容に応じて適切な対応を取ることが必要です。重大な問題がある場合は労働基準監督署や都道府県労働局への相談・通報も検討してください。面談記録にも対応状況を記録します。
Q4. 面談記録は外国人本人に渡す必要がありますか? 法令上の要件はありませんが、本人が内容を確認し署名するケースもあります。少なくとも面談の内容・対応状況について本人が理解できる言語で説明することが重要です。
Q5. 面談の日程を外国人本人が拒否した場合はどうすればよいですか? 面談は義務的支援であり、企業として実施する義務があります。拒否の理由を確認し、日時・方法を柔軟に調整して実施できるよう働きかけてください。
Q6. オンライン面談の録画保管期間はどのくらいですか? 入管の運用要領で「特定技能雇用契約の終了日から1年以上」と定められています。入管から録画記録の閲覧を求められた場合は応じる義務があります。同意書面も同様に保管が必要です。
Q7. 定期面談と別に相談が来た場合、記録はどうすればよいですか? 定期面談以外の相談・苦情は都度「相談記録書」を作成します。相談日・内容・対応状況を記録し、支援実施記録と合わせて保管してください。
Q8. 面談記録が不十分だと更新申請に影響しますか? はい。更新申請時に支援の実施状況が審査されます。面談記録が不十分または存在しない場合は、支援計画どおりに支援が実施されていないとみなされ、更新不許可のリスクがあります。
まとめ
定期面談は3か月に1回以上・外国人本人と監督者の双方に対して実施し、参考様式第5-5号・第5-6号に記録を残すことが基本です。2025年4月の改正でオンライン面談が整備され、要件を満たせば2回目以降はオンラインでの実施も可能になりました。
面談記録は更新申請・定期届出時の根拠書類となります。形式的な実施ではなく、外国人が理解できる言語で実施し、具体的な内容を記録することが重要です。
企業が次に確認すべきこと
- 3か月ごとの面談スケジュールを社内カレンダーに登録する
- 面談対象(外国人本人・監督者の両方)と担当者を確認する
- 外国人が理解できる言語での実施体制(通訳の確保など)を整える
- 参考様式第5-5号・第5-6号を準備し、面談後に速やかに記録を作成する
定期面談の実施・記録管理についてご不明な点がある企業様は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。登録支援機関として面談の実施から記録管理まで一括して受託します。
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