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出勤簿・タイムカードの保存ルール|保存期間・方法・注意点を社労士が解説

出勤簿・タイムカードの保存ルール|保存期間・方法・注意点を社労士が解説

「タイムカードはどのくらい保存すればいいですか?」という質問をよく受けます。出勤簿・タイムカードは法定帳簿のひとつであり、保存期間・保存方法には法令上のルールがあります。

本記事では、出勤簿・タイムカードの保存に関するルールと実務上の注意点を解説します。

出勤簿の法的根拠

出勤簿(タイムカード・勤怠管理システムのデータ等を含む)は、労働基準法第109条が定める「労働関係に関する重要な書類」に該当します。

また、厚生労働省のガイドライン(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)においても、使用者は労働時間を適正に把握・記録することが義務付けられています。

保存期間

出勤簿・タイムカードの保存期間は、最後の記録から5年間です(労働基準法第109条)。

ただし、現在は当面の間3年間の経過措置が設けられています。

書類保存期間
出勤簿・タイムカード5年(当面3年)
賃金台帳5年(当面3年)
労働者名簿5年(当面3年)

退職した従業員の記録も、退職日から起算して保存期間が適用されます。「退職したから捨てていい」とはなりません。

記録すべき内容

出勤簿には以下の内容が記録されている必要があります。

  • 出勤日・出勤時刻・退勤時刻
  • 休憩時間
  • 実労働時間数
  • 時間外労働時間数
  • 休日労働の有無
  • 欠勤・遅刻・早退の状況

電子データでの保存は認められるか

勤怠管理システム・ICカード・スマートフォンアプリ等による電子データでの記録・保存は認められています。ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • データが改ざんされないよう適切に管理されていること
  • 必要なときに速やかに出力・確認できること
  • バックアップが適切に取られていること

クラウド型勤怠管理システムを利用している場合も、サービス終了や契約解除に備えてデータのエクスポート・保管を定期的に行うことをお勧めします。

36協定との整合性

時間外労働がある場合、出勤簿の記録は36協定で定めた時間外労働の上限と整合している必要があります。

労働基準監督署の調査では、以下の点が重点的に確認されます。

  • 出勤簿の時間外労働時間数と36協定の上限が一致しているか
  • 賃金台帳の時間外労働時間数と出勤簿が一致しているか
  • 実態として36協定の上限を超えていないか

「出勤簿の記録と実態が違う」という状況は、是正指導・送検の対象となります。

よくある問題

始業・終業時刻しか記録していない

休憩時間の記録がない場合、実労働時間の計算ができません。休憩時間も必ず記録してください。

月単位の集計しか残していない

日々の出退勤時刻の記録がなく、月次集計データのみ保存しているケースは不十分です。日単位の記録が必要です。

退職者の記録を廃棄している

退職後であっても保存義務は継続します。退職者の記録を早期に廃棄することは法令違反となります。

手書きの出勤簿を従業員本人が記入している

従業員が自己申告で記入する方式の場合、客観性に欠けるとして労基署から指摘を受けることがあります。可能であればタイムカード・ICカード・システムによる客観的な記録方法への移行を検討してください。

まとめ

  • 出勤簿・タイムカードの保存期間は最終記録から5年間(当面3年)
  • 退職者の記録も退職日から起算して保存義務あり
  • 電子データ保存は可能だが、改ざん防止・出力可能な管理が必要
  • 36協定の上限時間と出勤簿の記録は必ず整合させる
  • 日単位の出退勤時刻・休憩時間の記録が必須

出勤簿・勤怠管理の整備についてご不明な点は、お気軽にご相談ください。

本記事は2026年6月時点の法令に基づいています。

執筆:社会保険労務士アーチ事務所(大阪)