特定技能「建設」の要件・JAC・受入計画の注意点【2026年最新版】
特定技能「建設」の受入れ要件・業務区分・JAC加入・建設特定技能受入計画・CCUS登録など建設分野特有の手続きを解説。受入れ前に押さえるべき注意点を行政書士が説明します。
導入
「建設業で特定技能外国人を受け入れるには何が必要か」「建設特定技能受入計画とは何か」「JACへの加入はどうすればよいか」——建設業の担当者から、こうしたご相談をよくいただきます。
特定技能「建設」は、他の分野と比べて特有の手続きが多く、最も複雑な分野の一つです。在留資格申請の前に「建設特定技能受入計画」の国土交通大臣認定を受けること・JAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入・建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録・月給制の義務・技能習熟に応じた昇給義務など、建設分野特有の要件が多岐にわたります。
この記事では、特定技能「建設」の要件・業務区分・JAC・受入計画・注意点を最新情報に基づいて解説します。
このページの要点
Q1. 建設分野で特定技能外国人を受け入れるために他分野と異なる手続きは何ですか? ①建設特定技能受入計画の国土交通大臣認定(在留資格申請前に必須)、②JAC(建設技能人材機構)への加入、③建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、④月給制の義務、⑤技能習熟に応じた昇給義務の5点が建設分野特有の主な要件です。
Q2. 建設特定技能受入計画とは何ですか? 国土交通省が建設業の適正な外国人受入れを確保するために設けた計画認定制度です。受入れ企業が国土交通省に受入計画を申請し、審査・認定を受けなければ在留資格申請ができません。在留資格申請前に認定を受けることが必須です。
Q3. JACとは何ですか?なぜ加入が必要ですか? 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)は、建設分野における特定技能外国人の適正な受入れを推進するために設立された機関です。受入れ企業はJACへの加入(正会員団体への加入または賛助会員として直接加入)が義務付けられており、在留資格申請前に加入する必要があります。
Q4. 建設分野の特定技能2号はありますか? はい。建設分野は特定技能2号の対象分野です。2号取得には建設現場で複数の作業員を指導しながら工程管理を行う班長としての実務経験と、2号評価試験への合格が必要です。
Q5. 受入れ人数に上限はありますか? はい。建設分野では受入れ人数の上限として、常用労働者の総数を上回らないことが原則とされています。企業規模・体制によって受入れ可能な人数が異なります。
本文
特定技能「建設」の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管省庁 | 国土交通省 |
| 業務区分 | 2区分(土木・建築) |
| 特定技能2号 | あり |
| 雇用形態 | 直接雇用のみ(派遣不可) |
| 報酬 | 月給制が義務(日給・時給不可) |
| 受入れ事業実施法人 | 一般社団法人建設技能人材機構(JAC) |
| 適正就労監理機関 | 一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS) |
業務区分
建設分野の業務区分は「土木」と「建築」の2区分に統合されています(2022年4月から)。
土木区分の主な対象業務
- 型枠施工・左官・コンクリート圧送・トンネル推進工
- 土工・鉄筋施工・土木塗装・吹付ウレタン断熱
- 海洋土木工・橋梁・道路標識・鋼橋塗装 など
建築区分の主な対象業務
- 型枠施工・左官・コンクリート圧送
- 屋根ふき・電気通信・鉄筋施工
- 建築大工・内装仕上げ・表装・とび
- 建築板金・建築塗装・保温保冷・吹付ウレタン断熱 など
関連業務 建設機械・機材の運搬・据付け、資材・廃材の搬出入等の作業もできます。
建設分野特有の5つの要件
①建設特定技能受入計画の国土交通大臣認定(最重要)
在留資格申請の前に、国土交通省から「建設特定技能受入計画」の認定を受けることが必須です。認定なしで在留資格を申請しても許可されません。
受入計画認定申請はオンラインで行います。認定には一定の審査期間がかかるため(通常数週間〜数か月)、在留資格申請の予定日から逆算して早めに申請を行うことが重要です。
認定申請に必要な主な要件(申請者・受入企業)
- 建設業法第3条第1項の建設業許可を受けていること
- JACの正会員である建設業者団体に加入しているか、JACの賛助会員であること
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録があること
- 報酬を月給制で支払うこと(日給・時給は不可)
- 技能習熟に応じた昇給を行うこと
- 同一技能・同一賃金の原則に基づく報酬設定であること
- 受入れ上限(常用労働者数を超えないなど)を遵守すること
②JACへの加入(建設技能人材機構)
受入れ企業はJACへの加入が義務です。加入方法は以下の2通りです。
| 加入方法 | 概要 | 費用 |
|---|---|---|
| 正会員団体経由 | JACに加入している建設業者団体(建設業協会等)に入会 | 団体が定める年会費(相場5〜12万円程度) |
| JACの賛助会員 | JACに直接賛助会員として加入 | 年会費24万円 |
加入方法によってJACへの受入負担金(1人あたり月額等)も異なります。費用の詳細はJAC公式サイト(jac-skill.or.jp)でご確認ください。
受入れ企業がJACに加入することで、JAC(が代表して)建設分野特定技能協議会の構成員となります。受入れ企業が直接協議会に所属する必要はありません。
③建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
特定技能「建設」の外国人本人・受入れ事業所ともに、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必要です。CCUSは建設技能者の技能・就労履歴を業界横断的に管理するシステムで、外国人の技能レベルの把握にも活用されます。
④月給制の義務
建設分野では報酬を月給制で支払うことが義務付けられています。日給・時給での雇用は認められません。月給制で日本人と同等以上の報酬を支払うことが必要です。
⑤技能習熟に応じた昇給
建設分野では、技能習熟に応じた昇給が義務付けられています。昇給の基準・時期を雇用条件書に明記し、確実に実施することが求められます。
外国人本人の要件(試験)
①建設分野特定技能評価試験(技能試験)
- 実施主体:一般社団法人建設技能人材機構(JAC)
- 区分:土木・建築の各業務区分に対応した試験
②日本語試験 JFT-Basic(合格)またはJLPT N4以上への合格が必要です。
技能実習2号修了者の試験免除 建設分野に対応する技能実習2号を良好に修了した場合は技能試験が免除されます(日本語試験は別途必要)。
FITSによる適正就労監理
一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)は、建設分野の特定技能外国人の適正な就労・生活を監理する機関です。FITSは受入れ後に巡回訪問・調査指導を実施します。
- 受入れ後講習(FITS指定の講習)を外国人本人に受講させる義務があります
- FITSの巡回訪問・調査指導に協力することが求められます
FITSの巡回訪問は、外国人の就労環境・生活環境・支援状況を確認するために実施されます。受入れ企業は適切な就労環境を整備しておく必要があります。
建設分野特有の注意点
①受入計画の認定なしに在留資格申請は不可 建設特定技能受入計画の認定は、在留資格申請の前提条件です。認定を受けるまでに時間がかかる(数週間〜数か月)ため、採用が決まった段階から早めに申請を始めることが重要です。
②JAC加入費用が発生する 建設分野の協議会加入は有料です(他の多くの分野が無料なのと異なります)。JACへの賛助会員の場合は年会費24万円のほか、外国人1人あたりの受入負担金も発生します。費用計画を立てた上で受入れを検討することが重要です。
③同一技能同一賃金の原則 建設分野では「同一技能同一賃金」の原則が求められます。同等の技能を持つ日本人と同等の賃金を設定することが必要です。
④現場入場時の届出 1号特定技能外国人が建設現場に入場する際は、元請建設業者に「一号特定技能外国人建設現場入場届出書」を提出することが求められます。
⑤CCUS登録は外国人ごとに必要 CCUSへの登録は外国人本人ごとに行います。登録に時間がかかる場合があるため、受入れ前に準備を進めることが重要です。
⑥日給・時給での雇用は絶対に不可 建設分野では月給制が義務付けられています。日給・時給での雇用契約は認められません。
在留資格申請に必要な主な書類
外国人本人に関する書類
- 在留資格変更・認定申請書(最新様式)
- パスポート・在留カードの写し
- 技能評価試験・日本語試験の合格証明書
- 健康診断個人票
受入れ企業に関する書類
- 特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し(月給制・昇給条件の記載が必要)
- 1号特定技能外国人支援計画書(最新様式)
- 登記事項証明書・納税証明書
- 建設業許可証の写し
- 建設特定技能受入計画認定証の写し(国土交通省から発行)
- JAC加入証明書類
※書類は制度改正により変更になる場合があります。申請前に入管・国土交通省の最新の情報を必ず確認してください。
建設分野での申請の流れ(全体像)
建設分野での受入れは以下の流れで進みます。
- JAC加入(建設業者団体経由または賛助会員として直接加入)
- CCUS登録(受入れ事業所・外国人本人)
- 建設特定技能受入計画の認定申請(国土交通省へオンライン申請)→認定取得
- 在留資格申請(入管へ)→許可
- FITS受入れ後講習の受講(入国後)
- 就労開始
- FITSの巡回訪問への対応
1〜3の手続きが完了してから4の在留資格申請に進むことができます。1〜3の手続きには相当の時間がかかるため、採用が決まった段階から早期に準備を開始することが重要です。
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、特定技能「建設」の受入れに関して以下のサポートを提供しています。
- 建設特定技能受入計画の作成サポート:国土交通省への申請に必要な受入計画書の作成をサポートします。
- JAC加入サポート:加入方法の選択(団体経由か賛助会員か)と加入手続きをサポートします。
- 在留資格申請書類の作成・取次:建設分野特有の書類を含めた申請書類の作成・取次を行います。
- 登録支援機関としての支援受託:入国後の10項目の支援業務を受託します。
FAQ
Q1. 建設業許可がない場合、特定技能「建設」の外国人を受け入れられますか? 原則として建設業法に基づく建設業許可が必要です。許可がない場合は受入れができません。許可取得の手続きを先行して進めることが必要です。
Q2. 建設特定技能受入計画の認定にはどのくらいかかりますか? 審査状況によって異なりますが、申請から認定まで数週間〜数か月かかる場合があります。在留資格申請の予定日から逆算して早めに申請することをおすすめします。
Q3. JACへの加入は正会員団体経由と賛助会員直接加入のどちらがよいですか? 所属している建設業者団体がJAC正会員であれば、その団体経由のほうが費用を抑えられる場合があります。どちらを選ぶかは自社が加入している団体の状況・費用を比較して判断してください。
Q4. 昇給はいつまでに行えばよいですか? 技能習熟に応じた昇給が求められますが、具体的な時期・金額は雇用条件書に記載した内容に従います。受入計画の認定内容とも整合させる必要があります。
Q5. 建設分野で特定技能2号を取得した場合のメリットは何ですか? 在留期間の上限がなくなり、更新を繰り返すことで長期的に就労できます。また家族帯同も可能になります。班長として複数の技能者を指導・管理できる人材として活躍が期待されます。
まとめ
特定技能「建設」は、他分野と比べて特有の手続きが多く、最も準備に時間がかかる分野の一つです。在留資格申請前に、JAC加入・CCUS登録・建設特定技能受入計画の認定取得という3つのステップを完了させることが必要です。
月給制・昇給義務・同一技能同一賃金など、雇用条件面でも建設分野特有の要件があります。採用が決まった段階から早急に準備を開始することが重要です。
制度の詳細・書類については変更になる場合があるため、国土交通省・JAC・FITSの最新の公式情報を確認しながら準備を進めることをおすすめします。行政書士アーチ事務所では、建設分野の特定技能受入れに関する手続きをサポートしています。お気軽にご相談ください。
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ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。
01
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特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。
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