支援責任者・支援担当者とは?自社支援を始める前に知っておくべき基礎知識
特定技能外国人を受け入れる企業が登録支援機関への委託をやめ、自社で支援を行うためには、支援責任者と支援担当者の選任が必須となります。毎月の委託費用を削減したいとお考えの受入機関の担当者様にとって、この2つの役職の要件を正しく理解することが、自社支援への第一歩です。
支援責任者は、特定技能外国人への支援業務全体を統括する立場にある者を指します。一方、支援担当者は、支援責任者の監督のもとで実際の支援業務を行う者です。両者は兼任することも可能ですが、それぞれに求められる要件を満たしている必要があります。
支援責任者の選任要件と適格性の判断基準
支援責任者になるためには、出入国在留管理庁が定める複数の要件を満たさなければなりません。具体的には以下の条件をすべてクリアする必要があります。
- 受入機関の役員または職員であること
- 過去2年以内に中長期在留者の生活相談業務に従事した経験があること、または同等以上の支援業務を適正に実施できると認められること
- 欠格事由に該当しないこと(5年以内の出入国管理法違反、禁錮以上の刑に処せられた者など)
- 支援の中立性を確保できる立場にあること
特に2番目の要件は解釈が難しいポイントです。「中長期在留者の生活相談業務」とは、外国人従業員の住居探しや行政手続きのサポート、日常生活上の相談対応などが該当します。人事部門で外国人雇用に携わってきた方であれば、この要件を満たせる可能性が高いでしょう。
また、「同等以上の支援業務を適正に実施できる」という要件については、海外事業部門での勤務経験や、外国人研修生の受入れ実績なども考慮されます。入管への相談時には、具体的な業務内容を説明できるよう準備しておくことをお勧めします。
支援担当者の選任要件と注意点
支援担当者の要件は、支援責任者とほぼ同様ですが、いくつかの違いがあります。支援担当者は受入機関の役員または職員であることが求められますが、支援責任者ほど厳格な経験要件は課されていません。
支援担当者の主な要件は以下の通りです。
- 受入機関の役員または職員であること
- 欠格事由に該当しないこと
- 支援業務を適正に遂行できる能力を有すること
- 特定技能外国人が十分に理解できる言語での対応が可能な体制を確保できること
4番目の言語要件は重要なポイントです。支援担当者自身が外国語を話せなくても、通訳を確保できる体制があれば問題ありません。社内に当該言語を話せる従業員がいる場合や、必要に応じて通訳サービスを利用できる場合は、この要件を満たすことができます。
支援責任者と支援担当者の兼任について
小規模な事業所では、支援責任者と支援担当者を同一人物が兼任するケースが多く見られます。法令上、兼任は認められていますので、人員に余裕がない企業でも自社支援を実施することは可能です。
ただし、兼任する場合は両方の要件を満たしている必要があります。つまり、支援責任者としての経験要件もクリアしていなければなりません。また、特定技能外国人の受入れ人数が多い場合は、支援業務の負担が大きくなるため、複数の支援担当者を配置することが実務上望ましいでしょう。
選任届出の手続きと必要書類
支援責任者・支援担当者を選任したら、所定の届出書類を出入国在留管理局に提出する必要があります。具体的には、1号特定技能外国人支援計画書の中で、支援責任者と支援担当者の情報を記載します。
届出時に必要となる主な情報は以下の通りです。
- 支援責任者・支援担当者の氏名、生年月日、役職
- 経験年数と具体的な業務内容
- 欠格事由に該当しないことの誓約
- 連絡先(電話番号、メールアドレス)
届出書類に虚偽の記載があった場合は、受入機関として不適格と判断される可能性がありますので、正確な情報を記載してください。特に経験要件については、曖昧な記載は避け、具体的な業務内容を明示することが重要です。
自社支援を成功させるための実務ポイント
支援責任者・支援担当者の選任要件を満たしただけでは、実際の支援業務を適切に行うことはできません。自社支援を円滑に進めるためには、以下の点に注意しましょう。
- 定期面談の実施スケジュールを事前に策定する
- 相談窓口の連絡先を特定技能外国人に周知する
- 支援実施記録を適切に作成・保管する
- 届出事項に変更があった場合は速やかに届け出る
- 支援責任者・支援担当者が退職した場合の後任選任を迅速に行う
登録支援機関への委託費用は、1人あたり月額2万円から3万円程度が相場です。自社支援に切り替えることで、この費用を大幅に削減できます。ただし、支援業務には一定の工数がかかりますので、社内リソースとのバランスを考慮した上で判断することをお勧めします。
まとめ
支援責任者と支援担当者の選任は、自社支援を始めるための必須条件です。要件を正しく理解し、適切な人材を選任することで、登録支援機関への委託費用を削減しながら、質の高い支援を提供することが可能になります。選任要件に不安がある場合や、自社の状況で自社支援が可能かどうか判断に迷う場合は、専門家への相談をご検討ください。
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