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中国人スタッフを雇用するときの労務管理の注意点|中国系企業・日本企業向け

中国人スタッフを雇用するときの労務管理の注意点|中国系企業・日本企業向け

日本で働く外国人の中でも、中国籍の方は多い層です。中国人スタッフを採用したい会社、すでに雇用している会社も少なくありません。

ただし、日本の労働法令や社会保険制度への理解不足、文化や言語の違いにより、労務トラブルが起きることがあります。 本記事では、中国人スタッフを雇用するときに会社が確認すべきポイントを整理します。

まず確認すべき在留資格と就労可否

中国籍であっても、在留資格によって従事できる業務は異なります。採用前には必ず在留カードを確認してください。

在留資格就労可否
永住者・定住者・日本人の配偶者等業種・職種の制限なく就労可能
技術・人文知識・国際業務在留資格に該当する業務に限り就労可能
留学(資格外活動許可あり)原則週28時間以内
短期滞在就労不可

「中国人だから問題ない」ではなく、在留資格、在留期限、業務内容との適合性を確認することが重要です。

労働条件通知書は中国語版も用意する

日本語の労働条件通知書だけでは、本人が十分に内容を理解できない場合があります。厚生労働省が公開している多言語版の書式などを参考に、中国語でも説明できる体制を整えることをお勧めします。

特に誤解が起きやすい項目は次の通りです。

  • 給与の計算方法
  • 残業・休日出勤のルール
  • 試用期間の扱い
  • 有給休暇の付与・取得ルール
  • 退職・解雇に関する事項

「説明した」「聞いていない」という争いを防ぐには、中国語で書面を交付し、本人の署名をもらうことが有効です。

給与・残業代で起きやすい誤解

残業代は別途支払う必要がある

日本では、法定労働時間を超えた労働には、原則として割増賃金の支払いが必要です。雇用時に、残業代の計算方法や支払時期を明確に説明してください。

試用期間中でも最低賃金は適用される

試用期間中であっても、最低賃金を下回る賃金で働かせることはできません。試用期間だから低くしてよい、という理解は誤りです。

賞与の有無は事前に明確にする

賞与は、就業規則や労働条件通知書に定めがあるかどうかで扱いが変わります。支給の有無、計算基準、支給時期をあらかじめ明示しておくことが重要です。

社会保険・雇用保険は日本人と同じ基準で判断する

中国籍スタッフであっても、日本人スタッフと同じように加入要件を満たせば社会保険・雇用保険への加入が必要です。

保険主な加入条件
雇用保険一定の労働時間・雇用見込みを満たす場合
健康保険・厚生年金労働時間・雇用形態などの要件を満たす場合

日本と中国の間には社会保障協定もあります。長期雇用や出向者がいる場合は、二重加入の有無も確認してください。

マイナンバーの取得と管理

給与支払いや社会保険手続きにはマイナンバーが必要です。住民登録をしている外国人にもマイナンバーは付与されます。

取得・保管・利用は、個人情報保護法やマイナンバー法に従って厳格に管理してください。

文化・言語の違いによるトラブル予防

労務トラブルの多くは、制度の違いだけでなく、説明不足や認識違いから起こります。

有給休暇の申請ルール

申請期限、承認フロー、繁忙期の扱いなどを入社時に説明しておくと安心です。

遅刻・早退の扱い

遅刻・早退時の連絡方法、賃金控除、評価への影響を明確にしておきます。

退職手続き

退職希望日の何日前までに申し出るか、引き継ぎの必要性、退職時に返却すべきものを就業規則に定めておきましょう。

解雇・退職時の注意点

日本では解雇が厳しく制限されています。能力不足や勤務態度だけを理由にすぐ解雇できるわけではありません。

外国人スタッフの退職時には、次の手続きも確認してください。

  • 雇用保険資格喪失届
  • 社会保険資格喪失届
  • 外国人雇用状況届出
  • 住民税の異動届

まとめ

  • 採用前に在留資格・在留期限・業務内容を確認する
  • 労働条件通知書は中国語でも説明する
  • 残業代・試用期間・賞与の扱いを明確にする
  • 社会保険・雇用保険は日本人と同じ基準で判断する
  • 文化や言語の違いを前提に、書面でルールを残す

中国人スタッフの雇用や中国語対応の労務管理については、お気軽にご相談ください。

本記事は2026年6月時点の法令に基づいています。

執筆:社会保険労務士アーチ事務所(大阪)