特定技能「ビルクリーニング」の要件・協議会・注意点【2026年最新版】
特定技能「ビルクリーニング」の受入れ要件・試験・対象業務・協議会加入手続き・注意点を解説。知事登録の義務・派遣禁止・2号の要件まで行政書士がわかりやすく説明します。
導入
「ビルクリーニング業で特定技能外国人を受け入れるために何が必要か」「知事登録が必要と聞いたが何の登録か」「ホテルの客室清掃でも受け入れられるか」——ビルメンテナンス・清掃業の担当者から、こうしたご相談をよくいただきます。
特定技能「ビルクリーニング」は、人手不足が深刻なビルメンテナンス業界での外国人受入れを可能にする分野です。受入れには、外国人本人の試験合格に加えて、受入れ企業の知事登録・協議会加入という分野特有の要件があります。また派遣形態での就労は認められていません。
この記事では、特定技能「ビルクリーニング」の要件・試験・対象業務・協議会・注意点を最新情報に基づいて解説します。
このページの要点
Q1. 特定技能「ビルクリーニング」の対象業務は何ですか? 住宅(戸建て・共同住宅の専有部分等)を除く建築物内部の清掃業務です。共同住宅の共用部分は対象になりました。ホテル・オフィスビル・商業施設・病院・学校などの清掃が対象です。
Q2. 受入れ企業に必要な知事登録とは何ですか? 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)に基づく「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の都道府県知事への登録です。この登録は法人単位ではなく事業所ごとに必要で、有効期限は6年間です。
Q3. 協議会加入のタイミングはいつですか? 2024年6月15日以降は在留資格申請を行う前に協議会(ビルクリーニング分野特定技能協議会)に加入することが必要です。加入申請から構成員資格証明書の発行まで1〜2週間程度かかります。
Q4. 派遣形態での就労は認められていますか? いいえ。ビルクリーニング分野では派遣形態での就労は認められていません。受入れ企業との直接雇用が必須です。
Q5. 特定技能2号への移行は可能ですか? はい。2023年6月の閣議決定によりビルクリーニング分野でも特定技能2号の取得が可能になりました。2号取得には専門的な実務経験(2年以上)と2号評価試験への合格が必要です。
本文
特定技能「ビルクリーニング」の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管省庁 | 厚生労働省 |
| 対象業務 | 住宅を除く建築物内部の清掃業務 |
| 特定技能2号 | あり(2023年6月閣議決定) |
| 受入れ上限 | 設定なし |
| 雇用形態 | 直接雇用のみ(派遣不可) |
| 協議会 | ビルクリーニング分野特定技能協議会(事務局:厚生労働省) |
| 協議会費用 | 無料 |
| 企業要件 | 知事登録(建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業) |
対象業務の詳細
必須業務(主たる業務)
- 建築物内部の清掃業務全般
- 床面の清掃(モップがけ・ポリッシャーなど)
- 壁面・天井面の清掃
- ガラス面の清掃
- トイレ・洗面所の清掃
- 客室のベッドメイク作業(宿泊施設の場合)
関連業務(付随的業務)
- 客室以外のベッドメイク作業
- 資材・物品の運搬・整理
- 清掃用具の点検・整備
対象建築物(主なもの)
- オフィスビル
- 商業施設(百貨店・ショッピングモールなど)
- ホテル・旅館
- 病院・クリニック
- 学校・大学
- 工場・倉庫
- 共同住宅の共用部分(廊下・エレベーターなど)
対象外となる業務・建築物
- 住宅(戸建て・マンションの専有部分等)の清掃
- ベッドメイク作業のみ、または清掃を伴わないリネン交換のみの業務
- 建築物外部(外壁・窓外側など)の清掃のみ
外国人本人の要件(試験)
①ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験(技能試験)
- 実施主体:公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会
- 試験内容:学科試験+実技試験(日本語で実施)
- 実施国:日本(東京・愛知・大阪・広島・福岡)・ミャンマー・フィリピンなど
②日本語試験 以下のいずれかへの合格が必要です。 - 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic):合格 - 日本語能力試験(JLPT):N4以上
技能実習2号修了者の試験免除 ビルクリーニング分野の技能実習2号を良好に修了した場合は、技能試験が免除されます(日本語試験は別途必要)。
受入れ企業の要件
①知事登録(最重要・分野特有の要件) 特定技能「ビルクリーニング」の外国人を受け入れる企業は、都道府県知事から以下のいずれかの登録を受けていることが必要です。
- 建築物清掃業の登録
- 建築物環境衛生総合管理業の登録
この登録は建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)に基づくもので、法人単位ではなく事業所ごとに登録が必要です。有効期限は6年間であり、更新を忘れないよう管理することが重要です。
登録を受けていない場合は特定技能外国人の受入れができません。登録に時間がかかる場合があるため、受入れを検討している段階から早めに手続きを確認することをおすすめします。
②協議会への加入 受入れ前に「ビルクリーニング分野特定技能協議会」に加入(構成員となる)ことが必要です。
③直接雇用 派遣形態での就労は認められていません。受入れ企業との直接雇用契約が必要です。
④共通要件 特定技能制度の共通要件(欠格事由への非該当・適正な雇用契約・社会保険加入など)も満たす必要があります。
協議会について
協議会名 ビルクリーニング分野特定技能協議会
事務局 厚生労働省 医薬・生活衛生局 生活衛生課
加入のタイミング 2024年6月15日以降は、在留資格申請前に協議会に加入し、構成員資格証明書の発行を受けることが必要です。
加入手続きの流れ
- 厚生労働省のウェブサイトの申請ページから入会申請を送信
- 厚生労働省から必要書類についてのメールが届く
- 必要書類を電子媒体で提出
- 審査完了後、構成員資格証明書がメールで送付される(審査期間:1〜2週間〜1か月程度)
注意点
- 登録支援機関による代理申請は認められていません(受入れ企業が自ら申請が必要)
- 登録支援機関は協議会に加入できません(自ら受入れ機関となる場合を除く)
- 加入費用は無料
申請時の提出書類(主なもの)
- 入会申請フォームへの必要事項の入力
- ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験合格証書(技能実習2号修了者は不要)
- 知事登録の証明書類(建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録証明書)
ビルクリーニング分野特有の注意点
①知事登録の事前確認 知事登録は特定技能「ビルクリーニング」の受入れに必須です。登録がない状態では受け入れることができません。未登録の場合は、受入れを検討する段階から都道府県の生活衛生担当部署に問い合わせて登録手続きを進めることが重要です。
②知事登録の有効期限管理 知事登録の有効期限は6年間です。更新を忘れると受入れ継続ができなくなります。有効期限を社内カレンダーに登録し、期限前に更新手続きを進めるよう管理してください。
③派遣は絶対に不可 ビルクリーニング分野では派遣形態での就労は認められていません。「出向」「業務委託」など名目がどうであれ、実態として派遣となる場合は認められません。
④客室清掃の注意点 ホテルの客室清掃については、総合的な客室清掃業務(掃除機がけ・拭き掃除・ベッドメイク等をまとめて行う)であれば対象になります。ただし、ベッドメイク作業のみ・清掃を伴わないリネン交換のみの業務は特定技能「ビルクリーニング」の対象外です。
⑤業務は建築物内部に限定 建築物外部(外壁清掃・窓清掃の外側など)は対象業務に含まれません。実際の業務内容が内部清掃であることを確認してください。
特定技能2号について
2023年6月の閣議決定により、ビルクリーニング分野でも特定技能2号の取得が可能になりました。
2号取得の要件
- 複数の作業員を指導しながら現場を管理する者として、特定建築物の清掃に2年以上従事した実務経験があること
- ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験に合格すること(技能検定1級と同等水準)
特定建築物の定義 建築物衛生法第2条第1項に規定する特定建築物(延べ面積が原則3,000㎡以上の、不特定多数が利用する施設)が対象です。
2号になると在留期間の上限がなくなり、家族の帯同も認められます。
在留資格申請に必要な主な書類
外国人本人に関する書類
- 在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更許可申請書(最新様式)
- パスポート・在留カードの写し
- 証明写真
- ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験の合格証明書
- 日本語試験の合格証明書
- 健康診断個人票
受入れ企業に関する書類
- 特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し
- 1号特定技能外国人支援計画書(最新様式)
- 登記事項証明書・納税証明書
- 社会保険・労働保険の納付確認書類
ビルクリーニング分野特有の書類
- ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員資格証明書
- 知事登録証明書(建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録証の写し)
※書類は制度改正により変更になる場合があります。申請前に入管の最新の提出書類一覧表を必ず確認してください。
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、特定技能「ビルクリーニング」の受入れに関して以下のサポートを提供しています。
- 知事登録の確認サポート:受入れ前に知事登録の有無・有効期限の確認をサポートします。
- 協議会加入サポート:加入申請の流れと必要書類の確認をサポートします。
- 在留資格申請書類の作成・取次:分野特有の書類を含めた申請書類の作成・取次を行います。
- 登録支援機関としての支援受託:入国後の10項目の支援業務を受託します。
FAQ
Q1. マンションの管理会社が共用部分を清掃する場合は対象になりますか? はい。共同住宅の共用部分(廊下・エレベーター・エントランスなど)は対象建築物に含まれます。ただし専有部分(各住戸内)は対象外です。
Q2. 清掃会社ではなく、自社ビルの清掃スタッフとして受け入れられますか? はい。ただし受入れ企業自体が知事登録(建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業)を受けている必要があります。登録のない企業は受け入れることができません。
Q3. 知事登録はどこに申請すればよいですか? 事業所を管轄する都道府県の生活衛生担当部署に問い合わせてください。登録の手続き・要件は都道府県によって異なります。
Q4. 協議会加入後も外国人ごとに報告は必要ですか? はい。2人目以降を受け入れる場合も、受入れのたびに追加の報告・届出が必要です。協議会の公式情報を確認して対応してください。
Q5. ビルクリーニングの試験はどのくらいの頻度で実施されますか? 全国ビルメンテナンス協会が随時実施しています。詳細なスケジュールは全国ビルメンテナンス協会の公式サイトでご確認ください。
まとめ
特定技能「ビルクリーニング」は、住宅を除く建築物内部の清掃業務に外国人を受け入れるための分野です。受入れ企業には、知事登録(建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業)・協議会加入・直接雇用という分野特有の要件があります。
協議会への加入は申請前に完了させることが必要であり、知事登録の有効期限管理も重要なポイントです。また派遣形態での就労は認められていない点に注意が必要です。
制度の詳細・書類については変更になる場合があるため、最新の公式情報を確認しながら準備を進めることをおすすめします。行政書士アーチ事務所では、特定技能「ビルクリーニング」の受入れに関する手続きをサポートしています。お気軽にご相談ください。
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