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月収30万円の社員を雇うと会社の実際の負担はいくら?|社会保険料・法定福利費の内訳を社労士が解説
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「月収30万円で採用したいが、実際に会社がいくら負担するのか」という質問をよく受けます。会社が支払うのは給与だけではありません。法律で定められた社会保険料の会社負担分(法定福利費)が毎月発生します。
採用を検討する際は、給与額だけでなく「総人件費」を把握した上で判断することが重要です。
会社が負担するコストの全体像
| 費用の種類 | 内容 | 負担の性質 |
|---|---|---|
| 給与・賞与 | 毎月の給与・ボーナス | 法的義務(賞与は任意) |
| 法定福利費 | 社会保険料・労働保険料の会社負担分 | 法的義務 |
| 法定外福利費 | 通勤手当・住宅手当等 | 会社の任意(支給する場合は労働条件化) |
| その他費用 | 採用費・設備費・研修費等 | 随時発生 |
法定福利費(会社が負担する社会保険料)の内訳
以下は2026年度の大阪の料率(協会けんぽ加入の一般事業、40歳未満の場合)をもとにした計算例です。
※保険料率は毎年改定されます。最新の料率は協会けんぽ(https://www.kyoukaikenpo.or.jp)・日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp)・厚生労働省でご確認ください。
① 健康保険料(大阪・協会けんぽ)
- 2026年度 大阪の健康保険料率:10.13%(労使折半)
- 会社負担分:5.065%
- 月額計算(標準報酬月額30万円の場合):300,000円 × 5.065% = 約15,195円/月
② 厚生年金保険料
- 保険料率:18.3%(全国一律・労使折半)
- 会社負担分:9.15%
- 月額計算:300,000円 × 9.15% = 27,450円/月
③ 子ども・子育て支援金
- 2026年度(令和8年4月分から)の支援金率:0.23%(労使折半)
- 会社負担分:0.115%
- 月額計算(標準報酬月額30万円の場合):300,000円 × 0.115% = 345円/月
④ 子ども・子育て拠出金
事業主は、児童手当の支給に要する費用等の一部として、子ども・子育て拠出金を負担します。被保険者の負担はありません。
- 拠出金率:0.36%(事業主が全額負担)
- 被保険者ごとの厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に拠出金率を乗じて計算
- 月額計算(標準報酬月額30万円の場合):300,000円 × 0.36% = 1,080円/月
⑤ 雇用保険料(一般事業)
- 2026年度 事業主負担率:8.5/1000(0.85%)
- 月額計算(実際の賃金額に対して計算):300,000円 × 0.85% = 2,550円/月
⑥ 労災保険料
- 料率は業種によって異なります(事業主が全額負担)
- 厚生労働省が定める業種別料率表をご確認ください
- 例:一般事務・IT系の場合 2.5/1000(0.25%)
- 月額計算:300,000円 × 0.25% = 750円/月(年額9,000円)
月収30万円の場合の法定福利費まとめ(月額・年額)
以下は40歳未満・一般事業(労災保険率0.25%)の場合の概算です。
| 保険の種類 | 月額(会社負担) | 年額(会社負担) |
|---|---|---|
| 健康保険料(大阪・2026年度) | 約15,195円 | 約182,340円 |
| 厚生年金保険料 | 27,450円 | 329,400円 |
| 子ども・子育て支援金 | 345円 | 4,140円 |
| 子ども・子育て拠出金 | 1,080円 | 12,960円 |
| 雇用保険料 | 2,550円 | 30,600円 |
| 労災保険料(業種例) | 750円 | 9,000円 |
| 合計(法定福利費) | 約47,370円 | 約568,440円 |
給与(年額360万円)+法定福利費(年額約57万円)= 年間約417万円が最低限の会社負担となります。
※40歳以上65歳未満の場合は介護保険料(2026年度:1.62%・労使折半)が追加されます。
その他に発生する可能性があるコスト
法定福利費以外にも、以下の費用が発生することがあります。
通勤手当・住宅手当等
就業規則や雇用契約に定めた場合は支給義務が生じます。たとえば通勤手当月2万円・住宅手当月2万円を支給する場合、年間48万円の追加コストとなります。
採用費用
求人広告費・人材紹介会社への手数料(紹介の場合は年収の一定割合)・採用担当者の工数等が発生します。
研修・教育費
入社後の研修や業務習得にかかる費用(外部研修費・教育担当者の人件費等)が発生します。
設備費
パソコン・スマートフォン・制服・オフィスの席等、業務に必要な設備を会社が用意する場合のコストです。
健康診断費用
会社には、常時使用する労働者に対して雇入れ時および年1回の定期健康診断を実施する義務があります。健康診断の受診費用や、受診に必要な時間の取扱いなどを確認しておく必要があります。
総コストの目安
| 条件 | 年間総コストの目安 |
|---|---|
| 給与のみ(基本ケース) | 約360万円 |
| +法定福利費 | 約417万円 |
| +各種手当・採用費・研修費・設備費・健康診断費等 | 会社の条件により加算 |
給与だけでなく、法定福利費や各種手当、採用・研修・設備・健康診断等の費用を含めて総人件費を見積もる必要があります。
保険料率は毎年変わります
社会保険料率は毎年改定されることがあります。特に健康保険料率は都道府県・加入する保険者によって異なり、大阪と東京でも料率が異なります。
採用計画を立てる際は、以下の公式情報で最新の料率を確認してください。
- 健康保険料率:全国健康保険協会(協会けんぽ)
- 厚生年金保険料率:日本年金機構
- 雇用保険料率・労災保険料率:厚生労働省
まとめ
- 月収30万円の従業員を雇う場合、法定福利費だけで年間約57万円の会社負担が発生する
- 2026年度からは子ども・子育て支援金も会社負担に含まれる
- 子ども・子育て拠出金は事業主が全額負担する
- 社会保険料率は毎年変更されるため、採用計画時は最新の料率で試算することが重要
- 40歳以上の従業員は介護保険料の追加負担が発生する
- 業種によって労災保険料率が大きく異なるため確認が必要
社会保険料の計算・給与計算の適正化についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
*本記事の計算例は2026年度の公式料率(協会けんぽ大阪支部・日本年金機構・厚生労働省)に基づいています。料率は毎年改定されるため、最新情報を各公式サイトでご確認ください。*
*執筆:社会保険労務士アーチ事務所(大阪)*