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令和9年4月から定期健康診断の診断項目が変わります|会社が対応すべきこと

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厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署は、令和9年(2027年)4月1日から、労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の診断項目の取扱いを一部変更することを公表しました。

根拠は令和8年4月28日基発0428第10号「労働安全衛生施行規則等の一部を改正する省令の施行等について」です。

会社(事業者)は健康診断機関との契約内容や、健康診断個人票の管理体制を見直す必要があります。


変更の3つのポイント

ポイント①:喀痰検査が削除されました

これまで定期健康診断の項目に含まれていた喀痰検査が削除されます。

ただし、喀痰検査がなくなっても、結核感染への対応は引き続き必要です。胸部エックス線検査の結果を踏まえ、結核感染が疑われる者に対しては、医療機関への速やかな受診勧奨を行うことが求められます。

ポイント②:肝機能検査の酵素名が変更されました

肝機能検査の酵素名が以下のように変更されます。

旧名称新名称
GOTAST
GPTALT
γ-GTPγ-GT

なお、事業者や労働者が旧名称の方が理解しやすい場合は、健診機関が健康診断結果を通知する際に、新名称と旧名称を併記しても差し支えありません。

ポイント③:「血清クレアチニン検査」が追加されました

新たに血清クレアチニン検査が定期健康診断の項目に追加されます。

血清クレアチニン検査は腎臓の機能を調べる検査です。

  • 検査結果に基づき、医師の意見を聴取し、事後措置を講じる必要があります
  • 有所見者に対しては医療機関への速やかな受診勧奨など保健指導も必要です

なお、血清クレアチニン検査は「★」のついた項目であり、医師が必要でないと認めるときは省略が可能です(40歳未満の者が省略可能の対象)。


令和9年4月時点の定期健康診断項目一覧

診断項目省略可否
既往歴及び業務歴の調査省略不可
自覚症状及び他覚症状の有無の検査省略不可
身長★ 20歳以上は省略可
体重省略不可
腹囲★ 一定条件で省略可
視力及び聴力の検査省略不可
胸部エックス線検査★ 40歳未満の一部で省略可
血圧の測定省略不可
貧血検査(血色素量及び赤血球数)★ 35歳未満・36〜39歳は省略可
肝機能検査(AST、ALT、γ-GT)★ 35歳未満・36〜39歳は省略可
血中脂質検査(LDLコレステロール・HDLコレステロール・血清トリグリセライド)★ 35歳未満・36〜39歳は省略可
血糖検査★ 35歳未満・36〜39歳は省略可
血清クレアチニン検査(新規追加)★ 40歳未満は省略可
尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)省略不可
心電図検査★ 35歳未満・36〜39歳は省略可

※ 喀痰検査は令和9年4月以降削除されます。


診断項目の省略に関する注意事項

★のついた項目は、医師が必要でないと認めるときに省略できますが、以下の点に注意が必要です。

  • 省略の判断は個々の労働者ごとに医師が行うものです
  • 医師ではない者が一律に省略を判断することは不適切です
  • 個々の労働者の健康状態の経時的な変化や自覚症状・他覚症状等を勘案しながら判断することが重要です

雇い入れ時の健康診断との違い

血液検査等の診断項目(貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査・血清クレアチニン検査)については、雇い入れ時の健康診断においては必須項目であり、省略はできません。

定期健康診断とは取扱いが異なるため注意してください。


会社(事業者)が対応すべきこと

健康診断機関への確認

令和9年4月以降の健康診断について、健康診断機関が改正後の診断項目で実施する体制になっているかを確認します。特に血清クレアチニン検査の追加対応が必要です。

健康診断個人票の書式確認

健康診断個人票の書式を令和9年4月以降の改正項目に合わせて更新します。肝機能検査の酵素名(GOT→AST等)も変更が必要です。

有所見者への対応体制の整備

血清クレアチニン検査で有所見となった労働者に対して、医師の意見聴取・受診勧奨・事後措置を適切に行う体制を整えます。

従業員への周知

診断項目が変わることを従業員に事前に周知しておくと、健康診断時の混乱を防ぐことができます。


まとめ

  • 令和9年4月1日から定期健康診断の診断項目が変わる
  • 喀痰検査が削除(結核疑い者への受診勧奨は引き続き必要)
  • 肝機能検査の酵素名が変更(GOT→AST、GPT→ALT、γ-GTP→γ-GT)
  • 血清クレアチニン検査(腎機能検査)が追加(40歳未満は省略可)
  • 省略の判断は医師が個別に行うもの(一律の省略は不適切)
  • 雇い入れ時健康診断では血液検査等は省略不可

健康診断の実施体制・健康診断個人票の管理についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。


*本記事は令和8年4月28日基発0428第10号(厚生労働省)に基づいています。詳細は厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp)にてご確認ください。*

*執筆:社会保険労務士アーチ事務所(大阪)*