特定技能「飲食料品製造業」の要件・協議会・対象業務【2026年最新版】
特定技能「飲食料品製造業」の受入れ要件・試験・対象業務・協議会加入手続きを解説。スーパーのバックヤードへの解禁・酒類除外・協議会加入に2〜3か月かかる点まで行政書士が説明します。
導入
「食品工場で特定技能外国人を受け入れたい」「スーパーのバックヤードでも受け入れられると聞いたが条件は何か」「協議会加入にはどのくらい時間がかかるか」——食品製造業・スーパーマーケット等の担当者から、こうしたご相談をよくいただきます。
特定技能「飲食料品製造業」は、特定技能の全分野の中で最も受入れ人数が多い分野です。2025年6月末時点で約8.4万人の特定技能外国人が就労しており、全体の約25%を占めています。2024年7月にはスーパーマーケットのバックヤードでの食品製造業務も対象に加わり、受入れ可能な事業所の範囲が拡大しました。
この記事では、特定技能「飲食料品製造業」の要件・試験・対象業務・協議会・注意点を最新情報に基づいて解説します。
このページの要点
Q1. 特定技能「飲食料品製造業」で従事できる業務は何ですか? 酒類・塩を除く飲食料品の製造・加工・安全衛生に係る業務全般です。原材料の処理・調合・製造・加工・品質管理・衛生管理補助などが対象です。2024年7月からスーパーマーケットのバックヤードでの食品製造業務も対象になりました。
Q2. 酒類の製造は対象外ですか? はい。ビール・日本酒・ワイン・焼酎などの酒類の製造は対象外です。また塩の製造も対象外です。
Q3. 協議会加入にはどのくらい時間がかかりますか? 農林水産省の公式情報によると、食品産業特定技能協議会の加入審査には2〜3か月かかります。在留資格申請の2〜3か月以上前に加入申請を開始することが重要です。
Q4. スーパーマーケットでも受け入れられますか? はい。2024年7月の農林水産省告示により、総合スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る)および食料品スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る)が受入れ可能事業所に追加されました。ただしバックヤードでの製造・加工業務のみが対象で、レジ・品出し・接客などの販売業務は対象外です。
Q5. 特定技能2号はありますか? はい。2023年6月の閣議決定により飲食料品製造業分野でも特定技能2号が対象になりました。2号取得には2号技能測定試験への合格と2年以上の管理業務経験が必要です。
本文
特定技能「飲食料品製造業」の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管省庁 | 農林水産省 |
| 業務区分 | 1区分(飲食料品製造業) |
| 特定技能2号 | あり(2023年6月閣議決定) |
| 受入れ見込数 | 最大13万9,000人(5年間) |
| 雇用形態 | 直接雇用のみ(派遣不可) |
| 協議会 | 食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業・外食業共同設置・事務局:農林水産省) |
| 協議会費用 | 無料 |
| 協議会審査期間 | 2〜3か月程度 |
対象業務
必須業務(主たる業務) 酒類・塩を除く飲食料品の製造・加工・安全衛生に係る業務全般。主な業務は以下のとおりです。
- 原材料の処理・調合
- 製造・加工(食品工場での製造ライン作業など)
- 品質管理・衛生管理補助
関連業務(付随的に従事可能) 日本人が通常従事している関連業務にも付随的に従事できます。 - 原料の調達・受入れ - 製品の納品 - 清掃・事務所管理作業
対象外の業務
- 酒類の製造(ビール・日本酒・ワイン・焼酎・清酒など)
- 塩の製造
- 単なる選別・包装のみの作業(製造・加工を伴わないもの)
- 販売業務(レジ打ち・品出し・接客など)
2024年7月:スーパーマーケットへの対象拡大
2024年7月の農林水産省告示により、以下の事業所も受入れ可能な事業所として追加されました。
追加された事業所
- 総合スーパーマーケット(ただし、食料品製造を行うものに限る)
- 食料品スーパーマーケット(ただし、食料品製造を行うものに限る)
スーパーマーケットで従事できる業務の例
- バックヤードでの惣菜製造
- 鮮魚・食肉の加工処理
- パン・お弁当の製造
スーパーマーケットでの重要な注意点
- 販売業務(レジ・品出し・接客など)には従事できません
- 協議会加入時に「販売業務に従事させない」旨の誓約書(別紙1)の提出が必要
- バックヤードでの製造・加工業務のみが対象
- 関連業務としても販売業務は認められません
外国人本人の要件(試験)
パターン①:飲食料品製造業特定技能評価試験+日本語試験
- 飲食料品製造業特定技能評価試験(技能毎に各団体が実施)に合格
- 日本語試験(JFT-BasicまたはJLPT N4以上)に合格
試験は業種ごとに実施機関・日程が異なります。農林水産省の公式サイトで各試験の実施機関・スケジュールを確認してください。
パターン②:技能実習2号修了 飲食料品製造業分野に対応する技能実習2号を良好に修了した場合は、技能試験・日本語試験が免除されます。飲食料品製造業分野では約72%が技能実習2号修了者からの移行です。
協議会について
協議会名 食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野共同設置)
事務局 農林水産省
加入のタイミング 在留資格申請の前に協議会に加入し、加入証を取得する必要があります。
最重要:加入審査に2〜3か月かかります 申請後、数日以内に事務局からメールが届き、誓約書を返信します。その後、審査には1〜2か月程度かかり、承認後に加入証がメールで届きます。農林水産省の公式情報では2〜3か月を見込むよう案内しています。在留資格申請の予定日から2〜3か月以上前には加入申請を開始することが必要です。
加入申請の流れ
- 農林水産省ホームページの入会申請フォームから申請(WEB申請)
- 数日以内に事務局からメールが届く
- 「特定技能外国人の受入れに関する誓約書」などをPDFで返信
- 審査(1〜2か月程度)
- 承認後、加入証がメールで届く
スーパーマーケットは追加書類が必要 総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットは、加入申請時に「販売業務に従事させない旨の誓約書(別紙1)」の提出が必要です。
登録支援機関も加入が必要 飲食料品製造業分野・外食業分野のいずれかまたは両方で受入れ機関を支援する登録支援機関も、食品産業特定技能協議会への加入が必要です。委託先の登録支援機関が加入済みかを確認してから委託契約を締結することが重要です。
費用 無料(入会費・年会費なし)
受入れ企業の要件
特定技能制度の共通要件に加え、以下が必要です。
- 食品産業特定技能協議会の構成員であること(在留資格申請前に加入)
- 食品産業特定技能協議会に対して必要な協力を行うこと
- 農林水産省が行う調査・指導に協力すること
- 登録支援機関に委託する場合は、上記条件を満たす登録支援機関に委託すること
給食・集中調理施設の取り扱い
飲食料品製造業か外食業かの判断で迷いやすいのが給食・集中調理施設の業務です。
| 業態 | 区分 |
|---|---|
| 給食センターなどの集中調理施設での飲食料品の調理 | 飲食料品製造業 |
| 集中調理施設で接客業務にも従事する場合 | 外食業 |
| 介護施設などの特定多人数向け給食の調理 | 外食業 |
判断に迷う場合は事前に農林水産省・協議会に相談することをおすすめします。
特定技能2号について
2023年6月の閣議決定により飲食料品製造業分野でも特定技能2号が対象になりました。
2号取得の主な要件
- 飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験に合格すること
- 飲食料品製造業における2年以上の管理業務経験があること
2号を取得すると在留期間の上限がなくなり、家族帯同も可能になります。優秀な人材の長期定着を図る上で重要なルートです。
飲食料品製造業分野特有の注意点
①協議会加入は2〜3か月前から開始 飲食料品製造業分野は他分野と比べて審査に時間がかかります。在留資格申請の2〜3か月以上前には加入申請を開始してください。審査中に採用予定日が到来しても、加入証がなければ在留資格申請ができません。
②スーパーマーケットは販売業務禁止を厳守 バックヤードでの製造業務は対象ですが、販売業務への従事は一切認められません。業務内容を明確に区分し、外国人本人にも理解できる言語で説明しておくことが重要です。
③酒類製造は対象外 飲料製造業でも酒類(ビール・日本酒・ワインなど)の製造は対象外です。酒類の製造を主力とする事業所では受け入れることができない場合があります。
④登録支援機関の協議会加入確認 飲食料品製造業分野では登録支援機関も協議会加入が必要です。委託前に加入済みかどうかを必ず確認してください。
在留資格申請に必要な主な書類
外国人本人に関する書類
- 在留資格変更・認定申請書(最新様式)
- パスポート・在留カードの写し
- 技能試験・日本語試験の合格証明書(または技能実習2号修了証明書)
- 健康診断個人票
受入れ企業に関する書類
- 特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し
- 1号特定技能外国人支援計画書(最新様式)
- 登記事項証明書・納税証明書
- 社会保険・労働保険の納付確認書類
飲食料品製造業分野特有の書類
- 食品産業特定技能協議会の加入証
- スーパーマーケットの場合:誓約書(別紙1)
※書類は制度改正により変更になる場合があります。申請前に入管・農林水産省の最新情報を必ず確認してください。
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、特定技能「飲食料品製造業」の受入れに関して以下のサポートを提供しています。
- 協議会加入サポート:食品産業特定技能協議会への加入申請の流れ・必要書類を確認・サポートします。
- 在留資格申請書類の作成・取次:分野特有の書類を含めた申請書類の作成・取次を行います。
- スーパーマーケット対応:スーパーマーケットでの受入れに必要な誓約書の確認・業務内容の整理をサポートします。
- 登録支援機関としての支援受託:入国後の10項目の支援業務を受託します(当事務所も食品産業特定技能協議会に加入手続きを行います)。
FAQ
Q1. 弁当・惣菜の製造は対象になりますか? はい。弁当・惣菜・冷凍食品などの製造は対象業務です。食品工場・スーパーのバックヤードいずれでも対応できます。
Q2. お菓子(菓子)の製造は対象になりますか? はい。菓子製造は対象業務です。ただし酒類・塩を含む製品は対象外です。
Q3. パン屋(店舗内でのパン製造)は対象になりますか? 店舗内でのパン製造は原則として「外食業」分野での受入れとなります。ただし工場でのパン製造(製造のみ)は「飲食料品製造業」分野となります。判断に迷う場合は事前に協議会に相談してください。
Q4. 技能実習「農産物漬物製造業」修了者は試験免除になりますか? 対応する技能実習の職種・作業と飲食料品製造業分野の業務区分に関連性が認められる場合は免除されます。関連性の確認は入管・農林水産省の対応表でご確認ください。
Q5. 派遣形態での受入れはできますか? いいえ。飲食料品製造業分野では派遣形態での受入れは認められていません。受入れ企業との直接雇用のみです。
Q6. 食品産業特定技能協議会は外食業の協議会と同じですか? はい。食品産業特定技能協議会は飲食料品製造業と外食業が共同で設置している協議会です。飲食料品製造業で加入している場合でも、外食業分野の外国人を受け入れる場合は改めて外食業分野での審査が必要です。
まとめ
特定技能「飲食料品製造業」は特定技能で最も受入れ人数が多い分野です。酒類・塩を除く飲食料品の製造・加工業務全般が対象で、2024年7月からスーパーマーケットのバックヤードでの食品製造業務も対象に加わりました。
食品産業特定技能協議会への加入は在留資格申請前に必要で、審査に2〜3か月かかります。採用計画を立てる際は、この審査期間を織り込んだスケジュール設定が重要です。
制度の詳細・書類については変更になる場合があるため、農林水産省・入管の最新情報を確認しながら準備を進めることをおすすめします。行政書士アーチ事務所では、飲食料品製造業の特定技能受入れに関する手続きをサポートしています。お気軽にご相談ください。
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行政書士アーチ事務所が選ばれる理由
ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。
01
登録支援機関でもある行政書士事務所
特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。
02
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