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永住申請

永住申請が不許可になる主な理由【行政書士が解説】

永住申請の許可率は約50%です。不許可になる主な理由を、収入・税金・年金・出国日数・交通違反・届出義務などに分けて整理し、それぞれの対処法を行政書士が解説します。

永住申請の許可率は統計上おおむね50%前後で推移しており、申請者の約半数が不許可になっています。不許可には必ず理由があります。この記事では実務上よく見られる不許可の原因をカテゴリー別に整理し、申請前に何を確認すべきかを解説します。

行政書士アーチ事務所では「要件を満たしていると思っていたのに不許可だった」というご相談を多くいただいています。不許可の多くは、知らないうちに要件を満たせていない状態で申請していたことが原因です。この記事が申請前のチェックリストとして役立てば幸いです。

永住申請の許可率と不許可の現実

出入国在留管理庁の統計によると、永住許可申請の許可率は直近で50%前後で推移しています。これは入管が公表する書類をそろえて提出するだけでは許可が取れないことを意味しており、審査の難しさを示しています。

2025年後半以降、入管審査が全般的に厳格化する傾向があり、以前は許可されていた内容でも不許可になるケースが増えています。申請前に全要件を丁寧に確認することが以前にも増して重要になっています。

不許可理由①:収入が基準に届いていない

就労系ビザで申請する場合、直近5年間の課税証明書で毎年300万円以上(単身の場合の実務上の目安)の収入が確認できることが重視されます。

  • 5年間のうち1年でも300万円を大幅に下回ると審査で問題になりやすい
  • 扶養家族がいる場合は1人あたり70〜80万円上乗せが必要とされる(実務上の目安)
  • 転職直後・起業直後など収入実績が不安定な時期の申請は避けるべき
身分系ビザ(日本人配偶者等・定住者)の場合は世帯全体の収入で判断され、配偶者の収入を合算できる場合があります。一方、就労系ビザは原則として申請人本人の収入のみで判断されます。

不許可理由②:税金・年金・健康保険の遅延・未納

永住審査で最も不許可につながりやすいのが公的義務の履行状況です。

出入国在留管理庁のガイドラインには、「申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価される」と明記されています。

「今は完納している」は不十分です。過去に一度でも遅延があった事実は証明書類から確認されます。住民税・年金・健康保険すべてについて、審査対象期間中に期限内納付を続けていたかどうかが問われます。

遅延・未納があった場合の実務上の対処は、未納を完全に解消してから2年以上の期限内納付実績を積んでから再申請することが一般的です。

不許可理由③:在留年数・出国日数の問題

在留の継続性が途切れている

「引き続き10年以上」という在留要件では、継続性が重要です。1年間に100日以上または1度の出国で3か月以上離日すると、継続性が途切れるリスクがあります。

この場合、再来日した日からカウントがリセットされます。海外出張が多い方や長期帰国をした方は、出国記録を確認して在留の継続性が保たれているか確認が必要です。

出国日数の管理不足

在留の継続性は「年数の合計」ではなく「連続した在留」で判断されます。複数回の出国の積み重ねで年間100日を超えている場合も継続性が問われます。

不許可理由④:交通違反・刑事罰

素行善良要件に関わる問題として、交通違反と刑事罰があります。

刑事罰(罰金刑・懲役刑)

罰金刑・懲役刑などの刑事罰がある場合、永住申請は非常に難しくなります。処分の日から最低でも5年、重い処分の場合は10年程度経過してからでないと許可が難しいとされています。

交通違反

交通違反は切符の種類によって扱いが異なります。

  • 赤切符(刑事罰):罰金刑にあたるため非常に不利。支払いから5年程度空ける必要があるとされる
  • 青切符(行政罰・反則金):刑事罰ではないが、複数回重なると審査に影響する
  • 実務上の目安:過去5年で4回以内、直近2年で2回以内であれば大きな問題にならないことが多い
飲酒運転・人身事故など重大な交通違反は、1回でも審査に深刻な影響を与えます。

不許可理由⑤:届出義務の不履行

入管法では、就労系ビザの外国人が転職・退職した場合に14日以内に「所属機関に関する届出」を提出する義務があります。また住所変更時も市区町村への住民票の届出が必要です。

これらの届出を怠った場合、法令違反として素行善良要件に悪影響を与えます。2025年後半以降、届出漏れが審査で問題になるケースが増えているという報告があります。

不許可理由⑥:在留期間が最長でない

永住申請の時点で、現在持っている在留資格の在留期間が最長(原則5年)であることが必要です。

更新直後で在留期間が1年または3年の状態で申請しても、この要件を満たさないため不許可になる可能性があります。在留期間を5年に更新してから永住申請するのが基本です。

経過措置として、令和9年3月31日までは在留期間「3年」でも最長期間として取り扱われます。

不許可理由⑦:在留資格と職務内容の不一致

技術・人文知識・国際業務などの就労系ビザで在留している場合、実際に行っている職務内容が在留資格の範囲内であることが必要です。

転職後に在留資格に合わない業務をしていた場合、在留状況の不良として評価されます。判断に迷う場合は就労資格証明書の申請で事前確認することが有効です。

不許可になった後の対応

不許可通知が届いても、すぐに諦める必要はありません。ただし再申請には正しい対処が必要です。

  1. 入管窓口で不許可理由の確認(口頭説明または情報開示請求)
  2. 不許可原因を特定し、改善策を実行する
  3. 改善実績を積んでから再申請する(問題によっては1〜5年程度必要)
改善が不十分なまま再申請を繰り返すと、審査がさらに厳しくなります。不許可理由を正確に把握してから申請することが近道です。

よくある質問

Q. 不許可になった場合、現在の在留資格に影響はありますか?

A. 永住申請が不許可になっても、現在持っている在留資格には直接影響しません。ただし、永住申請中に現在の在留資格の期限が切れる場合は更新が必要です。不許可通知を受け取ったら、在留期限の確認を最初に行ってください。

Q. 不許可の理由を入管に聞きに行けますか?

A. 可能です。不許可通知を受け取ったら、申請を出した地方出入国在留管理局の窓口に出向いて審査官に確認できます。ただし、詳細な理由が開示されないケースもあります。また、情報公開制度を利用して書面で開示請求することも選択肢の一つです。

Q. 許可率50%というのは自分で申請した場合も含まれますか?

A. 公表されている統計は、自己申請・専門家への依頼を含めたすべての申請の許可率です。実務上、専門家のサポートを受けた申請では必要な補足説明や書類が整いやすいため、不許可リスクを下げやすい傾向があります。

まとめ:申請前の主なチェックポイント

永住申請を検討している方は、以下を申請前に確認しておくことをお勧めします。

  • 住民税・年金・健康保険:審査対象期間中に期限内納付が続いているか
  • 収入:直近5年(配偶者等は3年)、毎年300万円程度を維持しているか
  • 在留年数:「引き続き」の継続性が保たれているか(出国日数の確認)
  • 在留期間:現在5年の在留期間で在留しているか
  • 届出義務:転職・転居時の届出が適切に行われているか
  • 交通違反:赤切符・重大違反がないか
  • 在留資格と職務内容:一致しているか

一つでも不安な点があれば、申請タイミングを見直すか専門家へのご相談をお勧めします。

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本記事は出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」および実務経験をもとに作成しています。審査基準は個別事情により異なります。最新情報は必ず出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。

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