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労基署調査で見られる書類|事前準備と対応のポイントを社労士が解説

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労働基準監督署(労基署)の調査は、突然の立入調査(臨検監督)として行われることがあります。「うちは問題ないだろう」と思っていても、書類が整備されていないだけで是正勧告の対象になるケースは少なくありません。

本記事では、労基署調査で確認される主な書類と、事前準備のポイントを解説します。


労基署調査の種類

種類内容
定期監督業種・地域などを対象に定期的に行われる調査
申告監督従業員・元従業員からの申告をきっかけに行われる調査
災害時監督労働災害が発生した際に行われる調査
再監督是正勧告後の改善状況を確認する調査

いずれも、調査官が事業所に来訪し、書類の確認・経営者や担当者へのヒアリングが行われます。


調査で確認される主な書類

①労働者名簿

  • 従業員全員分の氏名・生年月日・住所・入社日・業務内容等の記載が必要
  • 退職者も退職後一定期間保存が必要

②賃金台帳

  • 全従業員の賃金計算期間・労働日数・労働時間数・時間外・深夜・休日労働時間数・賃金種別の金額・控除額を記載
  • 給与計算ソフトの出力データでも可だが、法定記載事項がすべて含まれているか要確認

③出勤簿・タイムカード

  • 日々の出退勤時刻・休憩時間・実労働時間が記録されているか
  • 手書き申告ではなく、客観的な方法(タイムカード・ICカード・システム等)による記録が望ましい

④就業規則

  • 常時10人以上の事業場では労基署への届出が義務
  • 労働者への周知状況も確認される

⑤36協定

  • 有効期限内の36協定が届け出されているか
  • 実際の時間外労働が協定の上限を超えていないか

⑥労働条件通知書・雇用契約書

  • 全従業員に交付されているか
  • 法定記載事項(労働時間・賃金・休日等)が明示されているか

⑦年次有給休暇管理簿

  • 基準日・付与日数・取得日時季の記載があるか
  • 年5日取得義務の履行状況が確認される

⑧健康診断個人票

  • 雇入れ時・定期健康診断の実施記録
  • 保存期間(5年間)を満たしているか

調査でよく指摘される問題点

賃金台帳の記載不備

深夜・休日労働の時間数が別途記載されていないケースが多く見られます。

36協定の未届出・期限切れ

更新を忘れていたり、実際の残業時間が協定の上限を超えていたりするケースがあります。

時間外労働の未払い

固定残業代の設計が不適切だったり、管理職への残業代が不当に不払いになっているケースです。

有給休暇の年5日取得義務違反

管理簿が整備されていない、または5日取得させていない従業員がいるケースです。

労働条件通知書の未交付

口頭だけで済ませており、書面を交付していないケースです。


調査への事前準備

調査が入る前に以下を確認・整備しておくことをお勧めします。

  1. 法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)の整備:記載事項・保存期間を確認
  2. 36協定の有効期限確認:期限切れになっていないか
  3. 就業規則の届出・周知:最新の内容で届け出されているか
  4. 有給休暇管理簿の整備:全従業員分の管理ができているか
  5. 労働条件通知書の交付確認:全員に交付済みか

是正勧告を受けた場合

是正勧告書を受け取った場合、指定期限までに是正し、是正報告書を提出する必要があります。是正勧告を無視すると送検・起訴に至る可能性があります。

是正勧告の内容によっては、就業規則の改訂・賃金の遡及支払い・未加入の社会保険の遡及加入など、相応の対応コストが発生します。


まとめ

  • 労基署調査では法定三帳簿・36協定・就業規則・有給管理簿・健康診断個人票等が確認される
  • 書類の不備だけでも是正勧告の対象になる
  • 調査前の定期的な自主点検が最大の予防策
  • 是正勧告を受けたら期限内に是正・報告が必要
  • 日頃の労務管理の整備が調査リスクの軽減につながる

労務書類の整備・労基署調査への対応についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。


*本記事は2026年6月時点の法令に基づいています。*

*執筆:社会保険労務士アーチ事務所(大阪)*