ARTICLE 18
最低賃金改定時に会社が確認すべきこと|対応手順と注意点を社労士が解説
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最低賃金は毎年改定されます。改定後も従前の賃金を支払い続けた場合、最低賃金法違反となり罰則の対象となります。 改定のたびに会社が確認・対応すべき事項を整理します。
最低賃金とは
最低賃金とは、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額を定めたものです。最低賃金法により、すべての使用者に適用され、最低賃金を下回る賃金での労働契約は、その部分について無効となります。
最低賃金には以下の2種類があります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 地域別最低賃金 | 都道府県ごとに定められた最低賃金 |
| 特定最低賃金 | 特定の産業・職種に適用される最低賃金 |
地域別最低賃金は原則として毎年10月頃に改定されます。最新の金額は厚生労働省または都道府県労働局のウェブサイトでご確認ください。
最低賃金の比較対象となる賃金
最低賃金と比較する際、すべての賃金が対象となるわけではありません。以下の賃金は比較対象から除外されます。
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
- 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外・休日・深夜割増賃金)
- 精皆勤手当・通勤手当・家族手当
これら以外の賃金(基本給・職務手当等)が最低賃金を下回っていないかを確認します。
改定時に会社が行うべき確認手順
ステップ1:自社が適用される最低賃金を確認する
事業場の所在地の都道府県の地域別最低賃金を確認します。特定産業に該当する場合は特定最低賃金も確認が必要です。
ステップ2:全従業員の時間単価を算出する
月給制・日給制の従業員については、時間単価に換算して最低賃金と比較します。
月給制の場合の計算式 月給額 ÷ 1か月の平均所定労働時間数 = 時間単価
ステップ3:最低賃金を下回っている従業員を特定する
算出した時間単価と最低賃金を比較し、下回っている従業員を特定します。
ステップ4:賃金を引き上げる
最低賃金を下回っている従業員の賃金を、改定後の最低賃金以上に引き上げます。
ステップ5:就業規則・賃金規程を改定する
賃金を引き上げた場合は、就業規則・賃金規程の記載も合わせて改定し、労働基準監督署へ届出(常時10人以上の場合)を行います。
固定残業代を導入している場合の注意点
固定残業代を導入している会社では、固定残業代を除いた基本給部分が最低賃金を下回らないかを確認する必要があります。
最低賃金改定のたびにこの確認を行わないと、知らないうちに最低賃金法違反になるケースがあります。
パート・アルバイトへの対応
パート・アルバイト・外国人従業員を含むすべての労働者に最低賃金が適用されます。雇用形態・国籍・年齢に関係なく、同一の最低賃金が適用されます。
特に時給制のパート・アルバイトは、最低賃金改定後に時給が最低賃金を下回っていないかを速やかに確認してください。
違反した場合のリスク
最低賃金を下回る賃金を支払った場合、最低賃金法第4条違反となり、罰則(最低賃金法第40条)の対象となります。罰則の内容は最低賃金法をご確認ください。
まとめ
- 最低賃金は毎年改定される。最新額は厚生労働省・都道府県労働局で確認
- 比較対象となる賃金の範囲を正しく理解する
- 全従業員の時間単価を算出して比較する
- 固定残業代がある場合は基本給部分が最低賃金以上かを確認
- パート・アルバイト・外国人も同一の最低賃金が適用される
最低賃金改定への対応・賃金規程の見直しについては、お気軽にご相談ください。
本記事は2026年6月時点の法令に基づいています。最低賃金の最新額は厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp)または都道府県労働局にてご確認ください。
執筆:社会保険労務士アーチ事務所(大阪)