自社支援への切り替えとは?登録支援機関への委託をやめる選択肢
特定技能外国人を雇用している企業の多くが、登録支援機関に支援業務を委託しています。しかし、毎月の委託費用が積み重なり、「自社でできないだろうか」と考える担当者も少なくありません。
結論から言えば、一定の要件を満たせば自社支援への切り替えは可能です。この記事では、登録支援機関への委託から自社支援に切り替える際の手続きと届出の流れを、実務に即して解説します。
自社支援に切り替えるための要件
自社支援への切り替えを行うには、受入機関として以下の要件を満たす必要があります。すべての企業が自社支援できるわけではないため、まずは自社が要件をクリアしているか確認しましょう。
支援責任者・支援担当者の選任要件
自社で支援を行う場合、支援責任者と支援担当者を選任する必要があります。これらの担当者には、以下のいずれかの経験が求められます。
- 過去2年間で中長期在留者の生活相談業務に従事した経験
- 過去2年間で外国人の就労に関する相談業務に従事した経験
- 上記と同程度の経験があると認められること
つまり、外国人雇用の実績がない企業や、外国人対応の経験者がいない企業では、自社支援への切り替えは難しいのが現実です。
その他の主な要件
- 過去2年間に外国人を適正に雇用・管理した実績があること
- 支援に必要な体制が整っていること(通訳の確保など)
- 支援の中立性を確保できること(支援担当者が外国人の直属の上司でないこと等)
- 過去に入管法違反や労働関係法令違反がないこと
自社支援への切り替え手続きの全体像
要件を満たしていることを確認できたら、具体的な切り替え手続きに進みます。自社支援切り替え手続きの流れは、大きく分けて以下のステップで進行します。
ステップ1:登録支援機関との委託契約解除
まず、現在委託している登録支援機関との契約を解除します。契約書に定められた解約条件(解約予告期間など)を確認し、トラブルのないよう手続きを進めてください。
多くの場合、1〜2ヶ月前の解約予告が必要です。届出のタイミングと合わせて計画的に進めることが重要です。
ステップ2:1号特定技能外国人支援計画の変更
自社支援に切り替える際は、支援計画の内容自体は変わらなくても、支援の実施者が変更になります。そのため、支援計画の変更に関する届出が必要になります。
具体的には、支援責任者・支援担当者の情報、支援の実施体制などを自社のものに更新した支援計画を作成します。
ステップ3:届出書類の準備
自社支援への切り替えに伴い、出入国在留管理局へ届出を行います。主に必要となる届出書類は以下のとおりです。
- 支援委託契約に係る届出書(契約終了の届出)
- 1号特定技能外国人支援計画変更に係る届出書
- 支援責任者・支援担当者の就任承諾書および誓約書
- 支援体制に関する説明書
- 外国人と十分なコミュニケーションが取れることを証明する資料
届出には、変更が生じた日から14日以内という期限があります。切り替え手続きのスケジュールは、この届出期限を念頭に置いて組み立てましょう。
ステップ4:届出の提出
届出書類の提出先は、受入機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局です。窓口への持参、郵送、またはオンライン申請のいずれかで提出できます。
オンライン申請を利用する場合は、事前に利用者登録が必要です。初めて届出を行う場合は、余裕を持ったスケジュールで準備することをおすすめします。
自社支援切り替え後に発生する業務
切り替え手続きと届出が完了したら、いよいよ自社での支援業務がスタートします。委託費用は削減できますが、その分、以下の業務を自社で確実に実施する必要があります。
義務的支援の実施
- 事前ガイダンスの実施(新規雇用時)
- 出入国時の空港への送迎
- 住居確保・生活に必要な契約の支援
- 生活オリエンテーションの実施
- 日本語学習機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(雇用契約終了時)
- 定期的な面談の実施(3ヶ月に1回以上)
定期届出の提出
自社支援に切り替えた後も、四半期ごとの定期届出は継続して必要です。届出内容には、支援実施状況に関する報告も含まれるため、日々の支援記録を適切に残しておくことが大切です。
自社支援への切り替えで注意すべきポイント
コスト削減を目的とした自社支援への切り替えは有効な選択肢ですが、いくつかの注意点があります。
社内体制の維持が必須
支援責任者や支援担当者が退職した場合、すぐに後任を確保しなければ支援体制の要件を満たせなくなります。その場合は、再度登録支援機関に委託するか、要件を満たす人材を急いで確保する必要があります。
言語対応の準備
外国人との相談対応や定期面談では、母国語でのコミュニケーションが求められる場面があります。社内に対応できる人材がいない場合は、通訳の外部委託などを検討してください。
届出漏れに注意
自社支援切り替え時の届出はもちろん、その後も各種届出の期限管理が重要です。届出を怠ると、受入機関としての適格性に影響が出る可能性があります。
まとめ:計画的な準備で自社支援への切り替えを成功させる
自社支援への切り替え手続きと届出は、要件の確認から始まり、契約解除、届出書類の準備・提出と、複数のステップを踏む必要があります。切り替え後も義務的支援の実施や定期届出など、継続的な業務が発生します。
コスト削減のメリットは大きいですが、社内体制の整備と維持ができることが前提です。自社の状況を正確に把握し、計画的に準備を進めることが成功の鍵となります。
手続きや届出について不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することで、スムーズな切り替えが実現できます。
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