特定技能

特定技能の定期面談で確認すべき項目【チェックリスト付き・2026年最新版】

特定技能の定期面談で確認すべき項目をチェックリスト形式で解説。外国人本人・監督者それぞれへの確認内容・問題発見時の対応・記録の残し方まで行政書士が説明します。

導入

「定期面談で何を聞けばよいか毎回迷う」「形式的な面談になってしまっている気がする」「外国人が『問題ない』と言うが本当に大丈夫か不安」——定期面談を担当する支援担当者から、こうした声をよく聞きます。

特定技能の定期面談は3か月に1回以上の実施が義務付けられていますが、「何を確認するか」が明確でないと、形式的な面談になりやすく、外国人の問題を見落とすリスクがあります。

この記事では、定期面談で確認すべき項目をチェックリスト形式で整理し、外国人本人・監督者それぞれへの確認内容・問題発見時の対応まで解説します。

結論を先にお伝えすると、定期面談の目的は「問題の早期発見と対応」です。確認項目を体系的に整理し、外国人が安心して本音を話せる環境を作ることが、面談の質を高める最大のポイントです。

このページの要点

Q1. 定期面談では何を確認しなければなりませんか? 法令上の確認項目として、①特定技能雇用契約の履行状況(労働条件・報酬の支払い状況など)、②支援計画の実施状況、③外国人の生活状況・相談事項などが挙げられます。これらを外国人本人と監督者の双方に確認します。

Q2. 面談で外国人が「問題ない」と言い続ける場合はどうすればよいですか? 「問題ない」という回答を鵜呑みにするのは危険です。具体的な質問(「残業は月何時間くらいですか」「給与の手取りはいくらでしたか」など)で実態を確認することが重要です。信頼関係が構築されると本音を話しやすくなります。

Q3. 外国人本人と監督者の面談は必ず別々に実施しますか? はい、別々に実施することが原則です。同席すると外国人が監督者に遠慮して正直に話せない場合があります。外国人本人の面談を先に行い、その後監督者と面談するのが一般的です。

Q4. 面談で深刻な問題が発覚した場合はどうすればよいですか? 事実関係を確認した上で、問題の内容に応じた対応を取ります。労働条件違反・ハラスメントなどの場合は労働基準監督署や都道府県労働局への通報・相談が必要になる場合があります。

Q5. 面談の質問は毎回同じでよいですか? 基本的な確認項目は毎回確認しますが、前回の面談で発覚した問題のフォローアップや、季節・状況に応じた質問を加えることで、より実態に即した面談になります。

本文

定期面談の目的を再確認する

定期面談の目的は以下のとおりです。

  • 特定技能雇用契約が適切に履行されているか確認する
  • 外国人の生活・健康・精神状態に問題がないか確認する
  • 支援計画が適切に実施されているか確認する
  • 問題があれば早期に発見・対応する

「問題がないことを確認する」だけでなく、「問題を発見して対応する」ことが面談の本質です。この意識を持って面談に臨むことが重要です。

外国人本人への確認項目

#### ①労働条件・就労状況

雇用契約の履行確認

  • 担当している業務内容は雇用契約書どおりですか
  • 労働時間(始業・終業・休憩時間)は契約どおりですか
  • 休日は取れていますか(週休は確保されていますか)
  • 時間外労働(残業)はどのくらいありますか
  • 有給休暇を取りたい場合に取得できる環境ですか

報酬の確認

  • 毎月の給与は予定どおり支払われていますか
  • 給与明細は受け取っていますか
  • 控除の内容(社会保険料・税金・住居費など)は理解できていますか
  • 残業代は適切に支払われていますか
  • 給与に関して疑問や不満はありますか

職場環境の確認

  • 職場の上司・同僚との関係は良好ですか
  • 嫌がらせや差別的な扱いを受けたことはありますか
  • 業務上の指示が理解できていますか(言語の問題はありますか)
  • 安全に関して不安な点はありますか

#### ②生活状況

住居・日常生活

  • 住居の状況に問題はありますか(設備・環境など)
  • 近隣住民との関係に問題はありますか
  • 買い物・外食などの日常生活に困っていることはありますか
  • 交通・通勤に問題はありますか

健康・精神状態

  • 体調はよいですか
  • 睡眠は取れていますか
  • 精神的に疲れていると感じることはありますか
  • 医療機関を受診する必要がある場合に対応できていますか

行政手続き・社会生活

  • 住民登録・社会保険などの手続きに問題はありましたか
  • 銀行・郵便局の利用に問題はありますか
  • 税金(住民税・所得税)の手続きについて不明な点はありますか
  • マイナンバーカードは取得しましたか

#### ③支援の実施状況

  • 日本語学習の機会を活用できていますか
  • 相談したいことがある場合に連絡先がわかりますか
  • 困ったことがあれば相談できる環境だと感じていますか
  • 一時帰国の予定(希望)はありますか

#### ④相談・苦情・意見

  • 職場・生活で困っていることや不満はありますか
  • 改善してほしいことはありますか
  • 今後のキャリア・在留について考えていることはありますか
  • 日本での生活を続けることへの意欲はありますか

外国人本人への確認チェックリスト

面談前に以下のチェックリストを準備しておくと漏れを防げます。

【労働条件】

  • ☐ 業務内容が雇用契約どおりか
  • ☐ 労働時間・休日が契約どおりか
  • ☐ 給与が適切に支払われているか
  • ☐ 給与明細・控除内容を理解しているか
  • ☐ 残業代が適切に支払われているか
  • ☐ 有給休暇を取得できる環境か

【職場環境】

  • ☐ 上司・同僚との関係に問題がないか
  • ☐ ハラスメント・差別的扱いがないか
  • ☐ 業務指示が理解できているか
  • ☐ 安全上の不安がないか

【生活状況】

  • ☐ 住居の状況に問題がないか
  • ☐ 健康状態・精神状態に問題がないか
  • ☐ 日常生活(買い物・通勤など)に困りごとがないか
  • ☐ 行政手続きに問題がないか

【支援・相談】

  • ☐ 日本語学習の機会を活用できているか
  • ☐ 相談窓口・連絡先を把握しているか
  • ☐ 困ったときに相談できると感じているか

監督者への確認項目

監督者への面談は、外国人本人からは把握しにくい職場側の状況を確認するために実施します。

#### ①外国人の就労状況

  • 担当業務をこなせていますか(スキル・理解力など)
  • 出勤状況に問題はありますか(遅刻・早退・欠勤など)
  • 業務上の指示は伝わっていますか(言語面での課題はありますか)
  • 安全面で問題がありますか

#### ②職場環境・人間関係

  • 外国人と日本人スタッフの関係は良好ですか
  • 外国人に対して不適切な言動をとっている社員はいますか
  • 外国人が孤立していると感じることはありますか

#### ③労働条件の遵守状況

  • 労働時間・残業時間は適切に管理されていますか
  • 給与・残業代は適切に支払われていますか
  • 有給休暇を取得しやすい環境になっていますか

#### ④改善点・要望

  • 外国人の受入れで困っていることはありますか
  • 支援面で会社(または登録支援機関)に対して要望はありますか

監督者への確認チェックリスト

【就労状況】

  • ☐ 業務遂行状況に問題がないか
  • ☐ 出勤状況に問題がないか
  • ☐ 言語面での業務上の課題がないか

【職場環境】

  • ☐ 日本人スタッフとの関係に問題がないか
  • ☐ 不適切な言動をとっている社員がいないか
  • ☐ 外国人が孤立していないか

【労働条件の遵守】

  • ☐ 労働時間・残業が適切に管理されているか
  • ☐ 給与・残業代が適切に支払われているか

面談で問題が発覚した場合の対応

面談で問題が発覚した場合の対応フローは以下のとおりです。

問題の種類対応
残業代未払い・賃金不払い使用者に是正を求める・改善がない場合は労働基準監督署へ相談
ハラスメント(パワハラ・セクハラ)事実確認・加害者への指導・再発防止策の策定・都道府県労働局への相談
長時間労働・休日未取得労働時間管理の改善・是正措置
住居の問題住居の改善・転居支援
健康問題医療機関受診のサポート・労災の場合は労災申請
在留資格の問題行政書士への相談

深刻な問題を把握しながら対応しないことは、支援義務の重大な不履行となります。 問題が発覚した場合は速やかに対応し、経過を記録に残してください。

面談記録への記載

面談後は以下の内容を面談報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)に記載します。

  • 面談日時・場所・方法(対面・オンラインなど)
  • 面談実施者・面談対象者
  • 確認した主な項目と回答内容(具体的に記載する)
  • 問題・相談事項の有無と内容
  • 対応内容・対応予定
  • 関係機関への通報・相談の有無
  • 次回面談の予定

「問題なし」「特になし」のみの記載は不十分です。実際に確認した内容と回答を具体的に記載することが重要です。

当事務所に相談できること

行政書士アーチ事務所では、定期面談に関して以下のサポートを提供しています。

  • 登録支援機関としての面談実施:外国人が理解できる言語での面談実施・記録作成・保管まで対応します。
  • 面談チェックリストの提供:自社での面談に活用できるチェックリストを提供します。
  • 問題発覚時の対応アドバイス:面談で深刻な問題が発覚した場合の対応をアドバイスします。
  • 面談記録の内容確認:作成済みの面談記録の内容が適切かどうか確認します。

「面談の質を高めたい」「問題が発覚したときの対応を相談したい」という段階からのご相談も歓迎しています。

FAQ

Q1. 面談は何分くらい行えばよいですか? 法令上の時間規定はありませんが、確認項目を網羅するには外国人本人との面談で30〜60分程度、監督者との面談で15〜30分程度が目安です。

Q2. 面談で使う質問を事前に外国人に伝えてよいですか? 基本的な確認項目を事前に伝えることは問題ありません。ただし「問題ない」という回答を用意させることにならないよう、率直な対話を促す雰囲気作りが重要です。

Q3. 外国人が「問題ない」と言っているのに深掘りするのは失礼ではありませんか? 外国人の保護という観点から、具体的な状況を確認することは義務の範囲内です。「より良い環境を作るために確認しています」という姿勢で臨むことが重要です。

Q4. 面談中に通訳が必要な場合、通訳者が同席してもよいですか? はい、通訳者の同席は可能です。ただし通訳者が外国人の直属の上司に近い立場にある場合は、中立性の観点から別の通訳者を手配することが望ましいです。

Q5. 前回発覚した問題が改善されていない場合はどうすればよいですか? 改善が進んでいない理由を確認し、追加の対応策を検討します。改善が見られない場合は関係機関(ハローワーク・労働基準監督署など)への相談・通報を検討することが必要です。

まとめ

特定技能の定期面談で確認すべき項目は、外国人本人への確認(労働条件・報酬・職場環境・生活状況・支援の実施状況)と監督者への確認(就労状況・職場環境・労働条件の遵守)に大別されます。

面談の目的は「問題の早期発見と対応」であり、「問題なし」を確認するだけでは不十分です。具体的な質問で実態を把握し、問題が発覚した場合は速やかに対応することが重要です。

企業が次に確認すべきこと

  1. 本記事のチェックリストを印刷・保存し、次回の面談から活用する
  2. 面談は外国人本人と監督者を必ず別々に実施する体制を確認する
  3. 外国人が理解できる言語での面談体制(通訳の確保など)を整える
  4. 面談記録(参考様式第5-5号・第5-6号)に具体的な内容を記載する習慣を整える

定期面談の実施・記録管理・問題発覚時の対応についてご不明な点がある企業様は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。

AUTHOR REVIEW

この記事の監修者

行政書士アーチ事務所

行政書士・申請取次行政書士

大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続き、特定技能、自社支援切り替え、外国人雇用を全国対応でサポート。

ONLINE CONSULTATION

大阪市を拠点に、特定技能の相談をオンラインで全国対応しています

行政書士アーチ事務所は大阪市を拠点に、特定技能の在留資格申請、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関に関するご相談を全国から受け付けています。大阪で特定技能に詳しい行政書士を探している企業の方も、遠方の受入れ機関・登録支援機関の方もご相談いただけます。

受入れ分野、雇用条件、協議会、支援体制、届出、記録管理など、企業側で確認すべき点は案件ごとに変わります。申請前や運用変更前に、必要な手続きとリスクを整理します。

WHY ARCH OFFICE

行政書士アーチ事務所が選ばれる理由

ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。

01

登録支援機関でもある行政書士事務所

特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。

02

有料職業紹介許可を保有

外国人採用の入口から在留資格、雇用後の手続きまで、採用実務を踏まえて整理します。

03

大阪市拠点・全国オンライン対応

大阪府内はもちろん、遠方の個人・企業からの相談にもLINE、WeChat、電話、フォームで対応します。

04

英語・中国語の相談にも対応

外国人本人、配偶者、企業担当者とのやり取りを、状況に応じて多言語で進められます。

05

個人向けと企業向けの両方に対応

家族滞在、永住、日本人配偶者ビザから、特定技能、技人国、外国人雇用まで横断的に確認します。

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