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有給休暇管理簿の作り方|記載事項・保存方法・運用のポイントを社労士が解説
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2019年4月の労働基準法改正により、有給休暇管理簿の作成・保存が使用者の法的義務となりました。「有給休暇の取得状況を把握していれば大丈夫」という認識では不十分で、法定の記載事項を含む管理簿が必要です。
本記事では、有給休暇管理簿の作り方と運用のポイントを解説します。
有給休暇管理簿とは
有給休暇管理簿は、労働基準法施行規則第24条の7に基づき、年次有給休暇が10日以上付与されるすべての従業員について作成・保存が義務付けられた帳簿です。
法定記載事項(必須3項目)
有給休暇管理簿には、以下の3つの事項を必ず記載しなければなりません。
| 記載事項 | 内容 |
|---|---|
| 基準日 | 有給休暇を付与した日(入社日から6か月後、またはその後1年ごと) |
| 日数 | 付与日数・取得日数・残日数 |
| 時季 | 実際に有給休暇を取得した具体的な日付 |
この3項目は法定の最低要件です。実務上は、氏名・雇用形態・入社日なども合わせて記録しておくと管理がしやすくなります。
作成方法
有給休暇管理簿の書式に法定様式はありません。市販の書式・エクセル・勤怠管理システム等を活用できます。
エクセルで作成する場合の基本構成
| 従業員氏名 | 入社日 | 基準日 | 付与日数 | 取得日付 | 取得日数 | 残日数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 田中 太郎 | 2024/4/1 | 2024/10/1 | 10日 | 2025/1/10 | 1日 | 9日 |
厚生労働省は年次有給休暇の管理に活用できる書式を公開しています。厚生労働省のウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp)から「年次有給休暇管理簿」で検索してご確認ください。
保存方法・保存期間
保存期間は、有給休暇管理簿の完結の日(その年度の最後の有給休暇取得日等)から3年間です(労働基準法第109条)。
電子データでの保存も認められています。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 必要なときに速やかに出力・確認できること
- データの改ざんを防止する適切な管理が行われていること
運用上のポイント
ポイント1:基準日を統一する
従業員ごとに基準日が異なると管理が煩雑になります。全従業員の基準日を4月1日など特定の日に統一する「斉一的取扱い」を活用することで、管理が大幅に簡略化できます。
ただし、統一基準日前に入社した従業員への有給休暇の付与は、法定の付与日数を下回らないよう注意が必要です。
ポイント2:5日取得義務の進捗を定期確認する
基準日から1年以内に5日取得できているかを、年度途中で定期的に確認します。年度末まで気づかなかった場合、残り日数を短期間で取得させることになり、業務に支障が出ることがあります。
ポイント3:時季指定のルールを就業規則に明記する
使用者が時季を指定して取得させる場合のルール(いつまでに指定するか、従業員への通知方法等)を就業規則に規定しておくことで、運用がスムーズになります。
ポイント4:パート・アルバイトも忘れずに管理する
パート・アルバイトについても、有給休暇が10日以上付与される場合は管理簿の作成義務があります。正社員とは別の管理簿を用意するか、同一の書式で管理することが一般的です。
まとめ
- 有給休暇管理簿の法定記載事項は「基準日・日数・時季」の3項目
- 書式の指定はなし。エクセル・勤怠システム等で作成可
- 保存期間は完結の日から3年間
- 基準日を統一すると管理が簡略化できる
- 年度途中での進捗確認が5日取得義務達成の鍵
有給休暇管理簿の作成・管理体制の整備については、お気軽にご相談ください。
本記事は2026年6月時点の法令に基づいています。
執筆:社会保険労務士アーチ事務所(大阪)