永住申請では「引き続き在留していること」が要件のひとつです。出国日数が多い場合、生活の本拠が日本にないと判断され、要件を満たさないと判断されるリスクがあります。出国の頻度・理由・期間によって審査への影響が異なるため、個別の状況を専門家に確認することが重要です。
「仕事で海外出張が多いが、永住申請に影響するか」「毎年帰国しているが、在留期間の計算はどうなるか」——出国日数に関する不安は、永住申請を検討する方からよく寄せられます。
この記事では、永住申請における「引き続き在留」の考え方と、出国日数が多い場合の審査上の注意点を行政書士の視点から解説します。
このページの要点
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 出国が多いと永住申請できませんか? | 出国の頻度・理由・期間によって判断が異なります。生活の本拠が日本にないと判断されると「引き続き在留」とみなされないリスクがあります。 |
| 年間何日以内なら問題ありませんか? | 法律上の明確な基準はありません。ただし年間100日を超える出国は審査上注意が必要とされることがあります。 |
| 海外出張は出国日数に含まれますか? | はい。業務上の出張も出国日数に含まれます。ただし、出張の理由・頻度・期間によって審査への影響は異なります。 |
| 長期出国があった場合、在留期間の計算はリセットされますか? | 在留資格が維持されている限り在留期間はリセットされませんが、長期出国は「引き続き在留」の判断に影響する可能性があります。 |
| 出国日数が多い場合でも申請できますか? | 状況によっては申請できる場合があります。出国の理由・生活実態・日本への定着性を説明する書類が重要になります。 |
「引き続き在留」とはどういう意味か
「引き続き在留」とは、在留資格を切らさず継続して日本に在留していることを意味しますが、単に在留資格が維持されているだけでなく、日本が生活の本拠であることも求められます。
永住申請の要件である「引き続き○年以上在留」は、在留資格が途切れていないことが基本条件です。しかし出入国在留管理庁のガイドラインでは、在留資格が維持されていても出国日数が多い場合は「生活基盤が日本にない」と判断されることがあります。
在留資格の有無だけでなく、実際に日本で生活しているかどうかが重視されます。
出国日数と審査への影響
年間100日を超える出国は審査上の注意が必要とされることがありますが、法律上の明確な基準はなく、出国の理由や生活実態が総合的に判断されます。
短期・頻繁な出国(海外出張など)
業務上の出張や短期帰国が年に数回ある場合でも、日本に生活の本拠があることが明確であれば、通常は「引き続き在留」とみなされます。
ただし、出張の頻度・期間が極めて多い場合は、日本での生活実態を補足する説明が求められることがあります。
長期出国(1回あたり3か月以上など)
1回の出国が長期にわたる場合(3か月以上など)は、生活の本拠が海外に移っていると判断されるリスクが高まります。特に、家族が海外在住・海外での賃貸契約・日本での居住実態がないといった状況が重なると、審査上不利に評価される可能性があります。
複数年にわたる高頻度の出国
10年間の在留期間中、複数年にわたって出国日数が多い場合は、累計の在留実態が問われます。全体的な生活の重心が日本にあるかどうかが審査の焦点になります。
出国理由別の注意点
出国の理由によって、審査上の評価が異なります。業務上の出張と私的な帰国では、説明方法も変わります。
業務上の海外出張
勤務先の業務として海外出張が多い場合は、日本の会社に雇用されており日本を生活の本拠としている点を説明することが重要です。必要な補強書類は個別の状況によって異なるため、専門家に相談することをお勧めします。
海外赴任・長期駐在
海外赴任が含まれる場合は、その期間が「引き続き在留」の計算から除外されることがあります。海外赴任中も日本に住民票・在留資格を維持していたとしても、生活実態が海外にある期間は審査上の評価が変わる可能性があります。個別の状況については専門家への相談が必要です。
家族の介護・帰国
家族の病気・介護・冠婚葬祭などやむを得ない理由による帰国の場合、理由書でその事情を具体的に説明することで、審査官の理解を得やすくなります。
観光・私的な帰国
観光や個人的な帰国が多い場合、日本への定着意思が弱いと判断されるリスクがあります。日本での生活実態をどのように示すかは個別の事情によって異なるため、専門家に相談することをお勧めします。
出国日数が多い場合に審査で確認されること
出国日数が多い申請者に対しては、日本での生活実態・定着性・出国の理由が重点的に確認されます。
住居・就労・家族・資産・社会保険など、日本での生活の根付き具合が総合的に判断されます。何をどのように示すかは個別の事情によって異なるため、申請前に専門家に状況を確認してもらうことをお勧めします。
出国日数の確認方法
自身の出国日数は、パスポートの出入国スタンプや出入国記録で確認できます。
永住申請前に過去の出入国記録を整理しておくことが重要です。パスポートに出入国スタンプが記録されている場合はそちらで確認できますが、スタンプが省略されているケースもあります。
出入国記録の開示請求は出入国在留管理庁に対して行うことができます。記録の整理に不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。
行政書士アーチ事務所に相談できること
「出張が多いが永住申請できるか」「長期帰国があったが在留期間の計算はどうなるか」——出国日数に関する判断は個別の事情によって大きく異なります。行政書士アーチ事務所では以下のサポートを行っています。
| サポート内容 | 詳細 |
|---|---|
| 在留実態の確認・申請可否の判断 | 出国歴・在留状況・生活実態をヒアリングし、申請の見通しをご説明します。 |
| 出入国記録の整理サポート | 過去の出入国記録を整理し、審査上の問題点を事前に洗い出します。 |
| 理由書・補強書類の作成 | 出国理由を審査官に正確に伝えるための理由書・補強書類の作成をサポートします。 |
| 申請代行(申請取次) | 書類提出から入管への申請代行まで対応します。 |
英語・中国語でのご相談にも対応しております。初回相談の詳細はお気軽にお問い合わせください。
FAQ
Q1. 年間何日まで出国していれば安全ですか?
法律上の明確な基準はありません。実務上は年間100日を超える出国が続く場合に審査上の注意が必要とされることがありますが、これは絶対的な基準ではなく、出国の理由・生活実態・出国の頻度と期間を総合的に判断されます。自分のケースが問題ないかどうかは、専門家に相談することをお勧めします。
Q2. 海外赴任期間は「引き続き在留」の10年に含まれますか?
海外赴任中も在留資格を維持していた場合、在留資格の継続はされますが、実際に日本に在留していない期間については「引き続き在留」の判断に影響する可能性があります。赴任期間の長さ・頻度・日本との生活上のつながりによって判断が異なるため、専門家への相談をお勧めします。
Q3. 出国中に在留期限が切れた場合はどうなりますか?
出国中に在留期限が切れた場合は、帰国時に再入国許可を持っていても在留資格が失効している状態となります。これは「引き続き在留」の継続が途切れることを意味し、永住申請の在留期間の計算が最初からやり直しになる可能性があります。出国前に在留期限と再入国許可の有効期限を必ず確認してください。
Q4. みなし再入国許可で出国した場合の注意点は?
みなし再入国許可(在留カード所持者が出国する場合の自動的な許可)の有効期間は出国から1年以内です。1年を超えて海外に滞在した場合は在留資格が失効します。長期出国を予定している場合は、正式な再入国許可(最長5年)を取得することをお勧めします。
Q5. 出国日数が多かった過去があっても、今後改善すれば申請できますか?
過去の出国日数が多かった場合でも、その後日本での生活実態を積み上げることで、申請できる状況になる可能性があります。ただし、過去の在留状況は審査で参照されるため、どの時点で申請するのが適切かは個別の判断が必要です。専門家にご相談ください。
まとめ
永住申請における「引き続き在留」の要件は、在留資格の維持だけでなく、日本が生活の本拠であることが求められます。出国日数が多い場合は、出国の理由・生活実態・日本への定着性を示す資料が審査の鍵を握ります。
- 「引き続き在留」は在留資格の維持だけでなく、日本が生活の本拠であることが前提。
- 年間100日超の出国は審査上の注意が必要とされることがあるが、明確な基準はない。
- 出国理由・生活実態・日本との結びつきが総合的に判断される。
- 出国日数が多い場合は、申請前に専門家に状況を確認してもらうことが重要。
「自分の出国歴で永住申請できるか不安」という方は、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。
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