育成就労

技能実習から育成就労へ移行する監理団体が準備すべきこと

技能実習制度の監理団体が育成就労制度の監理支援機関へ移行するために必要な手続き・体制整備・申請スケジュールを解説します。

技能実習制度の監理団体は、育成就労制度の施行に伴い「監理支援機関」として新たに許可を取得する必要があります。現行の監理団体許可から自動的に移行される仕組みはなく、育成就労法に基づく許可申請を別途行わなければなりません。監理支援機関の許可申請受付は2026年4月15日から開始されており、2027年4月1日の制度施行までに許可を取得するには早期の準備が必要です。

移行に際して変わる主なポイント

技能実習制度の監理団体と育成就労制度の監理支援機関では、許可要件・体制・業務内容に複数の違いがあります。

外部監査人の設置については、技能実習制度では外部役員による監査も認められていましたが、育成就労制度では外部監査人の選任が必須要件となります。外部監査人は原則として弁護士・行政書士・社会保険労務士に限られ、氏名が外国人育成就労機構のウェブサイトで公表されます。

監理支援責任者については、監理支援を行う育成就労実施者の現役または過去5年以内の役職員は選任できません。技能実習制度より独立性・中立性の要件が厳格化されています。

常勤職員の配置基準として、実務に従事する職員が2人以上必要であり、職員1人あたり8社未満という基準も定められています。規模が小さくても名目的な体制では許可されません。

取引先が1社のみの場合は許可されません。現在の監理団体のうち約7%程度がこの条件に該当するとされています。

受入れ機関と密接な関係を有する役職員を当該受入れ機関に対する業務に関わらせることが禁止されます。既存の組合員企業との関係によっては、役職員の業務分担の見直しが必要になります。

定款・規約の見直し

非営利法人であることが引き続き前提となりますが、育成就労法の規定に沿った定款・規約の整備が必要です。監理支援事業の目的・業務範囲・外部監査人の設置に関する規定などを確認し、必要に応じて改定手続きを進める必要があります。

定款変更には社員総会・理事会等での決議が必要なため、申請スケジュールを逆算して早めに着手することが重要です。

申請スケジュールの確認

監理支援機関の許可申請受付は2026年4月15日から2027年3月31日まで受け付けられています。2027年4月1日の制度開始時点での許可を希望する場合は、2026年9月30日までの申請が目安とされています。ただし、同日までに申請しても2027年4月1日の許可が確約されるわけではなく、提出書類に不備がないことが前提です。

申請先は外国人育成就労機構の本部審査課であり、地方事務所では受け付けていません。監理支援事業所が複数ある場合でも、事業所ごとに申請を分ける必要はありません。

外部監査人の確保

外部監査人の確保は、許可申請前に済ませておく必要がある重要な準備事項の一つです。外部監査人には独立性の要件があり、過去5年以内に監理支援機関や傘下の受入れ機関の役職員だった者は就任できません。受入れ企業との顧問契約がある専門家も原則として対象外です。

外部監査人の選定では、資格の有無だけでなく、3か月ごとの書面確認および年1回以上の同行監査に実際に対応できる体制・時間があるかを確認することが重要です。名目的な外部監査人を選任しても、実際の監査が機能しなければ処分リスクにつながります。

移行期間中の技能実習生の取扱い

制度施行後も、既に受け入れている技能実習生は技能実習制度の下で在留を継続できます。また、一定の要件を満たす場合には、施行日後も技能実習を行うことが可能とされています。移行期間中は技能実習と育成就労が並行して存在するため、それぞれの制度に対応した記録管理・体制整備が必要になります。

よくある質問

Q. 技能実習の監理団体許可の有効期間が残っている場合、育成就労制度への移行は必要ですか?

2027年4月1日以降に新たな外国人を受け入れる場合は、育成就労制度での手続きが必要になります。技能実習制度の監理団体許可のまま育成就労外国人を受け入れることはできません。

Q. 監理支援機関の優良認定はいつから申請できますか?

優良認定は制度施行後の一定期間の業務実施状況に基づき評価が行われるため、施行日前および制度施行直後の申請受付は行われません。まずは通常の許可取得を優先して準備を進める必要があります。

Q. 現在の外部役員は育成就労制度の外部監査人になれますか?

技能実習制度で外部役員として関与していた者が育成就労制度の外部監査人になれるかは、独立性要件の充足状況によります。過去5年以内の役職員該当性や受入れ機関との関係を個別に確認する必要があります。

Q. 申請書類はどこで入手できますか?

外国人育成就労機構のウェブサイトおよび出入国在留管理庁の育成就労制度ページで公表されています。運用要領(2026年2月20日公表)も併せて確認してください。

行政書士アーチ事務所は、技能実習制度における外部監査の実績をもとに、育成就労制度でも監理支援機関の外部監査人として対応しています。監理支援機関への移行準備・許可申請支援についてもご相談を承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。

AUTHOR REVIEW

この記事の監修者

行政書士アーチ事務所

行政書士・申請取次行政書士

大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続き、特定技能、自社支援切り替え、外国人雇用を全国対応でサポート。

ONLINE CONSULTATION

大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続きをオンラインで全国対応しています

行政書士アーチ事務所は大阪市を拠点に、ビザ申請・在留資格手続きのご相談を全国から受け付けています。大阪で行政書士を探している方も、遠方にお住まいの方も、LINE・WeChat・電話・お問い合わせフォームを使って申請準備を進めることができます。

在留資格の種類、家族関係、職務内容、収入、過去の申請歴など、確認すべき点は案件ごとに変わります。申請前に必要書類と進め方を整理します。

WHY ARCH OFFICE

行政書士アーチ事務所が選ばれる理由

ビザ申請の書類作成だけで終わらず、外国人本人・家族・企業側の実務まで確認しながら、必要な手続きと注意点を整理します。

01

登録支援機関でもある行政書士事務所

特定技能の申請だけでなく、支援計画、自社支援切り替え、登録支援機関の変更まで見据えて相談できます。

02

有料職業紹介許可を保有

外国人採用の入口から在留資格、雇用後の手続きまで、採用実務を踏まえて整理します。

03

大阪市拠点・全国オンライン対応

大阪府内はもちろん、遠方の個人・企業からの相談にもLINE、WeChat、電話、フォームで対応します。

04

英語・中国語の相談にも対応

外国人本人、配偶者、企業担当者とのやり取りを、状況に応じて多言語で進められます。

05

個人向けと企業向けの両方に対応

家族滞在、永住、日本人配偶者ビザから、特定技能、技人国、外国人雇用まで横断的に確認します。

RELATED ARTICLES

育成就労育成就労制度とは?技能実習との違いと企業が準備すべきこと2027年4月施行の育成就労制度の概要と、技能実習制度との制度目的・転籍・日本語要件などの違いを解説。受入れ企業が今から準備すべき実務ポイントをまとめました。記事を読む育成就労育成就労で監理支援機関が確認すべき体制と記録管理育成就労制度における監理支援機関の許可要件・体制整備・記録管理の実務ポイントを解説。外部監査人の設置義務や常勤職員の配置基準など、許可取得に向けた準備を整理します。記事を読む育成就労育成就労の外部監査で確認される書類・面談・労務管理育成就労制度における外部監査の具体的な確認内容を解説。書類・面談・労務管理の各観点から、監理支援機関が備えておくべき実務ポイントを整理します。記事を読む育成就労育成就労の受入れ機関が整えるべき労務管理と相談体制育成就労実施者(受入れ企業)が整備すべき労務管理・相談体制・育成就労計画の実務ポイントを解説します。記事を読む育成就労育成就労で不備になりやすい記録管理・賃金台帳・面談記録育成就労制度の外部監査・行政指導で指摘されやすい記録管理の不備ポイントを解説。賃金台帳・面談記録・巡回監査記録の実務的な整備方法をまとめます。記事を読む育成就労監理支援機関の外部監査を行政書士に依頼するメリット育成就労制度の外部監査人を行政書士に依頼する理由と選定のポイントを解説。在留資格・出入国管理法の専門知識を持つ行政書士が外部監査人として機能する実務上の強みをまとめます。記事を読む
上部へ