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特定技能と育成就労制度の違い

特定技能と育成就労制度の違いとは?受入機関が知っておくべき実務ポイント

2024年の入管法改正により、従来の技能実習制度に代わる「育成就労制度」が創設されました。外国人材の受入れを検討している企業担当者の方から、「特定技能と育成就労の違いがよくわからない」というご相談が増えています。

本記事では、特定技能と育成就労制度の違いを実務的な観点から詳しく解説します。両制度の特徴を正しく理解し、自社に適した外国人材の受入れ方法を検討する際の参考にしてください。

特定技能制度と育成就労制度の基本的な位置づけ

特定技能制度の概要

特定技能制度は2019年4月に創設された在留資格で、人手不足が深刻な特定産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としています。特定技能1号では最長5年間の就労が可能で、特定技能2号に移行すれば在留期間の更新に上限がなくなり、家族の帯同も認められます。

特定技能の大きな特徴は、一定の技能水準と日本語能力を持つ人材が対象となる点です。技能試験と日本語試験に合格するか、技能実習2号を良好に修了した者が対象となります。

育成就労制度の概要

育成就労制度は、技能実習制度の課題を踏まえて2027年までに本格施行される新しい制度です。「人材育成」と「人材確保」の両立を目的とし、3年間の育成期間を経て特定技能1号への移行を目指す仕組みとなっています。

従来の技能実習制度との大きな違いは、「国際貢献」という建前ではなく、日本国内の労働力確保を正面から認めている点にあります。これにより、より実態に即した制度運用が期待されています。

特定技能と育成就労の違い:5つの重要ポイント

1. 制度の目的と対象者の違い

特定技能と育成就労の違いで最も重要なのは、制度の目的です。特定技能は「即戦力人材の確保」を目的としているため、入国時点で一定の技能水準が求められます。一方、育成就労は「未経験者の育成」を前提としており、入国後に計画的な教育訓練を行います。

  • 特定技能:技能試験・日本語試験の合格が必要(入国時点で能力を証明)
  • 育成就労:未経験でも受入れ可能(3年間で特定技能レベルまで育成)

2. 転籍・転職に関するルールの違い

特定技能では、同一分野内であれば本人の意思による転職が認められています。これは日本人労働者と同様の権利として保障されているものです。

育成就労制度では、原則として1〜2年は同一の受入機関での就労が求められますが、一定の条件を満たせば転籍が可能です。技能実習制度と比較すると、転籍の要件が緩和されている点が特徴です。やむを得ない事情がある場合の転籍手続きも明確化されています。

3. 在留期間と将来的なキャリアパス

両制度のキャリアパスを整理すると、以下のようになります。

  • 育成就労(3年)→ 特定技能1号(5年)→ 特定技能2号(無期限)
  • 特定技能1号(5年)→ 特定技能2号(無期限)

育成就労から始める場合、最終的に特定技能2号まで到達すれば、通算8年以上の日本での就労経験を積むことができます。長期的な人材確保を考える受入機関にとっては、育成段階から関わることで定着率向上が期待できます。

4. 受入機関に求められる体制の違い

特定技能の受入れには、登録支援機関への支援委託または自社での支援体制構築が必要です。具体的には、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、定期的な面談などが求められます。

育成就労制度では、新たに設置される「育成就労監理支援機関」の監理のもとで受入れを行います。現行の監理団体に相当する組織ですが、許可要件が厳格化され、外部監査の強化なども予定されています。

5. 対象分野と受入れ可能な業務範囲

特定技能の対象分野は、介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業など16分野に拡大されています。

育成就労の対象分野は、特定技能の対象分野と連動する形で設定される予定です。特定技能と育成就労の違いを理解するうえで、対象分野の整合性が図られている点は実務上重要なポイントです。

受入機関として検討すべき実務上のポイント

どちらの制度を選ぶべきか

特定技能と育成就労の違いを踏まえ、自社の状況に応じて適切な制度を選択することが重要です。

  • 即戦力が必要な場合 → 特定技能(技能試験合格者または技能実習修了者)
  • 未経験者を一から育成したい場合 → 育成就労制度
  • 長期的な人材確保を重視する場合 → 育成就労から特定技能への移行を視野に入れた計画

コスト面での比較

特定技能では、登録支援機関への委託費用(月額2〜4万円程度が相場)や各種届出に係る事務コストが発生します。育成就労では、監理支援機関への監理費用に加え、計画的な教育訓練にかかるコストを見込む必要があります。

ただし、育成段階から自社で育てた人材は定着率が高い傾向にあり、長期的に見れば採用コストの削減につながる可能性があります。

今後の制度施行に向けた準備

育成就労制度は2027年までに本格施行される予定ですが、受入機関としては早めの情報収集と体制整備が重要です。現在、技能実習生を受け入れている企業は、新制度への移行手続きについても確認しておく必要があります。

まとめ:両制度の特徴を理解し、最適な受入れ計画を

特定技能と育成就労の違いは、即戦力確保か人材育成かという制度目的の違いに集約されます。どちらの制度が適しているかは、業種、業務内容、求める人材像、長期的な人材戦略によって異なります。

外国人材の受入れは、在留資格の申請手続きだけでなく、受入れ後の支援体制や労務管理など、多岐にわたる実務対応が必要です。制度の詳細や具体的な手続きについてご不明な点がございましたら、専門家にご相談ください。

 

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