特定技能外国人のハローワーク届出と入管届出【比較・整理・2026年最新版】
特定技能外国人に関するハローワーク届出と入管届出の種類・内容・期限を比較整理。雇用時・退職時それぞれの届出を混同しないためのポイントを行政書士が説明します。
導入
「特定技能外国人を雇用した場合、ハローワークと入管の両方に届出が必要と聞いたが、それぞれ何を出せばよいのか」「期限はいつまでか」「どちらに何を届ければよいか混乱している」——特定技能外国人を受け入れている企業の担当者から、こうした声をよく聞きます。
特定技能外国人の雇用・退職に際しては、入管(出入国在留管理庁)への届出とハローワーク(公共職業安定所)への届出が必要です。両者は異なる目的・内容・期限を持つため、混同しないことが重要です。
この記事では、ハローワーク届出と入管届出の内容・期限・注意点を整理します。
このページの要点
Q1. 特定技能外国人を雇用した際にハローワークへの届出は必要ですか? はい。外国人を雇用した際は「外国人雇用状況の届出(雇入れ)」をハローワークに提出する義務があります(雇用対策法)。雇用保険被保険者となる場合は資格取得届と同時に提出できます。期限は雇い入れた翌月10日まで(雇用保険の被保険者の場合は資格取得届の提出時)です。
Q2. 入管への届出とハローワークへの届出は何が違いますか? 入管への届出は在留資格制度上の義務(特定技能固有)です。ハローワークへの届出は外国人雇用全般に関する義務(雇用対策法)です。目的・届出先・内容・期限がすべて異なります。
Q3. ハローワーク届出を忘れた場合のペナルティは何ですか? 外国人雇用状況の不届・虚偽届出は30万円以下の罰金の対象となります(雇用対策法違反)。
Q4. 退職時にハローワークへの届出は必要ですか? はい。外国人が離職した際は「外国人雇用状況の届出(離職)」が必要です。期限は離職の翌日から10日以内です。
Q5. 入管への随時届出はハローワーク届出とは別に必要ですか? はい。退職・雇用条件変更などが生じた場合は、ハローワークへの届出とは別に入管への随時届出が必要です。どちらか一方だけでは不十分です。
本文
ハローワーク届出と入管届出の全体比較
| 項目 | ハローワーク届出 | 入管届出 |
|---|---|---|
| 根拠法令 | 雇用対策法(外国人雇用状況の届出義務) | 入管法(特定技能所属機関の届出義務) |
| 対象 | 外国人全般(在留資格を問わず) | 特定技能外国人のみ |
| 届出先 | 管轄のハローワーク(公共職業安定所) | 管轄の地方出入国在留管理局 |
| 届出の種類 | 雇入れ・離職の2種類 | 定期届出・随時届出(複数種類) |
| 頻度 | 雇入れ・離職のたびに | 年1回(定期)+事由発生時(随時) |
| 委託の可否 | 社会保険労務士等に委託可 | 随時届出は企業が自ら(委託不可) |
| 罰則 | 30万円以下の罰金 | 30万円以下の罰金 |
ハローワークへの届出
①外国人雇用状況の届出(雇入れ)
外国人を雇用した際に提出が必要な届出です。
- 提出先:事業所を管轄するハローワーク
- 期限:
- - 雇用保険の被保険者となる場合:雇用保険被保険者資格取得届の提出時(雇い入れた翌月10日まで)
- - 雇用保険の被保険者とならない場合:雇い入れた翌月10日まで
- 届出内容:外国人の氏名・在留資格・在留期間・国籍・生年月日・性別・資格外活動許可の有無
届出書の様式は「雇用保険被保険者資格取得届」の裏面(備考欄)に記載する形式です。在留カードの情報をもとに記載します。
②外国人雇用状況の届出(離職)
外国人が離職した際に提出が必要な届出です。
- 提出先:事業所を管轄するハローワーク
- 期限:離職の翌日から10日以内
- - 雇用保険の被保険者の場合:雇用保険被保険者資格喪失届の提出時
- - 雇用保険の被保険者でない場合:別途届出が必要
届出の注意点
- 在留カードに記載されたローマ字氏名を正確に記載する
- 在留期間の終了年月日を正確に記載する
- 在留資格「特定技能1号」または「特定技能2号」と記載する
入管への届出
①定期届出(年1回)
- 提出先:管轄の地方出入国在留管理局
- 提出時期:毎年4月1日〜5月31日
- 内容:特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況の報告
- 様式:受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号)
②随時届出(事由発生から14日以内)
以下の事由が生じた場合に提出が必要です。
| 事由 | 届出書類 |
|---|---|
| 雇用契約の終了(退職・解雇・契約満了) | 特定技能雇用契約の終了に係る届出書(参考様式第3-1-2号) |
| 雇用契約内容の変更(報酬・業務内容) | 同上 |
| 会社都合退職・行方不明 | 受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号) |
| 支援計画の変更 | 支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号) |
| 支援委託契約の終了・締結 | 支援委託契約の終了または締結に係る届出書(参考様式第3-3-2号) |
| 受入れ基準不適合 | 基準不適合に係る届出書(参考様式第3-5号) |
| 支援計画の実施困難 | 支援計画の実施困難に係る届出書(参考様式第3-7号)※自社支援のみ |
重要:入管への随時届出は登録支援機関に委託することはできません。必ず受入れ企業(特定技能所属機関)が自ら提出します。
雇用時・退職時の届出まとめ
【雇用時(入社時)】
| 届出先 | 届出内容 | 期限 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 外国人雇用状況の届出(雇入れ) | 雇い入れた翌月10日まで |
※入社時点では在留資格申請・許可の手続きは完結しています。入管への別途届出は不要です(登録支援機関との支援委託契約を新たに締結した場合は、締結日から14日以内に支援委託契約締結届の提出が必要です)。
【退職時(離職時)】
| 届出先 | 届出内容 | 期限 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 外国人雇用状況の届出(離職) | 離職翌日から10日以内 |
| 入管 | 特定技能雇用契約の終了に係る届出書 | 退職日から14日以内 |
| 入管 | 受入れ困難に係る届出書(会社都合の場合) | 退職日から14日以内 |
よくある混同・間違いのポイント
①「ハローワークに届けたから入管は不要」という誤解 ハローワーク届出と入管届出は別々の義務です。どちらか一方だけでは法令上の義務を果たしていません。両方の届出が必要です。
②入管の随時届出を登録支援機関に任せる誤解 入管への随時届出は受入れ企業が自ら行う義務があります。登録支援機関に委託することはできません。委託先に「届出もお願いします」と伝えても法的には企業が責任を負います。
③期限の混同 ハローワーク届出(翌月10日または翌日から10日以内)と入管届出(退職日から14日以内)は期限が異なります。期限を混同して遅延が生じるケースがあります。
④在留カードの記載情報の転記ミス ハローワーク届出書にはローマ字氏名・在留期間終了年月日などを在留カードから正確に転記する必要があります。転記ミスがあると届出の訂正が必要になります。
ハローワーク届出の確認書類
ハローワーク届出時には外国人の在留カードを確認します。確認すべき主な情報は以下のとおりです。
- 氏名(漢字またはローマ字)
- 生年月日
- 国籍・地域
- 在留資格(特定技能1号または2号)
- 在留期間(有効期限)
- 就労の可否(特定技能の場合は就労可)
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、ハローワーク届出・入管届出に関して以下のサポートを提供しています。
- 入管への随時届出の書類作成:退職・雇用条件変更などの随時届出書類の作成をサポートします。
- 定期届出の書類作成:年1回の定期届出書類の作成をサポートします。
- 届出漏れの確認:現在の届出状況に漏れがないかを確認します。
- 登録支援機関としての支援受託:支援業務全体の管理・届出スケジュールの管理を受託します。
FAQ
Q1. 在留カードの有効期限が切れた状態で雇用してしまった場合はどうすればよいですか? 在留期限切れの外国人を雇用することは不法就労助長罪に該当する可能性があります。発覚した場合は速やかに就労を停止し、入管に相談することをおすすめします。
Q2. ハローワーク届出はオンラインでできますか? 雇用保険の電子申請(e-Gov)を利用することで電子的に届出が可能です。事前にe-Govへの登録が必要です。
Q3. 雇用保険の被保険者とならない短時間労働者の外国人のハローワーク届出は? 週所定労働時間が20時間未満の場合は雇用保険の被保険者になりませんが、外国人雇用状況の届出は別途ハローワークに提出する必要があります。特定技能はフルタイム前提のため通常は対象になりますが、念のため確認してください。
Q4. 複数名を同時に採用した場合、ハローワーク届出は人数分必要ですか? はい。外国人雇用状況の届出は外国人ごとに提出が必要です。ただし複数名分をまとめて一度に提出することは可能です。
Q5. ハローワーク届出の控えは保管が必要ですか? 控えを保管しておくことをおすすめします。更新申請・監査等の際に届出済みであることを確認できる書類として役立ちます。
まとめ
特定技能外国人の雇用・退職に際しては、ハローワーク届出(外国人雇用状況の届出)と入管届出(随時届出)の両方が必要です。両者は目的・届出先・内容・期限がすべて異なり、どちらか一方だけでは法令上の義務を果たしていません。
ハローワーク届出(翌月10日または翌日から10日以内)・入管届出(退職日から14日以内)の期限を混同しないよう注意し、両方を漏れなく期限内に対応することが重要です。
企業が次に確認すべきこと
- 現在受け入れている特定技能外国人のハローワーク届出(雇入れ)が提出済みか確認する
- 退職者がいる場合、ハローワーク届出(離職)と入管届出(随時)の両方が提出済みか確認する
- 入管への随時届出は必ず企業が自ら提出していることを確認する
- ハローワーク届出の控えを適切に保管する
行政書士アーチ事務所では、特定技能の届出管理・書類作成をサポートしています。お気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
行政書士アーチ事務所
行政書士・申請取次行政書士
大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続き、特定技能、自社支援切り替え、外国人雇用を全国対応でサポート。
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受入れ分野、雇用条件、協議会、支援体制、届出、記録管理など、企業側で確認すべき点は案件ごとに変わります。申請前や運用変更前に、必要な手続きとリスクを整理します。
WHY ARCH OFFICE
行政書士アーチ事務所が選ばれる理由
ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。
01
登録支援機関でもある行政書士事務所
特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。
02
有料職業紹介許可を保有
外国人採用の入口から在留資格、雇用後の手続きまで、採用実務を踏まえて整理します。
03
大阪市拠点・全国オンライン対応
大阪府内はもちろん、遠方の個人・企業からの相談にもLINE、WeChat、電話、フォームで対応します。
04
英語・中国語の相談にも対応
外国人本人、配偶者、企業担当者とのやり取りを、状況に応じて多言語で進められます。
05
個人向けと企業向けの両方に対応
家族滞在、永住、日本人配偶者ビザから、特定技能、技人国、外国人雇用まで横断的に確認します。
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