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外国人雇用で在留カードを見るときの注意点【行政書士が解説】

外国人を雇用する際の在留カード確認で見落としやすい注意点を解説。有効期限・更新申請中の特例・永住者のカード期限・資格外活動許可の読み方・不法就労助長罪のリスクまで行政書士がわかりやすく整理します。

在留カードの確認は外国人雇用における企業の義務ですが、「とりあえず見た」では不十分です。有効期限の見方・更新申請中の扱い・永住者のカード期限・資格外活動許可の確認など、実務でよく迷うポイントを整理します。

行政書士アーチ事務所では外国人雇用に関する企業からのご相談を多くいただいています。「在留カードを確認したのに不法就労になっていた」というケースの多くは、確認の仕方が不十分だったことが原因です。正しい見方を理解しておくことが企業リスクを防ぎます。

在留カード確認の法的根拠

外国人を雇用する際に在留カードを確認することは、不法就労助長罪(入管法第73条の2)を回避するための実務上の義務です。

在留カードを確認していなかったり、確認が不十分だったりして不法就労させた場合、「知らなかった」は免責になりません。過失がある場合も処罰対象となります。罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金です(2025年以降引き上げが検討されています)。必ず原本で確認し、その記録を残してください。

注意点①:在留期間満了日と在留カード有効期限の違い

在留カードには2種類の「期限」があります。混同しやすいため注意が必要です。

在留期間満了日(在留資格の期限)

在留カード表面の「在留期間満了日」が、日本に在留できる期限です。この日を過ぎると不法滞在になります。雇用中の外国人社員については、この日を定期的に確認し、更新が必要な時期を把握しておくことが重要です。

在留カード自体の有効期限

永住者の場合、在留資格には期限がありませんが、在留カード自体には有効期限(通常7年、16歳未満は16歳の誕生日まで)があります。カードの有効期限が切れているだけで在留資格が失効するわけではありませんが、有効期限切れのカードを所持していること自体が入管法上の義務違反になります。

永住者の在留カードは「更新不要」と誤解されることがありますが、カード自体は定期的に更新が必要です。「在留資格の期限がない=何もしなくていい」は間違いです。

注意点②:更新申請中は引き続き就労できる

在留期間の満了日が迫っているまたは過ぎていても、更新申請中であれば従前の在留資格のまま就労を継続できます(入管法第20条第6項・在留特例)。

更新申請中かどうかは、在留カードまたはパスポートに押されたスタンプで確認できます。

更新申請中の特例は、申請が受理されていることが前提です。申請が不許可になった場合は速やかな対応が必要になります。また特例期間は在留期間満了日から2か月間が上限です。企業側でも在留期限の管理を行い、更新手続きを怠っていないか確認することをお勧めします。

注意点③:就労制限の表記を正確に読む

在留カードの「就労制限の有無」欄には複数のパターンがあり、それぞれ意味が異なります。

表記意味
就労制限なし業種・職種・雇用形態を問わず就労可能
在留資格に基づく就労活動のみ可許可された在留資格の範囲内でのみ就労可能
指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可指定された機関(企業)でのみ就労可能
就労不可原則就労不可(資格外活動許可があれば限定的に可)

「在留資格に基づく就労活動のみ可」の場合、在留カードだけでは業務範囲の詳細まで確認できません。採用する業務内容が在留資格の範囲に適合しているかどうかの判断が必要です。

注意点④:資格外活動許可欄の確認(裏面)

「就労不可」の在留資格(留学・家族滞在など)の外国人をアルバイトとして採用する場合は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」を必ず確認してください。

許可の記載がない場合は就労させることができません。

許可がある場合でも以下の制限があります。

  • 原則として週28時間以内(全雇用先の合計時間)
  • 留学生の長期休暇中は1日8時間・週40時間まで
  • 風俗営業等に該当する業務は許可対象外
週28時間の制限は、自社だけでなく他の雇用先での勤務時間も含む合計時間です。他社でのアルバイト状況を本人に確認し、合算が28時間を超えないよう管理することが必要です。

注意点⑤:特定活動の「指定書」確認

在留資格が「特定活動」の場合、活動内容はパスポートに貼付された「指定書」によって個別に定められています。在留カードだけでは就労の可否や業務範囲を確認できないため、必ずパスポートと指定書をあわせて確認してください。

特定活動の主な種類として、ワーキングホリデー・特定活動46号(本邦大学等卒業者)・EPA看護師・介護福祉士候補者などがあります。それぞれ就労できる業務内容や条件が異なります。

注意点⑥:在留カード等読取アプリ・失効情報照会の活用

出入国在留管理庁は、在留カードの確認を強化するための公式ツールを2つ提供しています。採用時に併用することをお勧めします。

在留カード等読取アプリケーション(無料)

スマートフォン(iPhone・Android)またはパソコン(Windows・Mac)で利用できる公式アプリです。在留カードのICチップを読み取り、カードが正規に発行されたものかどうかを確認できます。

主な確認内容は次のとおりです。

  • ICチップ内の情報とカード券面の記載が一致しているか(偽造・改ざんの検出)
  • 本人の顔写真とICチップ内の顔写真が一致しているか
  • 資格外活動許可の有無(留学・家族滞在の外国人のアルバイト可否も確認可能)

読み取り結果に「正常な在留カードを読み取りました」と表示され、改ざん検証・発行元検証がいずれも緑色の✓になれば正規カードです。いずれかが赤の✗になった場合や、表示された顔写真と本人が異なる場合は偽造が疑われます。その際は採用手続きを中止し、最寄りの出入国在留管理局に連絡してください。

アプリはApp Store・Google Play・Microsoft Storeから無料でダウンロードできます。スマートフォン版はNFC対応機種が必要です(iPhone:iOS17以降、Android:Android14以降推奨。iPadは非対応)。

2025年11月14日以降、在留カード等読取アプリから直接「失効情報照会」も行えるようになりました。ICチップ読み取りによる真正性確認と失効情報照会を同一アプリ内で完結できます。アプリを利用する場合は失効情報照会も併せて実施してください。

在留カード等番号失効情報照会(オンライン)

アプリが使えない場合は、在留カード番号(右上の英数字12桁)を入力するだけでオンラインで失効情報を確認できます。照会先URLは `https://lapse-immi.moj.go.jp/html/top.html` です(2026年1月5日よりURLが変更されています)。

採用後の在留期限管理

雇用した外国人社員の在留期限管理は、採用後も継続的に行う必要があります。

実務上は以下の管理体制を整えることをお勧めします。

  • 採用時に在留期限をシステムまたは台帳に記録する
  • 在留期限の3か月前にリマインドする仕組みをつくる
  • 更新が必要な際は、余裕を持って手続きを開始するよう本人へ案内する
在留期間の更新には標準的に1〜2か月かかります(繁忙期はさらに長くなる場合があります)。在留期限の直前に申請すると、結果が出るまでの間に不安定な状況が続くことがあります。余裕を持った管理が重要です。

よくある質問

Q. 在留カードのコピーで確認記録を残すだけで十分ですか?

A. 確認自体は原本で行うことが基本です。コピーを保管しておくことは証拠として有効ですが、コピーだけを見て採用手続きを進めるのは不十分です。原本確認を必ず行ったうえで、確認日・確認者・確認内容を記録として残してください。

Q. 在留カードを忘れたと言われました。どう対応すべきですか?

A. 在留カードの確認ができない場合は就労を開始させないことが原則です。後日必ず原本を確認するまでは採用・就労を保留してください。「確認できなかったが善意で雇用した」は不法就労助長罪の免責になりません。

Q. 永住者は在留期限がないので在留カードの確認は不要ですか?

A. 永住者でも在留カードの確認は必要です。在留資格自体に期限はありませんが、在留カード自体に有効期限があります。有効期限切れのカードを確認なしに雇用した場合、問題が生じる可能性があります。永住者の方も定期的にカードの有効期限を確認してください。

Q. 採用選考中に在留期限が切れそうです。どうすればよいですか?

A. 在留期限が近い場合、更新申請の状況と結果の見通しを確認することが重要です。更新申請中であれば特例として就労継続が認められます。内定後に更新が不許可になった場合の対応も事前に確認しておくことをお勧めします。状況が複雑な場合は専門家への相談をお勧めします。

まとめ:在留カード確認チェックリスト

採用時に以下の項目を原本で確認してください。

  • 在留期間満了日は有効か(期限切れ・更新申請中のスタンプを確認)
  • 在留資格の種類は何か
  • 就労制限の有無・内容(表面)
  • 資格外活動許可の有無・内容(裏面)※就労不可の場合
  • 特定活動の場合はパスポートの指定書を確認
  • 在留カード番号の失効情報照会(オンラインで確認可能)
  • 確認日・確認者・確認結果を記録として残す

在留カードの確認方法や在留資格の適合性に迷う場合は、入管業務を専門とする行政書士へのご相談をお勧めします。

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本記事は出入国在留管理庁の公式情報および実務経験をもとに作成しています。制度の詳細は個別事情により異なります。最新情報は必ず出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。

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