特定技能「物流倉庫」とは?2027年開始予定の要件・対象業務・準備のポイント【2026年最新版】
特定技能「物流倉庫」の概要・対象業務・受入れ要件・スケジュールを解説。2026年1月閣議決定・2027年4月開始予定。倉庫業法登録・WMS要件・派遣禁止など分野特有のポイントを行政書士が説明します。
導入
「倉庫業でも特定技能外国人を受け入れられると聞いたが、いつから始まるのか」「どんな準備が必要か」「フォークリフト作業もできるのか」——物流・倉庫業の担当者から、こうしたご相談をいただくことが増えています。
2026年1月23日の閣議決定により、特定技能制度の対象に「物流倉庫」分野が新たに追加されることが正式に決定しました。EC市場の拡大と「2024年問題」(物流業界の時間外労働規制強化)に伴う倉庫内作業員の深刻な人手不足に対応するための制度です。
2026年5月時点では、試験・詳細な運用要領の整備が進んでいる段階です。運用開始は2027年4月頃が予定されています。
この記事では、特定技能「物流倉庫」の概要・対象業務・受入れ要件・スケジュール・今からできる準備のポイントを、2026年5月時点の最新情報に基づいて解説します。
このページの要点
Q1. 特定技能「物流倉庫」はいつから始まりますか? 2027年4月頃の運用開始が予定されています。2026年1月23日に閣議決定され、2026年度中に省令・告示の整備と技能試験・日本語試験の開始が予定されています。
Q2. 対象となる業務は何ですか? 入庫から出庫に至る一連の倉庫内作業です。入出荷・検品・ピッキング・仕分け・梱包・搬送・保管管理・在庫管理などが対象です。配送ドライバー業務は対象外です。
Q3. どんな事業者が受け入れられますか? 倉庫業法に基づく登録を受けた倉庫業者、運送業の許可を持ちその事業に附帯して倉庫内作業をする貨物自動車運送業者、それらから委託を受けた受託事業者(構内荷役会社など)が対象です。
Q4. 派遣形態での受入れはできますか? いいえ。物流倉庫分野は直接雇用が絶対条件です。派遣形態での受入れは認められていません。
Q5. 今からどんな準備ができますか? 倉庫管理システム(WMS等)の導入・在庫管理システムの整備、受入れ要件の事前確認、倉庫業法登録の確認、技能実習生(物流関連職種)の特定技能移行準備などが今から進められます。
本文
特定技能「物流倉庫」の概要(2026年5月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 閣議決定 | 2026年1月23日 |
| 所管省庁 | 国土交通省(物流・自動車局) |
| 業務区分 | 1区分(倉庫管理) |
| 特定技能2号 | 現時点では未定(今後の制度整備を注視) |
| 受入れ見込数 | 最大1万1,400人(2026年度から3年間) |
| 運用開始予定 | 2027年4月頃 |
| 試験開始予定 | 2026年度中 |
| 雇用形態 | 直接雇用のみ(派遣不可) |
| 費用 | 不明(今後公表予定) |
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。制度の詳細・試験内容・要件については今後変更される可能性があります。最新情報は入管庁・国土交通省の公式情報でご確認ください。
新設の背景
EC市場拡大と倉庫内人手不足の深刻化 インターネット通販の急拡大に伴い、倉庫内作業(ピッキング・梱包・在庫管理など)の需要が急増している一方で、担い手が慢性的に不足しています。
物流2024年問題の影響 2024年4月からトラックドライバーの時間外労働規制が強化(物流の2024年問題)されたことで、倉庫内の効率化・人員確保が一層急務になっています。
これらを背景に、倉庫内作業を特定技能の対象とすることが決定されました。
対象業務
物流倉庫分野(倉庫管理区分)で認められる主な業務は以下のとおりです。
主たる業務
- 入出荷・検品(届いた商品の受入れ・数量・品質の確認)
- ピッキング・仕分け(指示書に基づいた商品の取り出し・仕分け)
- 梱包・搬送(発送前の梱包・搬送作業)
- 保管管理(在庫の整理・管理・棚入れ)
- 在庫管理(入出庫データの記録・システムへの入力)
対象となる倉庫の例
- 倉庫業者の倉庫(営業倉庫)
- 貨物自動車運送事業者が附帯事業として行う倉庫内作業
- 構内荷役会社(倉庫業者から委託を受けている場合)
対象外の業務
- 配送ドライバー業務(自動車運送業分野が対象)
- 倉庫外での作業
- 純粋な事務作業のみ
受入れ企業の主な要件(2026年5月時点の情報)
詳細な要件は今後の省令・告示の整備で確定しますが、現時点で判明している主な要件は以下のとおりです。
①対象となる事業者区分 以下のいずれかに該当する事業者が受入れ機関になれます。
- 倉庫業者:倉庫業法に基づく登録を受けた事業者
- 貨物自動車運送業者:運送業の許可を持ち、その事業に附帯して倉庫内作業をする事業者
- 受託事業者:上記から委託を受け、その倉庫内で作業をする事業者(構内荷役会社など)
②入出庫・在庫管理システムの活用(WMS等) 物流倉庫分野では「入出庫・在庫管理システム等の活用」が要件として設定されています。完全にアナログで運用している現場では、システム導入から準備を始める必要があります。協議会加入後、おおむね1年以内に活用状況の報告も求められる予定です。
③直接雇用のみ 派遣形態での受入れは認められていません。フルタイムでの直接雇用が必須です。
④協議会への加入 詳細は今後公表予定ですが、他分野と同様に協議会への加入(在留資格申請前)が必要となる見込みです。
外国人本人の要件(2026年5月時点・詳細は今後公表予定)
①物流倉庫分野特定技能1号評価試験への合格 試験の詳細(試験内容・実施機関・日程)は2026年度中に公表予定です。試験では入庫から出庫に至る倉庫内作業の知識・安全衛生の基礎知識・ピッキングや在庫管理の実務知識などが問われる見込みです。
②日本語試験への合格 JFT-Basic(A2.2相当以上)またはJLPT N4以上が必要となる見込みです。
技能実習修了者の試験免除 物流倉庫分野に対応する技能実習2号の修了者については、技能試験が免除される可能性があります(詳細は今後確定予定)。
スケジュール(予定)
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年1月23日 | 閣議決定(物流倉庫分野の特定技能追加が正式決定) |
| 2026年度中(〜2027年3月) | 省令・告示の整備、技能試験・日本語試験の開始予定 |
| 2027年4月頃 | 在留資格の申請受付開始・運用開始予定 |
※上記スケジュールは2026年5月時点の予定です。変更となる可能性があります。
今からできる準備のポイント
2027年の運用開始を待ってから動き始めると、優秀な人材の確保競争に乗り遅れる可能性があります。今から以下の準備を進めることをおすすめします。
①倉庫管理システム(WMS等)の導入・整備 システムの活用が受入れ要件となる見込みです。まだ導入していない場合は早めに導入を検討してください。
②受入れ事業者区分の確認 自社が「倉庫業者・貨物自動車運送業者・受託事業者」のいずれかに該当するかを確認します。倉庫業法の登録状況も確認してください。
③技能実習生の活用と移行準備 現在、物流関連の技能実習生を受け入れている場合は、特定技能への移行が可能になる可能性があります。実習生の在留期間・修了時期を確認し、移行のタイミングを逆算して準備を進めることが重要です。
④最新情報の定期的な確認 省令・告示・試験情報は2026年度中に順次公表される予定です。国土交通省・入管の公式サイトを定期的に確認することが重要です。
フォークリフト作業について
倉庫現場では欠かせないフォークリフト作業については、以下の点に注意が必要です。
- フォークリフトの運転には、日本の「フォークリフト運転技能講習修了証」(荷役作業1トン以上)または「特別教育修了証」(1トン未満)が必要です
- 母国のフォークリフト資格は日本では使用できません
- 入国後に日本の資格を取得することになりますが、所定の講習(学科・実技)への参加が必要です
- 講習は日本語で行われることが多いため、日本語能力と講習費用・期間を考慮したスケジュールが必要です
当事務所に相談できること
行政書士アーチ事務所では、特定技能「物流倉庫」分野の受入れ準備に関して以下のサポートを提供しています。
- 最新情報の提供:省令・告示・試験情報など、物流倉庫分野の制度整備の最新情報をお伝えします。
- 受入れ要件の事前確認:自社が受入れ事業者の要件を満たすかどうかの確認をサポートします。
- 技能実習生の移行準備サポート:現在受け入れている技能実習生の特定技能への移行タイミングと準備を一緒に整理します。
- 他分野の特定技能申請:物流倉庫の制度開始を待つ間に活用できる他の在留資格(自動車運送業の特定技能など)についても相談に対応します。
「物流倉庫の特定技能について情報収集したい」「今から準備を始めたい」という段階からのご相談を歓迎しています。
FAQ
Q1. 2027年の運用開始前に倉庫内作業員として外国人を採用する方法はありますか? 技能実習生・育成就労制度の活用、永住者・定住者など身分系在留資格の方の採用、特定活動(告示46号)の活用などが選択肢として考えられます。自動車運送業の特定技能でドライバー業務を主としながら付随的に倉庫業務を担わせる形態も一部で活用されています。詳細は個別にご相談ください。
Q2. 試験はいつ始まりますか? 2026年度中(2026年4月〜2027年3月)に開始予定です。詳細な日程・申込方法は国土交通省・入管の公式サイトで公表される見込みです。
Q3. 受入れ見込数の上限は外食業のようにすぐ埋まりますか? 物流倉庫分野の3年間の受入れ上限は1万1,400人です。全国の倉庫業・運送業の事業所数を考えると余裕のある枠ではなく、早期に枠が埋まる可能性も否定できません。早めの準備が重要です。
Q4. 倉庫業法の登録が必要ですか? 倉庫業者として受け入れる場合は倉庫業法に基づく登録が必要です。貨物自動車運送業者として附帯事業で受け入れる場合や受託事業者として受け入れる場合は必ずしも登録は必要ではありませんが、各要件の確認が必要です。
Q5. 特定技能2号はありますか? 現時点(2026年5月)では物流倉庫分野の特定技能2号については未定です。今後の制度整備の動向を注視することが必要です。
まとめ
特定技能「物流倉庫」は2026年1月23日の閣議決定で正式に追加が決定し、2027年4月頃の運用開始が予定されています。入出荷・検品・ピッキング・仕分け・梱包・保管管理などの倉庫内作業全般が対象で、倉庫業法の登録業者・運送業者・受託事業者が受入れ主体となります。
派遣形態は認められず直接雇用が必須であること、倉庫管理システムの活用が要件になる見込みであることが分野特有の重要ポイントです。
運用開始まで1年以上ありますが、試験情報・詳細要件の公表・協議会の設置など制度整備が2026年度中に進む予定です。早めの情報収集と受入れ準備を進めることが、2027年以降の人材確保競争において有利に立てる重要なポイントです。
2026年5月時点の情報に基づいています。詳細要件・試験情報・スケジュールは今後変更される可能性があります。最新情報は国土交通省・出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。
行政書士アーチ事務所では、物流倉庫分野の準備サポートを行っています。お気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
行政書士アーチ事務所
行政書士・申請取次行政書士
大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続き、特定技能、自社支援切り替え、外国人雇用を全国対応でサポート。
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行政書士アーチ事務所は大阪市を拠点に、特定技能の在留資格申請、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関に関するご相談を全国から受け付けています。大阪で特定技能に詳しい行政書士を探している企業の方も、遠方の受入れ機関・登録支援機関の方もご相談いただけます。
受入れ分野、雇用条件、協議会、支援体制、届出、記録管理など、企業側で確認すべき点は案件ごとに変わります。申請前や運用変更前に、必要な手続きとリスクを整理します。
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行政書士アーチ事務所が選ばれる理由
ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。
01
登録支援機関でもある行政書士事務所
特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。
02
有料職業紹介許可を保有
外国人採用の入口から在留資格、雇用後の手続きまで、採用実務を踏まえて整理します。
03
大阪市拠点・全国オンライン対応
大阪府内はもちろん、遠方の個人・企業からの相談にもLINE、WeChat、電話、フォームで対応します。
04
英語・中国語の相談にも対応
外国人本人、配偶者、企業担当者とのやり取りを、状況に応じて多言語で進められます。
05
個人向けと企業向けの両方に対応
家族滞在、永住、日本人配偶者ビザから、特定技能、技人国、外国人雇用まで横断的に確認します。
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