行政書士アーチ事務所ビザ申請・在留資格コラム
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外国人雇用

留学生を正社員採用する流れ【行政書士が解説】

外国人留学生を正社員として採用する際の在留資格変更手続き・申請スケジュール・必要書類・不許可リスクを企業の人事担当者向けに行政書士が解説。4月入社に向けた申請推奨時期も整理します。

外国人留学生を正社員として採用するには、在留資格「留学」から就労ビザへの変更手続きが必要です。許可が下りるまで就労を開始できないため、入社日から逆算したスケジュール管理が欠かせません。この記事では企業の人事担当者が知っておくべき手続きの流れと注意点を整理します。

行政書士アーチ事務所では外国人留学生の就職に伴う在留資格変更を多数サポートしています。申請タイミングの見誤りや書類不備で入社日に間に合わないケースは珍しくありません。早めの準備が最大のリスク対策です。

留学生採用で必要な手続き

日本国内の大学・専門学校に在籍する留学生は「留学」の在留資格で在留しています。この在留資格では就労(正社員としての勤務)ができないため、卒業後に就労可能な在留資格への変更手続きが必要です。

在留資格の変更許可が下りるまでは、正社員として就労を開始できません。「採用が決まったから働いてもらう」はNGです。許可が下りてから初めて就労を開始できます。

留学生採用で選ぶ主な在留資格

留学生の就職で活用される主な在留資格は3つです。

① 技術・人文知識・国際業務(技人国)

最も多く使われる就労ビザです。ITエンジニア・営業・マーケティング・通訳・経理など、専門知識を要する職種に幅広く対応します。学部・専攻と業務内容の関連性が審査されます。

② 特定活動46号(本邦大学等卒業者)

日本の大学・大学院を卒業し、JLPT N1相当(BJT480点以上)の日本語能力を持つ外国人が対象です。技人国ビザでは認められない接客業務・現場業務を一定割合含む職種にも就くことができます。

特定活動46号は、日本語能力と日本の大学卒業という条件はありますが、業務内容の幅が広い点が特徴です。販売員・ホテルスタッフ・飲食店の管理業務などを含む複合的な職務に活用できます。

③ 特定技能(対象分野が限定)

飲食料品製造・建設・介護など特定の12分野に限定されます。留学生採用だから自動的に使えるわけではなく、対象分野かどうか・技能試験に合格しているかどうかで判断が必要です。

手続きの流れ(国内大学卒業の場合)

留学生(国内大学・専門学校卒業)を4月入社で採用する場合の標準的な流れです。

ステップ1:採用内定・雇用契約の締結

採用が確定したら雇用契約書または内定通知書を交付します。在留資格変更申請に必要な書類なので、業務内容・職務・報酬額を明確に記載してください。

万が一、在留資格変更が許可されなかった場合の対応も雇用契約書に記載しておくことをお勧めします(内定取消の条件など)。

ステップ2:申請書類の準備

必要書類は大きく「会社側が準備する書類」と「本人(留学生)が準備する書類」に分かれます。

会社側が準備する主な書類は次のとおりです。

  • 在留資格変更許可申請書(本人記入)
  • 雇用契約書または労働条件通知書
  • 会社案内・事業内容を説明する資料
  • 登記事項証明書
  • 前年の法定調書合計表の写し(カテゴリー3の場合)
  • 直近の決算書の写し(カテゴリー3・4の場合)
  • 所属機関の代表者に関する申告書(カテゴリー3・4で2026年4月15日以降の申請)

本人(留学生)が準備する主な書類は次のとおりです。

  • パスポート・在留カードの提示
  • 卒業証明書または卒業見込証明書
  • 成績証明書
  • 履歴書
  • 業務に言語能力を使う場合:CEFR B2相当の言語能力証明(カテゴリー3・4のみ・2026年4月15日以降)

ステップ3:在留資格変更許可申請の提出

申請は本人が居住地を管轄する地方出入国在留管理局に提出します。行政書士(申請取次者)が代理提出することも可能です。

手数料は許可時に収入印紙で納付します(窓口申請6,000円・オンライン申請5,500円、2025年4月1日以降)。

ステップ4:審査・許可

審査期間は通常2週間〜2か月程度ですが、1〜3月の繁忙期は審査が遅延するケースがあります。入管庁は月次で標準審査期間を公表しているため、申請前に最新月を確認することをお勧めします。

許可が下りたら入管から通知(ハガキ)が届き、本人が必要書類を持参して新しい在留カードを受け取ります。

ステップ5:就労開始

新しい在留カードを受け取ってから就労を開始します。

4月入社に向けた申請推奨時期

出入国在留管理庁は4月入社予定の留学生の在留資格変更申請について、12月1日〜1月末までの申請を推奨しています。1〜3月は申請が集中して審査が遅延しやすく、4月入社に間に合わないリスクがあります。
申請時期の目安状況
12月1日〜1月末入管庁の推奨時期。4月入社に余裕を持って対応可能
2月審査が遅延するリスクが出始める
3月以降審査期間が長引き、4月1日に間に合わない可能性が高くなる

不許可になりやすいケース

留学生の在留資格変更でよく見られる不許可の原因をまとめます。

  • 学部・専攻と採用職務の関連性が薄い(例:理系専攻なのに文系営業への就職で説明不足)
  • 採用企業の決算状況が悪い・設立直後で実績がない
  • 業務内容が単純労働と判断される
  • 卒業見込みだったが卒業できなかった(留年・退学)
  • アルバイトの時間超過など、在留中に不法就労があった
在学中にアルバイトの時間制限(週28時間)を超えていた場合、在留資格変更の審査に悪影響を与えます。採用面接の段階でアルバイトの状況を確認しておくことをお勧めします。

海外の大学卒業者を採用する場合

日本国内に在籍していない海外大学の卒業者を採用する場合は、在留資格変更ではなく在留資格認定証明書(COE)の交付申請が必要です。会社側が申請を行い、COEが交付されたら本人が海外の日本大使館・領事館でビザを取得して入国します。

COEの審査期間は通常1〜3か月です。入社日から逆算して余裕を持った申請スケジュールが必要です。

よくある質問

Q. 専門学校卒の留学生を採用できますか?

A. 専修学校(専門課程)を修了し、専門士または高度専門士の称号が付与されている場合は、学歴要件を満たします。ただし、専攻した分野と採用職務の関連性が審査されます。業務内容と専攻科目がどう結びつくかを説明できるかどうかが重要です。

Q. 卒業見込みの段階で申請できますか?

A. 卒業見込み証明書を使った申請は可能です。ただし実際に卒業できなかった場合は、許可が取り消される場合があります。万が一の際の対応について、本人との間で事前に確認しておくことをお勧めします。

Q. 手続きを本人に任せても大丈夫ですか?

A. 会社側の書類(雇用契約書・会社案内・決算書など)は企業が準備する必要があり、本人だけでは完結しません。また書類の内容が業務の専門性や学歴との関連性を十分に示せていないと不許可になります。企業側が関与してサポートすることが許可率を上げる上で重要です。

Q. 内定を出した後に在留資格変更が不許可になった場合はどうなりますか?

A. 不許可になった場合は、不許可理由を確認したうえで再申請を検討するか、採用を取り消さなければならない場合があります。雇用契約書に「在留資格取得ができなかった場合の取扱い」を明記しておくことをお勧めします。

まとめ

留学生を正社員採用する際のポイントは3つです。

まず、在留資格の変更許可が下りてから就労を開始すること。次に、4月入社を目指すなら前年12月〜1月末に申請すること。そして会社側の書類(雇用契約書・会社案内・決算書など)を丁寧に準備し、業務の専門性と学歴の関連性を示すことです。

書類準備や申請スケジュールの管理に不安がある場合は、入管業務を専門とする行政書士へのご相談をお勧めします。

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本記事は出入国在留管理庁の公式情報および実務経験をもとに作成しています。審査基準・手続き内容は変更される場合があります。最新情報は必ず出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。

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