特定技能1号と2号の違いとは?受入機関が押さえるべき7つのポイント
外国人材の採用を検討している企業担当者の方から、「特定技能1号と2号の違いがよくわからない」というご相談を数多くいただきます。2019年に創設された特定技能制度ですが、1号と2号では在留期間や家族帯同の可否など、重要な違いがあります。
本記事では、特定技能1号2号違いについて、受入機関や登録支援機関の実務担当者向けに、具体的かつ実践的な視点で解説していきます。
特定技能制度の基本をおさらい
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるために設けられた在留資格です。技能実習制度とは異なり、「労働力の確保」を正面から認めた制度として位置づけられています。
この制度には「1号」と「2号」の2種類があり、それぞれ求められる技能水準や在留条件が大きく異なります。採用計画を立てる際には、この特定技能1号2号違いを正確に把握しておくことが不可欠です。
特定技能1号の概要
特定技能1号は、相当程度の知識または経験を必要とする技能を持つ外国人を対象としています。具体的には、各分野の技能試験と日本語試験(日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト)に合格することが要件です。
技能実習2号を良好に修了した方は、試験が免除される場合があります。この点は、技能実習生からの移行を検討している企業にとって重要なポイントです。
特定技能2号の概要
特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人を対象としており、1号よりも高い技能水準が求められます。2号の技能試験は1号よりも難易度が高く、実務経験も重視されます。
2023年の制度改正により、2号の対象分野が大幅に拡大されました。従来は建設と造船・舶用工業の2分野のみでしたが、現在では介護を除く11分野で2号への移行が可能となっています。
特定技能1号と2号の違い|7つの比較ポイント
ここからは、特定技能1号2号違いについて、実務上特に重要な7つのポイントを詳しく見ていきましょう。
1. 在留期間の上限
特定技能1号の在留期間は通算で最長5年です。1年、6か月、または4か月ごとの更新が必要で、5年を超えて在留することはできません。
一方、特定技能2号には在留期間の上限がありません。3年、1年、または6か月ごとに更新を行いますが、更新回数に制限がないため、要件を満たす限り日本で働き続けることが可能です。
2. 家族の帯同
特定技能1号では、原則として家族の帯同が認められていません。配偶者や子どもを母国に残して単身で来日するケースがほとんどです。
特定技能2号では、配偶者と子に限り「家族滞在」の在留資格で帯同が認められます。長期的に日本で働く外国人材にとって、家族と一緒に生活できることは大きなメリットです。この点は、優秀な人材を確保したい企業にとっても重要な訴求ポイントになります。
3. 支援義務の有無
特定技能1号の外国人を受け入れる場合、受入機関は法定の支援を行う義務があります。入国前ガイダンス、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供など、10項目の支援が定められています。
この支援は自社で実施するか、登録支援機関に委託することができます。登録支援機関の担当者にとっては、まさにこの支援業務が主要な業務内容となります。
特定技能2号の場合、こうした支援義務はありません。2号の外国人は熟練した技能を持ち、日本での生活にも慣れていると想定されるためです。
4. 日本語能力の要件
特定技能1号では、日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストへの合格が必要です。これは「基本的な日本語をある程度理解できる」レベルに相当します。
特定技能2号では、制度上の日本語試験要件はありません。ただし、分野によっては2号技能試験の中で日本語力が問われる場合があります。
5. 技能試験の難易度
特定技能1号の試験は「相当程度の知識または経験」を確認するものです。実務経験がなくても、しっかり準備すれば合格可能なレベルに設定されています。
特定技能2号の試験は「熟練した技能」を確認するもので、難易度は格段に上がります。多くの分野で、一定期間の実務経験がないと合格が困難な内容となっています。
6. 永住許可との関係
特定技能1号の期間は、永住許可の要件である「引き続き10年以上日本に在留」の期間としてカウントされません。これは1号が通算5年の上限付き在留資格であることと関係しています。
特定技能2号の期間は、永住許可の在留期間要件に算入されます。つまり、2号で長期間働くことで、将来的に永住権取得への道が開ける可能性があります。
7. 転職の可否
特定技能1号・2号ともに、同一の業務区分内であれば転職が可能です。これは技能実習制度との大きな違いの一つです。ただし、転職の際は在留資格変更許可申請が必要となります。
受入機関が注意すべき実務上のポイント
特定技能1号2号違いを理解した上で、受入機関として押さえておくべき実務ポイントを整理します。
採用計画における考慮事項
特定技能1号は最長5年という期限があるため、長期的な人材確保を目指す場合は2号への移行を視野に入れた育成計画が重要です。ただし、2号試験の難易度を考慮すると、すべての1号人材が2号に移行できるわけではありません。
- 1号から2号への移行を前提とした人材育成プログラムの構築
- 2号試験対策のための社内研修や実務経験の付与
- 5年後の人員計画と新規採用のバランス
- 家族帯同可能な2号人材向けの福利厚生の検討
コスト面での比較
1号の場合は支援にかかるコストが発生します。自社で支援を行う場合は支援担当者の人件費、登録支援機関に委託する場合は委託費用がかかります。月額2万円から4万円程度が相場です。
2号の場合は支援義務がないためこのコストは不要ですが、より高い技能を持つ人材として、相応の給与水準が求められます。
まとめ|制度を正しく理解して最適な採用戦略を
特定技能1号2号違いは、在留期間、家族帯同、支援義務など多岐にわたります。どちらの在留資格で受け入れるかによって、企業側の準備や負担も大きく変わってきます。
2号対象分野の拡大により、1号から2号へのキャリアパスを示すことで、優秀な外国人材の確保・定着につなげる企業も増えています。自社の人材戦略に合わせて、最適な受入方法を検討されることをお勧めします。
特定技能の受入れや在留資格申請について、ご不明な点がございましたら、行政書士アーチ事務所へお気軽にご相談ください。